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リモートワークテックカオスマップを公開しました!


こんにちは、コミュニケーションとチームワークを科学するTeam Growth Scientistの楢崎 @nuta0326です。

さて、この度BONXではリモートワークのさらなる拡大・発展を願って「リモートワークテックカオスマップ」を公開しました!コロナ対策で急激にリモートワークに切り替わったことで、オフィスにいた時のような快適な働き方ができなくなった方も多いのではないかと思います。実際私も、「ホワイトボードさえあればすぐに伝えられるのに…」「印刷して作業したい…」など、細かい部分でリモートワークならではの不便さ・もどかしさを痛感していました。そこで、逆に「物理的に存在していたオフィスが当たり前に果たしてきた様々な機能」に注目し、在宅環境でも利用可能な代替サービスを調査することで、リモートワークにおいてもより生産的な働き方ができるのではないかと考え、カオスマップを作成しました。

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このnoteでは公開したリモートワークカオスマップについて、カテゴリごとにより詳細を記載しています。興味のある方には高解像度版マップもご提供しますので、ぜひpr@bonx.jpまでご連絡ください。また、ロゴデータの使用に問題がある企業様、もしくは自分たちのサービスが乗っていない!という企業様があれば、速やかに修正対応しますので、何なりとご連絡ください。

■カテゴリー分類と調査の進め方について

まず、フレームワークとして「オフィスに物理的にあり直接的なメリットが生まれていたもの=物理的アセット」「形のないものだが、オフィスがあることで間接的にメリットが生まれていたもの=非物理的アセット」と分類し、「オフィスがなくなったことで何が失われたか?不便になったか?」をカテゴライズしていきました。通常のカオスマップとは異なり、既存のサービスをまとめ直して作ったわけでなく、先に"失われたもの/不便になったもの"の枠組みから考えていますので、代替サービスが見つからなかったものは「該当なし」と記載しています。結果、カテゴリーとしては以下のような分類となっています

<物理的アセット>
・1. 空間: オフィス空間に存在していたもの
 ▶座席、会議室、地理的価値
・2. 設備: オフィス内に設備として装備されていたもの
 ▶タイムカード、内線、ホワイトボード、椅子/机、ハイスペックPC/
  ディスプレイ、PC盗難防止ワイヤ、社内サーバ、高速NW、
  FAX、リフレッシュコーナー、シュレッダー/鍵付きキャビネット、
  備品/事務用品
・3. サービス: オフィス内で享受できた様々なサービス
 ▶名刺交換/管理、秘書業務、ライブラリ/資料検索、郵便、印刷、
  企業内保育所

<非物理的アセット>
・4. コミュニケーション: 同じ空間にいることで実現できていた情報伝達
 ▶会議、チームコラボレーション、ワークフロー、ランチ/飲み会、
  感謝
・5. 健康: 顔が見える/話ができることで自然とわかった個人/組織の状態
 ▶個人レベル: 通勤/運動、メンタル
 ▶組織レベル: 健康管理、組織状態
・6. 統制/管理: 企業の健全な運営上必須となるもの
 ▶印章捺印、帳票管理/ファイリング、稟議、経費、機密保持

以降では、各カテゴリーについて細かい解説をさせていただきます。

1. 空間

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1-1. 座席 ->コワーキングスペース/個室型ワークスペース/オンラインオフィス

これまではオフィスにいけば当然、作業をスムーズに行うことのできる自分の座席が存在していました。オフィスがなくなれば代わりとなる作業スペースが必要となります。ここでは3つのカテゴリに分類してご紹介します。

コワーキングスペース

主要サービス: WeWorkWORK STYLINGSPACE MARKET WORK 等

コロナ禍が始まる前から、WeWorkの日本展開を皮切りに相当な数が増えてきたコワーキングスペース。オフィスにいかない"新しい働き方"の代表的なサービスとも言えます。三井不動産のWORK STYLINGなど法人契約ができる場所もかなりの数が首都圏中心に存在しています。とはいえ、コワーキングスペースが置かれているのは主要駅中心であるため公共交通機関の利用は必要となりますし、不特定多数の方が利用されるため感染リスクをゼロにするのは難しいかもしれません。SPACE MARKETではワークスペースに特化したスペースレンタルサービスを展開されており、より地元に近くフレキシブルに利用可能なワークスペースを探すことが可能かもしれません。

個室型ワークスペース

主要サービス: CoCoDeskStykka 等

複数の人が利用するのが前提のコワーキングスペースに対して、完全に「個人利用」を前提としたワークスペースサービスも出てきています。富士ゼロックスが提供している「CoCoDesk」は、駅やビル中などの公共スペースに個人利用できるデスクをおいてしまいましょう、というもの。基本は外出先での短期的な作業スペースニーズ中心だとは思いますが、より設置場所が広がればコワーキングスペースに変わるオプションになるかもしれません。個人で専有できるので、感染リスクを抑えられるのも魅力の一つです。

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少し変わり種になりますが、Stykkaというデンマークの企業の取り組みも面白いのでご紹介します。彼らはコロナで作業スペースがなくなってしまった人向けに、4月から「ダンボールで作れる机」を展開しています。面白いことに組み立てると机になるダンボールの設計図自体は無料で提供されているので、北欧デザインの美しいワークスペースを個人でつくることも可能です(ダンボールを発注する手間はどうしても発生しますが、、、)

