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【TOKYO-雨】007休まず休まらず

曲:ma-kun キャスト:高嶋はな・愛季・sunameri・服部ユタカ
00:00 | 00:30
ボイスドラマ「TOKYO-雨」第七話。
シリーズ前話は(006変化)はこちら→ https://note.mu/yutakahattori/n/nb04ad22fb2ab

ma-kunさんの曲「ON AND ON」 https://note.mu/ma_kun/n/nec2e6453ea08 を元に文章をつけ、ボイスドラマとしました。今回はずっとループする感じにしたかったのですが、ちょっと尺が伸びすぎるかなと、少し抑えました。

新キャスト、愛季さんと、臨時キャスト、sunameriさんとの初共演。

以下、本文。

***

クリーニングカンパニーの部隊員が、最後に緊急用シグナルを発した区域へと到着した。

緊急用というだけあって、その信号は、通常なら通信の届かない東京、箱根間でも、おおよその位置を知らせるほど強力なものだ。

完全な居場所はさすがに検知できないが、少なくとも「まずいことになった」ということは伝わる。

俺の記憶素子には、信号の途絶えた大まかな位置が書き込まれていた。

区域の外れに反重力サイクルを置き、カムフラージュ用シートを被せ、視界にマークされたエリアへと歩む。

足元を白い猫型アニマロイドがすり抜け、行く先々で振り返り、俺を導こうとした。

「こちらです」

「見えている」

カンザキに提示した条件のひとつ、所持品への口出し無用。

いまいち好きになれないが、このアニマロイドは、はっきり言って利便性が高い。

ナガレが推したこともあるが、俺自身、必要性は感じていた。

大通りの付近で、過去に衣料店であったらしき建物に入った。

そこに、フード付きの防雨ローブを纏った少女が身を潜めていたのだ。

どうやら、見張りだったらしい。

俺の接近を認めると少女は駆けたが、即座に腕を掴み取り、取引を持ちかける。

「最近騒ぎのあった場所、よそ者が来た場所を教えてくれないか」

見返りはやはり、これだ。

「そこに案内するだけで本当にリフォーマー、くれるの?」

少女は怯えた表情でそう言いながら、こちらを見上げた。

「ああ、先に渡しておく。だからそのナイフはしまってくれ。……それでいい」

後ろ手に握られた、護身用のナイフを腰の鞘に収めさせると、ようやく腕を放す。

「これが報酬だ。家族はいるか」

「お母さんがいる。弟も」

「なら、追加だ」

「……! えっとね、こっち! こっちだよ!」


「マーカーをつけておきますか」

アニマロイドが二又の尾から、先を行く少女にシグナルマーカーを射出しようとした。

「必要ない」

「承りました」

それきり、アニマロイドは発声しなかった。静かで助かる。


昔は芝で覆われていたのであろう公園に、俺たちは誘われた。

立ち枯れた木々と、土の大部分が流出してしまった地面。人影は一見、ないように思われた。

少女がシリンジを大事そうに抱え、俺の顔をじっと見つめる。俺は顎を軽く上げ、離れて構わない、という意思表示をした。

「旧代々木公園。汚染度、レベル3です」

「長居したい場所ではないな。AI、周辺を探れ」

「承りました。サーチモード」

アニマロイドは青い瞳で熱源感知を行うと共に、口からソナー音を発し、周囲の情報を集める。

「熱源探知。記憶素子にデータを転送します」

短波通信で送られた情報が俺の視界に入り込む。小さな熱源反応。離れた場所に、誰かがいた。

俺は極力足音を殺し、身をかがめながら、そちらへと近づく。

「地味。地味。地味すぎ。あたしの仕事にしては地・味・す・ぎ」

どこかで見た覚えのある白い防護マントを羽織った女が、そこにはいた。フードをかぶらず、赤髪を濡らしたままにする姿。

「ヤツは」

ひと月以上前に殺ったと思っていたが、生きていたのか。

木の裏から様子を見ていると、garbageの暗殺者、カルミアがこちらに向き直った。いつの間にか、その手にはナイフが握られている。

「そこの。コソコソしても気配はもう感じてるよ。早く出てきな」

腰のホルスタから無反動銃を抜き、俺は構えながら姿をさらした。

***

キャスト
カルミア:愛季(あいき) https://note.mu/kobayashiaiki
ソラ:高嶋はな https://note.mu/yohira
レイジ:服部ユタカ

少女:sunameri https://note.mu/sunameri

ちなみに。
ma-kunさんの楽曲も実は結構前に、イイなあ、と思っていたんですが、ぼくの力が不足していたので、なかなか使用させていただくにいたりませんでした。今回はなんとかはまったかな。
愛季さんのカルミア。地味が嫌いなのでこれから派手に行きたいみたいです(無責任)。でも、はっきりとした悪役は描いていて楽しいので、たぶんこれからグリグリ動きます。
sunameriさんは「ちょい役どうですかー?」のぼやっとした問いかけに応じてくださいました。感謝。

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ma-kunさんは日曜作曲の常連さんのお一人で、短くまとまった楽曲を多数発表されています。ぼくのお気に入りは……おっと、今はまだ言えないですね。これからもどうぞよろしくお願いします。

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統合失調症持ちの30歳。人生三度目の引きこもりを脱して就職。小説を書いています。神奈川在住。ふざけたnote量産機にもなったりするので、笑ってやってください。

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原案:花本恵介 シナリオ:服部ユタカ 各種参加者募集中の近未来SFボイスドラマ「TOKYO-雨」のマガジンです。

コメント (17)
推しメンは秘密です(笑)陰ながら応援するのが好きなので(*´ω`*)
ニカイドウは、様って感じじゃないようなwwwニカイドウ様!って言ったら、「にっししし!そんな変な呼び方するなよー」って笑われそう(^o^)
フゥ〜! これはマジな推しメンをお持ちですね! 確かにニカイドウは様じゃないかなあ(笑)
緊迫しますね〜クオリティも高い。音楽も溶け込んでる。むむむむ〜面白い。
むふふ、ありがとうございます。音楽は本当に、それを先に持ってきているので、溶け込んでいるとなると、とても嬉しいです。
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