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【AISTS #12】 10週目 スポーツマーケティングとイングランドのフットサル (2019/11/25-12/1)

一週間通してスポーツマーケティングとスポンサーシップの講義でした。
今週はそれ以上に、週末のイギリス旅行で多くの学びと出会いがありました。やはり、想いを持って行動すると、人の繋がりができて、そこにチャンスが生まれますね。

スポーツマーケティングの講義

プログラム全体の中では「マネジメント」の中の25%を占めるテーマで、フランスの大学から教授を招いての講義が中心です。講義の構成は以下の通り。

• Philosophy and fundamental concepts of marketing
• Marketing strategy
• Sport consumer behavior
• Sport product, brand and pricing decisions
• Sport sponsorship

スポーツの事例を交えての講義だったものの、それほど目新しい内容ではなかったので詳細は割愛します。大きなメッセージとしては、"Marketing of Sport" から "Marketing through Sport" に変わってきているということでしょうか。

木曜日はOMEGAの本社を訪問しました。

1932年からオリンピックの公式タイムキーパーを務め、オリンピック会場で唯一ロゴが大きく露出するOMEGA。投資対効果の測定は難しいものの、ブランドイメージの維持向上のためにまだしばらくは続ける意向のようでした。
同じスウォッチグループ傘下のLONGINESやTISSOTとは、合弁会社 Swiss Timing でスポーツ関連の計時技術を共同開発し、対象となるスポーツイベントの特性によってブランドを使い分けています。
とはいえ、プレゼンを聞いていると、開発や調達の共通化などのメリットはあるものの、ルーツを異にする別の会社という意識が強い印象を受けました。

金曜日の午後は、UEFAが主催するEUROなどの代表戦のマーケティングを請け負うCAA11の方が講師として来てくれました。チャンピオンズリーグのTEAM Matketingと同じ位置づけです。
ロサンゼルスの大手総合エージェンシー Creative Artists Agency(CAA)の子会社で、UEFAの事業に特化しています。テクノロジーの発達によってライツホルダー(協会、リーグ、クラブなど)による内製化の流れはあるものの、マーケティングや交渉ノウハウ、専門家の集積など、まだまだ代理店の必要性は大きいという自負が感じられました。

課外活動 ー ロンドンスタジアム

週末は韓国人と日本人のクラスメイト5人でロンドン旅行。

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新しくできたトッテナムスタジアムのツアーに行きたかったのですが、試合当日は開催無し、翌日は早々に売り切れで断念。
ただ、その代わりに行ってみたロンドンスタジアムのツアーが面白かったです。

ロンドンオリンピックのメイン会場として建設され、2016年からはサッカー プレミアリーグのウェストハムがホームスタジアムとして使っています
ウェストハムは100年以上の歴史がある自前のスタジアム Upton Park からロンドンスタジアムに移転して、35,000人から60,000人に収容人数を大きく増やしました。
一方で、公共のスタジアムなのでカスタマイズしづらく使い勝手が悪く、コストは抑えられたものの、サポーターからの評判は良くないようです。

スタジアムの所有者はE20 Stadiumという会社で、オリンピックレガシーを管理する公共機関London Legacy Development Corporationの子会社です。契約書や財務諸表も公開されていて、よく読んでみると面白そうです。

運営者はLondon Stadium 185(LS185)という会社で、フランスのVINCI Stadiumの子会社です。1998年のフランスワールドカップ決勝が開催されたStade de Franceなども運営しています。
メジャーリーグの試合やコンサートなど、サッカー以外のイベントも積極的に開催しています。用途の変更には2週間、2.5百万ポンド(約3.5億円)くらいかかるそうです。

ウェストハムは、メインではあるものの、あくまで一(いち)テナントとしてスタジアムを使わせてもらう立場です。
入札では、今年から自前の新スタジアムを使っているトッテナムと激しく争いました。利用料は年間2.5百万ポンドとかなり格安ですが、多額の公的資金を注入しているので、法廷も含めて議論があったそうです。資金力の違いはありますが、それぞれのクラブの今後が興味深いです。
英語のWikipediaに詳しく載っています。

その後、トッテナムスタジアムに移動して試合観戦。ボーンマス相手に3-2で勝利。デレアリのプレーに惚れました。
一緒に行ったクラスメイトもそうですが、ソンフンミン目当ての韓国人がたくさんいました。韓国企業のスポンサー広告も目に付きました。ここまでの選手になると事業面に与える影響も大きいですね。

課外活動 ー イングランドのフットサル

今回のメインイベントは、フットサルのHome Nations Championshipでした。

レスターでFIFAマスターに通う内田大三さんと合流して、会場のSt. George's Parkへ。日本で言うJヴィレッジのような施設でした。
観戦に来ていたFIFAマスターのクラスメイトを紹介していただき、フットサル談義に花が咲きました。さすがFIFAマスターで、フットサルに強い思いを持っている方も二人。AISTSではフットサルの踏み込んだ話ができるクラスメイトはいないので、久しぶりの感覚でした。一方で、フットサルに興味を持っていることが稀有なAISTSにいることの意味もあると思っています。

一人はフィリピンのフットサル連盟から来ていて、グラスルーツから代表チームの結成まで、奮闘しているとのこと。本大会の主催者であるイングランドサッカー協会(FA)のフットサル部門の方を紹介していただき、運営面の話を聞くこともできました。
FAはフットサルの中期戦略を公表し、今年から国内リーグを一新しています。やはり主眼は育成にあるようですが、下記リンクのように狙いを公にして施策を進めている姿勢は見習うべきところがあると感じました。

もう一人は、インドでロナウジーニョやファルカンとプレーしていた元選手。イングランド代表キャプテンのDoug Reed選手と知り合いで、こちらも試合後に紹介してもらいました。UEFAのマスター(MIP: Exucutive Master for International Players)でのフットサルの論文を知ってコンタクトしていたので、絶妙なタイミングでした。

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単純な試合観戦だけではなく、イングランドのフットサルの実情を知りたくて行きましたが、期待以上の収穫がありました。
講義に通うことはもちろんですが、フットワーク軽くヨーロッパ諸国に行ける環境にいることに時間とお金を投資していると思っているので、引き続き貪欲に行動していこうと思います。

今回お世話になった内田さんも、FIFAマスターでの留学生活の様子をnoteに書かれているので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
会場に向かう道中、お互いのプログラムや入学の経緯などを話して、同志を得た思いです。

来週の予定

前半2日は引き続きマーケティングの講義で、後半はアスリートのキャリアについて。現役アスリートのクラスメイトからのプレゼンもある模様。


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