オンラインオフィス

主要サービス: RemottyRemoWorkyspaceSococo 等

オフィス的な「集まってコミュニケーションがとれる場所」をオンライン上に作ることが可能なサービスも広がりつつあります。これらのサービスの特徴は、いずれもUI上でオフィス空間を表現していることで誰がどこにいるかが見え「同僚の存在感」がわかるしていることだと言えます。以前の記事で書きましたが、物理的なオフィスでは同僚・上司の存在が見えることによって適度な緊張感とメリハリが生まれ、働く意欲や生産性を向上させる機能がありました。そういったオフィスの機能を代替している効果的なサービスだと言えます。

1-2.会議室 -> ビデオ会議システム

主要サービス: 
ZoomwherebyGoogle HangoutCisco WebExSkypeTeams 等

ビデオ会議室システムについては改めてご紹介するまでも無いかと思いますが、このリモートワーク禍で一気に利用企業が増え市民権を得たように思います。特にZoomは会議室の大体だけではなく、セミナーやカンファレンスといった「多人数に対する片方向の情報発信」にも対応しているため、単なる会議の代替サービスにとどまらず、企業のマーケティング活動でも非常に利用されるようになりました。

Zoomの機能紹介はいろんなところでされているので、ここでは最近見つけた面白い利用例をご紹介します。ホンダではなんと600人での「ワイガヤ」をZoomを活用してオンラインでやりきったようです。ワイガヤ、つまり多人数が集合し顔を突き合わせて幅広く議論する、というのは、多様な意見を融合しイノベーションを起こす一つの手法ですが、このような会議は当然リモートワークでは非常にやりづらくなってしまいました。リモート中心になってもITサービスを使いこなすことでオフィスがあった時同様の活動をできることを証明した、画期的な取り組みだと言えます。

1-3. 地理的価値

比較的近いサービス: Landskipatmoph

忘れられがちではありますが、物理的なオフィスには地理的な価値が存在しています。ビジネスが成功し始めたスタートアップが軒並み六本木ヒルズなどの高層ビルに移転するのはなぜでしょうか。「イケてるオフィスで働ける=イケてる企業」という企業イメージにつながるからです。企業イメージが採用や従業員の方の働くモチベーションにきくため、高額な家賃を払ってでもこぞってイケてるオフィスへ移転していくのです。リモートワークではそういったオフィスの地理的価値を企業イメージにつなげることはできません。リモートワークが当然になれば、採用でのアピールポイントを考え直す必要があります。どうしてもかっこいいオフィスで働いているイメージを持ちたい方は、Virtual Windowのような風景配信システムを自宅に設置してみてはいかがでしょうか。自宅にいながら、高層ビルの夜景を見ながら、もしくはハワイの波間をながめながら働くことが可能です(かなり無理矢理ですが、、、)

2. 設備

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2-1. タイムカード -> 勤怠管理システム

主要サービス: ジョブカン勤怠管理マネーフォワードクラウド勤怠GozalKING of TIME 等

オフィスがないことによる最も大きな問題の一つは、タイムカードがない、つまり従業員の勤怠管理でしょう。チームメンバーがちゃんと働いているのかサボっているのか、もしくは働きすぎていないか、労働時間の管理はリモートワークを導入するときの企業にとって大きな課題です。どうしても「サボりやすい」イメージのあるリモートワークですが、実は逆に残業を申請しづらい/メリハリがつかないことで、"働きすぎ"も大きな問題になっています。このあたりは、システムに頼るだけではなく、会社もしくは社会全体のルールを再整備しないと対応が難しいように思います。

掲載したサービスのうち、ジョブカンマネーフォワードGozalは、経理システム・人事システムなどのバックオフィス業務支援システムとパッケージされて提供されており、リモートワークで負荷が増えやすいバックオフィス部門を支援してくれるでしょう。KING of TIMEは勤怠管理に特化しているだけあって、生体認証・指紋認証・顔認証など、多彩な打刻方法に対応しています。働き方・働く場所にあわせて打刻方法を変えられるので、オフィスだけではなく現場業務も発生する企業で更に使いやすいように思います。

2-2. 内線 -> クラウドPBX、電話代行サービス

"電話"への対応もリモートワークへの切り替えで大きな論点の一つです。電話番が置かれるくらいですから、お客さんとのやり取りの多い営業部門などでは死活問題でしょう。ここでは2つのカテゴリに分けてご紹介します。

クラウドPBX

代表的なサービス: GoodLineナイセンクラウドモバビジ 等

一昔前であれば、内線システムはPBXとよばれる機材設置とネットワーク配線工事が必要な、設備投資がかさむものでした。近年ではこれらのシステムのクラウド化が進み、簡単に個人スマホを内線代わりに使えるようになってきています。転送設定なども簡単にできますし、クラウド化されているため誰からの着信なのか、名簿データとの紐付けも簡単です。GoodLineでは発信・着信データの分析などかなりの多機能化も進んでおり、業務効率化にも活用できそうです。

電話代行サービス

代表的なサービス: fondeskCasterBize秘書 等

とはいえ、いきなり電話システム全体を入れ替えるのは負担が大きいですし、従業員が大きい企業ほど大変になります。そういう場合、電話の取次を代行してくれるサービスはとても便利です。fondeskは電話を変わりに受けてくれ、必要な情報をオペレーターが聞き出しSlackなどの情報連携システムを通じて情報を連携してくれます。企業の代表電話は営業目的のものもかかってくるため件数も多く、その対応負荷を肩代わりしてくれるだけでも大変有用です。また、CasterBizなどのオンライン秘書サービスでも電話代行をしてくれるものがあるようです。

