「ビルと明日を変えていく演劇&人」というプロジェクト
「ビルと明日を変えていく演劇&人」というプロジェクトに注目しています。12月13日に行われた上期公演千穐楽を経て、感じたことを書くのですが、結論としては、「ぜひとも、次回公演に足を運んでみませんか?」というお誘いです。
「ビルと明日を変えていく演劇&人」とは
霞が関ビルを「働く」だけの場所にしない
ホームページを開くと、やや唐突とも思えるフレーズが飛び込んできます。
「霞が関ビル・・・大きめの古めのビル・・・?」
「ビルは働くための場所では・・・?」
いろんな疑問がわくところかと思います。
そもそも、このプロジェクトを推進する「劇と暮らし」とは何だろう?ということで、以下を引用します。
2017年初春、都心の空間を何かしら文化的なことに活用できないかと模索していた三井不動産ビルマネジメント株式会社と、演劇という文化がもっと世の中に役立つための仕組みを作れないかと模索して いたconSept LLCによって、演劇や演劇のメソッドを通して心と体を整えたり、暮らしを豊かにする ための様々なアプローチを考え、実践して行くことを目的として『劇と暮らし』プロジェクトはスター トしました。
わかるようでわからない気もするし、なんとなくわからない・・・少なくとも自分はそんな感じ。
このプロジェクトを主宰する方にお話を聞いたこともあるのですが、自分の理解としては・・・
・オフィスビルに新たな付加価値を創出しようとする不動産会社
・演劇文化を日本に根付かせようとする制作会社
両者がコラボレートして、本来交じり合うことがなかった「オフィスビル」と「演劇」を繋いで、新しいカルチャーをつくっていこうとしている。
みたいな感じでとらえています。(たぶんだいたい)
そんな新しい取り組みが、日本最初の高層ビルといわれて竣工50年を超える歴史をもつ霞が関ビル(東京ドーム以前は「霞が関ビル〇杯分」というものさし表現もあった・・・らしい)で行われるというのは、個人的にとても興味を惹かれるポイントだったりします。
劇場とは”日常の解毒剤”
10月18日に行われた「社会人向け演劇セミナー」に足を運んだ際に、当プロジェクト総監督の板垣恭一さんが言っていた、自分の中で印象的だった言葉です。
日常の暮らし、仕事においても家庭においても、大小さまざまな”毒”が溜まっていっていて、劇場はそれを解毒する場である。
ざっくりそんなことをおっしゃっていた気がします。
日常で感じる、違和感やモヤモヤ感、あるいはあるあるな共感。
もしくは、自分の奥底にあるオリジン・価値観。
“題材”や言葉(脚本・台詞)を通じて描かれる“テーマ”を自分に引き寄せて、事象を自分なりに紐解いていくことでカタルシスを感じる。
劇中の人物はこうしたけど、自分なら・・・を考えるキッカケにできる場に「劇場」はなり得るのでは。
自分の中では、"解毒"とはマインドセットであるということなのでは、という考えに至っています。
その意味では、「劇場」もサードプレイスになり得る可能性があるのでは?
そう思うわけです。
プロジェクトに集った“演劇人”たちの魅力
今回観劇した演目については、ストレートにおもしろくて、とても楽しかったです。
1演目目は「厩火事」という作品。
”コミュニケーション”についての会話劇という風に感じました。
特に印象的だったのは2演目の「常時裏」という作品。
「厩火事」の上演中の劇場受付、舞台裏の会話劇。
演劇業界の舞台裏を知らない自分のような層に「こんな感じなんですよ」と示しているように見えて、一方で業界内部に対して「こんな感じで、いいんですかね?」的な、ちょっと切り込むようなメッセージを発しているようにも感じました。(違うかもですが)
ここで記しておきたいのは、このプロジェクトに集った“演劇人”たち自身の魅力です。
このプロジェクトに参加する"演劇人"は、演劇活動してきた人、大学で演劇を学ぶ人、さらに、このプロジェクトがキッカケとなり上京してきた人、オフィスで“働く人”から脱して演劇の世界に飛び込んだ人、働きながら演じることにチャレンジする人、など多種多様。
公演に先駆けて11月7日に開催された交流ワークショップでチョロっとお話したところ、"演劇人"とは言っても、いい意味で普通の人。
そんな感じの人たちが、それぞれにいろんな想いを抱いて1つのプロジェクトに集う姿、舞台にあがると普段とは違う一面を見せる姿。
昭和生まれのオジサン的にも、エモーショナルな何かを感じざるを得ません。
また、それが垣間見えたり、参画しているそれぞれの"演劇人"のストーリーとしても見れる余地があることも、通常の公演と一風違った当プロジェクトならではなのではないかと思ったり。
次回公演に足を運んでみませんか?
いろいろと書いてしまいましたが、とてもおもしろいプロジェクトだと思っています。
2020年3月頃からは、後期本公演も予定されているようです。
時期が来たらまたnoteにも書いてみたいと思いますが、百聞は一見に如かずという意味でも、
次回公演に足を運んでみませんか?
(おまけ)
今まで普段、noteにはサンロッカーズ渋谷のことしか書いてなかったのですが、もうちょっと幅を広げてみようかと思っています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?