2-3.ホワイトボード -> クラウドホワイトボード、ペンタブレット

地味ではありますが、ホワイトボードがないことはオフィスワークの生産性を確実に下げてしまいます。会議に出席した際、発散した意見をまとめたり次のアクションを明確にしたり、「ビジュアル的に絵に書いてまとめる」ことは他の出席者との合意形成にとても役立つのですが、都度資料を作成するのも無駄が多いですし、リモートワークでは「書いて伝える」のはかなり難しい課題です。調べたところ便利なサービス・プロダクトも出てきているようなので、2つのカテゴリでご紹介します。

クラウドホワイトボード

代表的なサービス: MiroStrapStormboardGoogle Jamboard 等

Miroはオンラインホワイトボードとして、複数のユーザーが同時にビジュアル的に書き込めるサービスを展開しています。マインドマップやユーザーストーリーマップなど、体系化された情報整理の手法をテンプレートとして提供もしていますし、ビジュアルが非常にきれいなので初めてでも使いやすいと思います。クリエイター向けという感じでしょうか。最近デザイン企業として上場をして話題になったGoodPatchもStrapというサービスを展開しています。その他、グループウェアにG Suiteを利用している企業であれば、Jamboardアプリもおすすめです。Spreadシートなど他のG Suiteアプリとも簡単に連携できます。

ペンタブレット

代表的な企業/プロダクト: WacomGridWork

クラウドホワイトボードがサービス化されているとは言え、やはり「手書き」のほうが簡単なのは事実です。マウスやトラックパッドで絵を書くのは非常に難しいでしょう。これまではイラストレーターなどクリエイターが利用者の中心だったペンタブレットも、リモートワークが普及するのに伴い世の中に広がっていくのではないでしょうか。ペンタブレットといえばWacom社が有名ですが、最近ではリモートワーク利用を明らかに意識したGridWorkのようなプロダクトも出てきています。

2-4. 椅子/机 -> ファシリティサブスクリプション

主要サービス: CLASsubsclife 等

座席の章でも書きましたが、作業効率を上げるためにちゃんとした椅子・机があることはとても重要です。しかし、自宅にちゃんとした作業デスクを購入するのは費用面で負担が大きいです。家具サブスクリプションサービスを提供するCLASでも、ビジネス用途でのサービスを広げてきています。初代バチェラーとして有名になった久保氏が代表を務めていることでも有名です。現時点ではなさそうですが、企業が費用を負担して自宅の作業デスク・椅子提供してあげることができれば、より快適なリモートワークが実現できるかもしれません。

2-5. ハイスペックPC/ディスプレイ->ゲーミングPCレンタル

代表的な企業: THIRDWAVEe-tamaya 等

エンジニア・CGモデラー・データサイエンティストなど、クリエイターにとって作業するPCのスペックやディスプレイは非常に重要な問題です。笑い話のようですが、とある大手IT企業のエンジニアは在宅ワークが決まったとき、まず最初にオフィスの自分のラップトップを家に持ち帰ろうとしたそうです。事業内容にもよりますがPCスペック問題でリモートワークが進まない企業も実際あるのではないでしょうか。高額が故に資産性の高いハイスペックPCをリモートワークでどう取り扱うかは、案外重要な論点かもしれません。ここではゲーミングPCのレンタルサービスをご紹介しました。

2-6. PC盗難防止ワイヤ -> DaaS / スマートトラッカー

単なる盗難防止ワイヤから少し広げて考えると、機密情報を外部に漏らさないという意味で「盗難防止」は重要なポイントです。リモートワークでは、従業員の個人的な努力だけで情報漏えい対策をしなければ行けないため、不幸な事故を防ぐためにもIT技術の活用を検討する必要があります。特に近年は、個人情報保護がたいへん強化されており、情報漏えいリスクへの対策は企業運営にとって非常に重要な論点です。

DaaS

代表的なサービス: freebit cloud X DaaSM3 DaaS

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まず、そもそも従業員の自宅PCにデータを残さないようにして、何かあっても情報がそもそも漏洩しない仕組みをつくる、DaaS (Desktop as a Service)というカテゴリがあります。DaaSはその名の通り「デスクトップ画面をサービスとしてクラウド環境で利用する」サービスです。つまり、どこからアクセスしようともネットワークを経由してクラウド環境内部で作業をすることになるため、ローカルPCに一切データが残らず、漏洩リスクをなくすことが可能です。画像はfreebit cloud X DaaSの紹介資料からお借りしましたが、DaaSであれば各PCの初期セットアップの手間も必要ないため、比較的簡単に導入が可能です(類似サービスとしてシンクライアントやVDIというものもありますが、これらはPCのセットアップが必要となります)

スマートトラッカー

代表的なサービス: MamorioTileQrio 等

物理的な漏洩リスクを下げる取り組みとして、スマートトラッカーがあります。スマートトラッカーは小さな位置情報発信機のようなもので、PCだけにとどまらず何にでも付けておくことができます。近年はPCだけでなく、スマートフォンやUSBメモリなど様々な機材から機密情報を取得できるため、物理的に紛失するリスクも考えて置かなければいけません。スマートトラッカーがついていれば、なくしたものを速やかに探すことは可能ですし、システムをインストールするわけでなく単に紐でくくりつける(もしくは貼る)だけでいいので、非常に簡単に使えます。ただし、データそのものを消去できるわけではないですし、見つけるより先に盗難にあってしまえば同しようもないので、あくまで紛失対策に過ぎないことは頭に入れておく必要があります。

2-7. 社内サーバ -> クラウドVPN

代表的なサービス: Cisco MerakiCisco AnyConnectMaster's One

社内サーバにアクセスする際、自宅からであれば一般的にVPNを介してアクセスすることになります。VPNとはバーチャルプライベートネットワークの略で、簡単にいえば誰しもがアクセス可能なパブリックなインターネットの内部に仮想的にプライベートネットワークを拡張する技術です。プライベートネットワークの中には外部からアクセスができないため、VPNによりセキュリティ性の高い情報のやり取りも可能となります。近年はCiscoの提供するMerakiやAnyConnectのようなクラウド上で完結し管理機能も兼ね備えたサービスも提供されています。

しかし裏を返せばVPNをきちんと管理していない場合、企業は情報漏えいリスクにさらされることになります。DaaSの章でも触れましたが、リモートワークを実現する際、どうセキュリティ性を担保するのかは非常に重要な論点であり、きちんとしたVPNシステムを業務に導入することは必須要件と言えるかもしれません。カオスマップの調査をしている際多数のリモートワーク企業がVPNの不正アクセス被害にあっているという報道がありました。今後そういった事故を起こさないためにも、しっかりと対策を考える必要があります。

2-8. 高速NW -> テレワーク向けNW構築支援サービス

比較的近いサービス提供事業者: NTT東日本、NTTコミュニケーション

効率的なリモートワークを実現するためには、何よりも「自宅のネットワーク環境」が重要です。テレワークがはじまり、自宅にWiFi環境がないことで困ってしまった人も多いのではないでしょうか。スマホのテザリングで「ギガ不足」に悩む方もいると思います。ネットワークはどうしても回線工事をしたり機材を設置したり物理的な対応が必要があるため、IT技術だけでは解決の難しい問題です。とくにVPNやDaaSなどの高度なセキュリティ対策をする場合、ネットワークの帯域がより制限されてしまうため、低速なネットワークだと更に作業効率が悪化してしまいます。

リモートワーク推進にあたって自宅のネットワーク環境整備などを目的として補助金制度をつくった企業もドワンゴwantedlyなどを初めてとして多数出てきていますが、回線工事そのものはNTTにお願いするしか仕方がありません。ちょうどNTT東からリモートワーカー向けに自宅ネットワークをサポートするサービスを開始するアナウンスがあったので、回線の高速化も含めてさらなる展開を期待したいところです。もしかすると5G時代の到来が突破口になるのかもしれません。

ニューノーマルな働き方に対応したオフィスまるごとサポート「ITサポート&セキュリティ」新プランの提供について ーNTT東日本

2-9. FAX -> クラウドFAXシステム

代表的なサービス: e-受信isana 等

スマートフォンの普及に伴い、そもそも自宅にFAX付き電話機がある家庭も少なくなったのではないでしょうか。しかしビジネスの領域では(残念ながら)FAXは未だに現役です。取引先との受発注処理・プレスリリースの発信など、多数の情報のやり取りは未だにFAXで行われています。最近ではクラウドFAXシステムも普及してきているため、それらを使えばわざわざオフィスにFAXの確認・送受信のために行く手間は減らせそうです。

2-10. リフレッシュコーナー -> 社食宅配サービス/オンラインマッサージ

会社にもよりますが、オフィスには何かしら「気分転換のできるリフレッシュコーナー」が設置されていました。美味しいコーヒーを飲めるカフェスペースだったり、社食が食べれれるスペースだったり、お昼寝ができたりマッサージを受けられたり。リモートワークになるとそういった気分転換はすべて自分でやらないといけなくなります。目立ちにくい点ですが、気分転換なしで常に仕事に向かうのは大変です。企業レベルで導入できる代替サービスが無いかなとおもって調査したところ、以下のようなサービスが見つかりました。

社食宅配サービス

代表的なサービス: オフィスおかんUber Eats

オフィスに社食を持ってきてくれる宅配サービスを展開していた「オフィスおかん」ですが、リモートワーク支援として「仕送り便」とよばれる新しい取り組みをスタートしたようです。日本だとまだ珍しいのかもしれませんが、Uber Eastsも従業員にデリバリーしてくれる法人向けサービスをグローバル20カ国ですでに展開しており、今後広がる可能性のある新しい福利厚生の形かもしれません。

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オンラインマッサージ

代表的なサービス: Body Mappingイーヤス

マッサージについても、自宅でセルフケアができるようなプログラムをインストラクターが動画配信してくれる、法人向けサービスがいくつか出てきているようです。リモートワークが当たり前になれば従業員向けの福利厚生の差別化が一層難しくなるので、こういったサービス導入をすすめアピールしていくことも必要になるかもしれません。

2-11. シュレッダー/鍵付きキャビネット、備品/事務用品 -> 該当なし

オフィスに当たり前にあったシュレッダーや管理用のキャビネット、ノートやボールペンなどの備品類ですが、リモートワークだと全て自宅で用意する必要が出てきます。特に、シュレッダーや鍵付きキャビネットなど、機密保持に関するものは(繰り返しになりますが)本来は大変重要です。しかし、調査不足からかその部分をケアしてくれるようなサービスは残念ながら見つかりませんでした。もちろん手回しシュレッダーを自宅で買うことはできるのですが、本来は機密文書は絶対に漏洩しないように専門の廃棄施設に持ち込む必要があります。リモートワークでペーパーレス化は徐々に進んでいくとは思いますが、いきなり完全にゼロにすることも難しいため、機密文書の管理・廃棄についてもきちんと検討を進める必要があります。

3. サービス

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3-1. 名刺交換・管理 -> 名刺管理サービス

主要サービス: sansanCAMCARD Business 等

ソーシャルディスタンス維持のため、はじめての商談であってもビデオ会議が使われるようになった中で、「名刺交換」というビジネス慣習はどんどんなくなってきています。しかし、名刺をもらうことができないため、商談相手の電話番号・肩書き・名前の漢字表記などがわからず、いざ連絡を取ろうと思ってもふと困ることは無いでしょうか。「早く言ってよ〜」のCMで有名なsansanといった名刺のクラウド管理・データベースサービスを使えば、名刺交換なしでも相手の詳細な連絡先をもらうことが可能です。今後はビデオ会議の際にオンライン名刺交換をすることが一般的になるのかもしれません。しかし、当然自分だけでなく取引相手もシステムに名刺データを登録してある必要があるため、世の中全体が名刺管理システムを当たり前に使うようにならないと完全な移行は難しいように思います。

3-2. 秘書業務 -> オンラインアシスタントサービス

代表的なサービス: CASTER BIZビジネスアシスタントオンラインe秘書 等

大企業の中で一定以上のポジションになれば、秘書の方がアサインされ、スケジュール調整・経費処理・会食予約などなど、様々な面でサポートを受け、コア業務により集中できるようになります。一方、秘書の方の人数の問題もあり、サービスを受けることができる人の数は限られていたように思います。最近では秘書業務をアウトソースしオンライン上で代わりにやってくれる「オンラインアシスタントサービス」が広がってきており、会社のなかで秘書をアサインできなくても秘書的なサービスをうけることが可能になってきました。CASTER BIZはオンラインアシスタントサービスの代表的な例ですが、サービスを利用する企業はもちろんのこと、オンラインアシスタントサービスは子育て中のママさんなど外出してオフィスで働くことが難しい人に新しい労働機会を提供したという意味でも、画期的なサービスであるように思います。

3-3. ライブラリ/資料検索

代表的なサービス: 日経テレコンG-SearchSPEEDA

経営企画やバックオフィス業務、開発業務など、様々業務シーンにおいて「書籍や紙媒体の資料」は必須のものです。オフィスにいけば共用ライブラリとして必要な資料を保管・閲覧することもできましたが、リモートワークでは難しくなってしまいます。日経テレコンSPEEDAなどといったビジネス情報サービスを使えば、自宅にいながらオンライン上で多くの情報にアクセスできるようになります。ただし、オンラインで配信されている情報は一部に制限されており、専門書籍など紙媒体でしか流通していない情報も数多くあります。オフィスにあったライブラリと同様の情報量に自宅からアクセスできるようになるのは、まだしばらく時間がかかりそうです。

電子書籍の数も相当増えてきましたが、例えば同じ企業内部に限定して一つの電子書籍ライセンスを使い回せるような新しい著作権の仕組みがあれば、こういった不合理性を解消しより自宅で快適に働けるようになるのではないでしょうか。

3-4. 郵便 -> 郵便アウトソーシングサービス

リモートワークにとって郵便物の存在は頭の痛い問題です。どうしてもオフィスにいない限り、必要な郵便物を受け取ることができないからです。BONXとSlackをフル活用し原則フルリモートな働き方を実現している弊社でも、郵便物の受け取りだけはどうしようもなく、週に一度はバックオフィスのメンバーが受け取りに行っています。業務上仕方がないとは言え、完全フルリモートにできる業務とできない業務が生まれてしまうため、公平性という意味でも郵便物対応はきちんと考えないといけない問題です。

それに対し、最近スタートした atenaというサービスは大変画期的です。郵便物を企業の変わりに受け取ってくれ、スキャンして必要な情報をシステム上で管理し、必要があれば郵便物の再転送もしてくれます。リモートワークを推進するためにも、かゆいところに手が届く素晴らしいサービスであるように思います。

3-5. 印刷 -> ネット印刷・印刷アウトソースサービス

代表的なサービス: 
・ネット印刷=ラクスルプリントパック 等
・印刷アウトソース=Kinko'sACCEA 等

商談もオンライン化が進み、紙資料の印刷は必須ではなくなってきたと思いますが、それでも重要な商談や契約関連などどうしても紙を印刷したいシーンは存在します。ネット印刷のラクスルプリントパックはオンデマンドで印刷して郵送してくれるので、ある程度まとまった数の印刷、もしくは時間的な余裕が重宝するサービスでしょう。また、急ぎで印刷したい場合にはKinko'sやACCEAはかなりの店舗数がありますので、高性能なプリンターを使いたいときには有効です。もちろん簡単な普通印刷であればほぼすべてのコンビニでできますので、わざわざオフィスに行かなくてもこれらのサービスで十分代替できそうです。

3-6. 企業内保育所 -> ベビーシッターマッチング

代表的なサービス: KIDS LINEHoney Cloversmart sitter

企業内保育所をもっていた企業はそこまで多くはないと思いますが、子育てとリモートワークのバランスをどう取るべきかは、福利厚生の観点で非常に重要です。コロナの第一波の時、多くの保育園・幼稚園が閉鎖になってしまい、子育てと在宅作業の両立に悩まれた方も非常に多いのではないかと思います。ベビーシッター制度は日本だとそこまで利用者が多くなかったように思いますが、内閣府が割引券を発行したり法人契約のプランも出てきている中で、かなり広がってきています。お子さんのいる従業員の方に気持ちよく働いてもらうためにも、ベビーシッター支援サービスを法人レベルで積極的に活用するのは手かもしれません。

4. コミュニケーション

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4-1. 会議 -> ビデオ会議システム

1-2の章ですでに紹介していますのでここでは割愛します。

4-2. チームコラボレーション -> コラボレーションツール(テキスト中心/音声中心)

物理的におなじオフィスに集合しない中で、チームメンバーとどのように一緒に働きコラボレーションしていくかはリモートワークにおいて大変重要な論点です。社内メールやビデオ会議だけでは、オフィスがあった時と同じようなコミュニケーションを実現することはできません。ここでは、テキストチャット中心のもの、音声中心のものの2つに分類してご紹介をします。

主要サービス: 
・テキスト中心: SlackTeamsChatwork 等
・音声中心: BONXDiscordSpatialChat 等

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テキスト中心

テキストチャットツールそのものは以前から存在していましたが、世の中一般的に広がるきっかけとなったのは間違いなくslackからでしょう。もともとITベンチャーなど新しいツールに敏感な企業から広がり、今では大企業も含めてかなりの企業で利用されているようです。単なるテキストチャットではなくトピックによって"チャンネル"を切り替える、多数のサービスと連携し情報を統合的に取り扱えるなどの点で広がっているようです。

さらに、コロナ禍によるコミュニケーション不全が課題になる中で、Microsoftが提供するTeamsがslack以上に普及してきています。グローバル全体で見れば一日あたりのアクティブユーザー数(DAU)が驚異の7500万人に達したという報道もありました(英語記事)

Officeを業務で利用している企業は大変多いため、使い慣れたWordやExcelなどのツール類とも簡単に連携でき、簡単に導入ができるという点でより急速に広がったのでしょう。Coral Capitalの西村さんが非常にわかりやすい解説記事を書かれているので、興味がある方は読んで見られるといいかもしれません。

音声中心

音声チャットツールも、チームコラボレーションの観点では非常に重要です。弊社が提供しているBONXもここのカテゴリーに入りますが、他にもDiscordSpatial.chatのような音声に特化したサービスはいくつも存在しています。

テキストチャットと音声チャットは近しいですが、いくつかの点で違いがあります。わかりやすいよう以下のような表にまとめてみました。

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情報のやり取りという観点でいうと、テキストチャットは常に交互でのやり取りになるのに対し、音声チャットであれば相手の発言を遮ったり相手の発言内容に合わせて意見を変えたりと、よりインタラクティブなコミュニケーションが可能です。それによって、音声であればよりタイムリーで同期的なコミュニケーションが可能となります。一方、テキストチャットであれば、相手のレスポンス待ちになる分若干遅くはなりますが、同じ時間に一緒に作業しなくてもよい(非同期的)ため、過去のやり取りを振り返りながらコミュニケーションを取ることが可能です。また、テキストチャットであれば複数のトピックを同時進行でやりとりができる(並列的)のに対して、音声チャットでは一つのトピックに集中した(直列的)議論に向いています。伝えられる情報も、単なる伝えたいメッセージだけでなく、声のトーンなどで気持ちの部分が伝わる音声と、ビジュアル的な情報を伝えやすいテキストチャットなど、少しずつ違いがあります。

いずれにしても、物理的に距離が離れることでこれまで同様のコミュニケーションが取りづらい中、チームコラボレーションツールを活用することが、リモートワークをうまくいかせるために大変重要です。

4-3. ワークフロー -> RPAツール

代表的なサービス: WinActorRPAテクノロジーUiPath 等

近年注目を集めていますが、定型化されたワークフローであれば人間が実施する必要もなく、人の代わりにプログラムに変わりにやってもらうことが可能です。これが、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)ツールです。毎月必ずやらないといけないデータの抽出作業などをRPAツールに代わりにやらせることで、オフィスに出社する必要もなくなり、人間は「判断」が必須な人間でなくてはできない複雑な業務に集中することができます。業務内容が定型化している大企業ほど、RPAツールによる生産性の向上余地は大きいように思います。

4-4. ランチ・飲み会 -> ビデオ会議システム・オンライン飲み会ツール

代表的なサービス: Zoomなどのビデオ会議システム、たくのむゆんたく

オフィスで一緒に働くチームメンバーで仲良くなるためには、ランチに行ったり飲みに行ったり、業務外でのコミュニケーションも一つの方法です。コロナ禍で「Zoom飲み会」がとても流行りましたが、やっぱり単に働くだけではなく、誰かと楽しくおしゃべりする気晴らしも重要。ビデオ会議システムを使ってやることもできますが、たくのむのように飲み会に特化したサービスでも出てきています(飲み会特化ならではの機能的な違いは特に内容ですが。)

4-5. 感謝 -> ピアボーナス

代表的なサービス: UniposThanksGiftHeyTaco! 等

リモートワークになるとどうしてもコミュニケーションが業務中心になってしまい、隣にいれば気軽に伝えられた「ありがとう!」といったチームメンバーへの感謝の声がけも意識しないと難しくなってしまいます。「ありがとう」の一言のためだけにZoom会議は設定しないでしょう。これに対し、感謝の気持や貢献を見える化するソリューションが「ピアボーナス」です。代表的なサービスは Uniposかと思いますが、感謝をつたえるとともに貢献具合を見える化することで、チームワークを向上させ働く意欲を後押ししてくれます。感謝の気持をつたえましょう、という声がけではなく、このように仕組化して導入することで、遠くにいてもチームとして気持ちよく働ける組織の雰囲気を作り上げることが可能です。

5. 健康

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5-1. 個人の運動/通勤-> オンラインフィットネスサービス

代表的なサービス: FiNCSOELU 等

オフィスに出社しなくなったことで、「通勤」がなくなりました。もちろん満員電車に揺られるストレスはなくなったかと思いますが、一方で運動不足になってしまったり太ってしまったり、仕事への気持ちの切り替えができなくなったりという健康に関する問題も生じています。私もふとスマホの万歩計をチェックしたら、一日に200歩も歩いていなくて愕然としたことがあります。

オンラインフィットネスそのものは個人向けに多数存在していますが、コロナ禍でも従業員の方が健康的に過ごせるよう、FiNCの「今こそカラダ」プロジェクトSoeluの法人向けパッケージなど、法人向けサービスを提供しているものもいくつか出てきています。働いている方に健康にいてもらうことは、企業にとっても非常に重要な問題ですので、福利厚生の一貫として導入してもいいかもしれません。

5-2. 個人のメンタル -> オンラインメンタルヘルスケア

代表的なサービス: ElpisCotreeEmol 等

肉体的な健康だけでなく、メンタル面での健康も大変重要です。とくにこのコロナでは、コロナへの不安にくわえて自宅で一人きりになってしまい、「コロナうつ」と呼ばれるような症状を発症する方も多数確認されています。コロナうつが大きな社会問題になりつつあるなか、厚生労働省も大規模な調査の実施を決定しています。

メンタルケアについては解決が大変に難しい問題ですが、発症する前から定期的にモニタリングをしアラートを上げる、産業医などの専門家と悩みを相談する、オンラインでカウンセラーと話をするなど、いろいろなサービスが提供されるようになってきています。働く方のケアは企業の責任ですので、withコロナ時代だからこそこのようなサービスの導入も検討する必要があると言えます。

5-3. 組織の健康管理 -> クラウド健康管理システム

代表的なサービス: CarelyLiteカロミルFinc for Business 等

先にも書いたとおり、リモートワークでは運動不足やメンタルヘルスの問題など、今まで以上に働く方の健康をチェックしていく必要があります。近年「健康経営」という言葉も取り上げられるようになりましたが、雇用主として従業員の方が健康であるサポートをするのはより重要となってきています。CarelyLiteは、人事の方向けに従業員の方の健康診断情報などを管理し労務リスクを抑えるクラウドシステムを提供しています。少し変わったところで言えば、カロミルというサービスでは画像解析の技術を用いて健康的な食事ができているかを教えてくれたり、FiNCでは会社全体の健康への意識を高めるための調査・分析サービスなどを提供しているようです。

5-4. 組織状態の健康さ -> エンゲージメントツール

代表的なサービス: MOTIVATION CLOUDwevoxEmployee tech 等

組織に所属している人が肉体的/精神的に健康であるか、とは別に「組織そのものが健康であるか?」というのも非常に重要な観点です。働いている人はつらそうにしていないか、チームの風通しや空気が悪くないか、モチベーション高く働けているのか、チームが健康であればどんどんビジネスが前に進みますし、不健康であればビジネスの停滞やメンバーの退職などの事態を引き起こしてしまいます。解決策は別にして、そういった「組織としての健康さ」をモニタリングすることは非常に重要です。

リモートワークでなくても当然「組織としての健康さ」はモニタリングすべきですが、常に顔が見えるわけでもなく"雰囲気"が伝わらなくなってしまうリモートワークにおいては一層重要になっていくと考えています。同じ場所で働いていれば、なんとなくの雰囲気からある程度「組織としての健康さ」を汲み取れますが、リモートワークではその機会すらなくなってしまうからです。そういった意味で、何かしらのエンゲージメントツールを導入ししっかりと組織状態をモニタリング、課題を見つけていくのは一つの有効な手段です。

例えばwevoxであれば組織状態のモニタリングに加えて、他のチームと比較して自分のチームがどうなのか、役職によってどのように意識が違うのかなど、専門的な知見をベースに設計された分析が可能なので、打ち手を考えるのにも活用できると思います。ただし、メンバーが思っていることをそのままアンケートに答えてくれないと機能しないため、「思っていることを隠さず伝えてもいい」という最低限のチームとしての信頼関係がないと機能しない点には注意が必要です。

6. 統制/管理

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6-1. 印章捺印 -> 電子署名ツール

代表的なサービス: CLOUD SIGNDocuSignNINJA SIGN

竹本IT担当大臣が「はんこ議連」の会長であったことでも話題になりましたが、リモートワーク推進にとって日本企業の”ハンコ文化”は大きな障害です。お客さんに見積書を出したくても上司のハンコがないから提出できない、しょうがなくリモート推奨だろうとオフィスに出社して上司をどうにか捕まえる、みたいな話は大きな企業であるほどよく聞きます。

もちろん企業統制上、なにかしらの方法で承認をきちんともらう事自体は非常に重要ですので、弁護士監修で日本国内の法律にもマッチした電子署名ツールを利用するのがおすすめです。

6-2. 帳票管理/ファイリング

ハンコに加えて、もう一つリモートワークの大きな障害となりうるのが「紙=帳票」です。プリンターのところでも記載しましたが、そもそも帳票を保管しておくのは統制上必ずやらないといけないことですが、自宅で保管し続けるのも情報セキュリティ上大きな問題ですし、どうしてもオフィス出社の必要が出てきてしまいます。ここでは2つのカテゴリでご紹介します。

クラウド帳票管理システム

代表的なサービス: 楽楽明細SVF CloudB2Bプラットフォーム請求書 等

まず、そもそも帳票を紙ベースではなく電子化してしまう、クラウドベースの帳票システムを利用する方法が考えられます。フォーマットに制限がなく汎用化できるもの、たとえば請求書などであれば比較的安く導入でき印刷&発送までをワンストップで請け負ってくれる楽楽明細のようなサービスもあります。

一方、どうしても会社固有の事情で汎用的なフォーマットが使えない場合、SVF Cloudのように細かくカスタマイズすることで紙ベースの帳票管理同様のワークフローを作ることも可能そうです。

スキャニングサービス

代表的なサービス: SCANMANうるるBPOそのままSCAN 等

しかし、自社の帳票はシステムで電子化できても、取引先から送られてくる紙ベースのものについてはどうしようもありません。そういう場合、自分たちの代わりにオフィスに来てくれて、必要な書類をまとめてスキャン・電子化してもらえるSCANMANのようなサービスも有効です。取引先も足並みを揃えて、軒並みペーパーレス化が進めばこのような問題も起きなくなると思いますので、多くの企業がリモートワーク主体に切り替えたこのタイミングで、一気にペーパーレス化が進むことを期待しています。

6-3. 稟議 -> 電子稟議システム

代表的なサービス: ジョブカンワークフローCreate!WebフローStreamlineCollaboflow

帳票の一部ではありますが、統制という意味では稟議管理も重要です。それこそコロナ以前であれば、必要な上長のハンコを印刷した稟議書に押してもらい管理部門に提出するといった業務フローが一般的だったかと思いますが、印刷・ハンコの両面で難しくなってしまいました。稟議は会社のルールによっても細かな違いがあるため、なるべくこれまでのワークフローを変えずに導入できるものが使いやすいと思います。電子稟議システムは相当な数が出てきていますが、多くの企業のメインツールであるエクセルでそのまま管理できるCollaboflowなどがあります。

6-4. 経費 -> 経費清算システム

代表的なサービス: 
Conqur Expense楽楽精算MoneyFowardクラウド経費 等

経費清算についても、領収書の提出・保存が必要で、どうしても紙から逃れられない厄介な問題です。様々な財務期間系システムが連携しやすい経費精算システムを提供してくれていますし、最近ではスマホカメラのOCR機能である程度領収書を読み取ってくれるサービスも多数出てきています。

6-5. 機密保持 -> クラウドストレージ

代表的なサービス: BOXDropboxonedrive 等

なんども繰り返してしまい恐縮ですが、リモートワークにおいて情報セキュリティの問題は本当に重要です。VPNの章で書いたとおり、すでにリモートワークによる情報漏えいは日本国内で被害の出ている、顕在化したリスクです。個人情報保護法もあり、企業の義務として情報セキュリティ対策が重要になっている今だからこそ、リモートワークとセキュリティを両立させる方法を考えていかなければなりません。

G Suiteも含めて様々なクラウドストレージシステムが存在していますが、今後はセキュリティ性が高いことはもちろんのこと、ファイルごとの細かいアクセス権限設定および各ファイルのダウンロード履歴の監視機能があり、仮に情報漏えい事故が起きても速やかに被害の範囲を捉えることのできる、アクセストラッキング機能がついているものがより広がっていくように思います。boxはアメリカで開発されたシステムですが、なお一層機密性の高い金融機関での採用事例などもあり、セキュリティと情報漏えい対策という意味では細かい部分まで機能が充実しているように思われます。

7. まとめ

以上、6つのカテゴリーに分けて、リモートワークテックカオスマップの解説をさせていただきました。大変な長文になってしまいましたが、全部読んでいただいた方(いるかなぁ)、最後までお付き合いいただきありがとうございます。興味のある章だけ読んでいただいた方も大変有り難うございます。この記事が何かしらの役に立てば幸いです。

いろいろなサービスの調査を進めていく中で、改めてリモートワークが普及していくためには、3つのキーワードを軸に、オフィスがあったときの業務フローをしっかりと再検討する必要があるように感じました。ぜひご参考にしていただければと思います。
 ■ コミュニケーションとチームワーク
 ■ 情報セキュリティ対策
 ■ ペーパーレス化と統制/管理

今後ともこういった情報発信を続けていきますので、ぜひともフォローのほどよろしくお願い致します!

プロフィール
株式会社BONX取締役 Team Growth Scientist。
東京大学工学部、東京大学大学院学際情報学府卒業。2012年、株式会社ボストン・コンサルティング・グループに入社、中期経営計画の立案やデジタル化推進、営業戦略改革など幅広いプロジェクトに参画。2014年同僚だった宮坂(現BONX CEO)と共に株式会社BONXを共同創業。同社では「コミュニケーションでチームワークは加速する」をモットーに、CTOとしてハードウェア・ソフトウェア双方のプロダクト開発をリードし、Team Growth PlatformであるBONXを発明・実現。2020年からはTeam Growth Scientistとしてチームワークやチーム内コミュニケーションを通じたチームの成長を科学的側面から分析・研究し、対外的に発信する活動を行っている。また、Business Collaboration Architectとしての役割も兼務、大手企業とのアライアンス・資本提携を多数実現、ユーザーの新体験創出に貢献している。
大学・大学院時代は拡張現実感(AR)技術を用いたデータ可視化や複合現実感(MR)環境下における音声信号処理の研究に従事、日本VR学会等で論文掲載。
Twitter: @nuta0326  Facebook: Yuta Narasaki


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株式会社BONX所属。20年11月よりNewsPicksプロピッカー就任。チームワーク、コミュニケーション、DX、知財、スタートアップなどが関心分野です https://twitter.com/nuta0326 https://newspicks.com/user/3315600