革命家ワークキット

note記事「2月号座談会「スペキュラティヴ・デザインの手法(前後編)」に触発されて20XX年の革命家になるには──スペキュラティヴ・デザインの授業を購入しました。

革命家ワークキットを社内でやってみる機会があったので結果・所感を記述します。

画像1

画像2

参加者属性

- 30代男性
- 30代女性
- 50代男性
- 60代男性

引いたカード

- SDGs:飢饉をゼロに
- テクノロジー:ナノテクノロジー
- アウトプット:コメディ、落語
- 哲学(フィロソフィー):脱人間中心
- 革命家:アンディ・ウォーホル

個人ワークの結果

- 栄養の空気化、循環
- 食糧への変換
- 菌類への利用、アップデート
- 殺菌
- 浮遊農園など、新型農園
- 物流への利用

議論:ラウンド1

アウトプットであるコメディーから、靴をステーキとして食べるチャップリン(こち亀だったかもしれない)が想起される。→食べられないものを食べるのを見せるのは笑いにつながる。ゴミを食べるとか。

アウトプット:ハイテクサバイバルコメディ番組

無人島でナノテクを駆使して生き残る。サバイバー、いきなり黄金伝説などをヒントに。石をパンに。

議論:ラウンド2

ラウンド1で出たアイデアをアップデートする。
脱人間中心から、食べ物視点を設定しコンテンツ化、番組内に取り込む。食物視点でのサバイバル。
無人島というステージ設定から、飢餓の解決というSDGsと脱人間中心を参照した結果、食べるものを選択することで、荒廃した土地を再生させ、生態系のバランスを整えるという勝利条件に変更。
アンディ・ウォーホルのカードはポップカルチャーを牽引したという行動から、彼の作品から引用、番組にデザイン・コードを組み込みグッズ化、などの意見が出た。
彼の思想からはアイデアをアップデートできなかったが、代表的作品であるキャンベルのスープ缶や、ヴェルヴェットアンダーグラウンドのバナナなど、食品に纏わる作品も多くあることから、もう少し深堀りすれば何らかのヒントは得られそうだった。

所感

ラウンド1は、食糧、ナノテク、コメディから上手く発想ができた。特にチャップリンの発想は年配のメンバーから発言があり、自分(30代)では思いつかない着想だった。ラウンド2では選択したカードに基づいたロールプレイが必要となるため、難易度が跳ね上がる。ウォーホルに対して思想的に無知でした。
どのカードも広範な知識を求められるため、事前にカード内容の予習をしておくとスムーズに進行できそう。
今回のテクノロジーカードはナノテクノロジーだったが、適用範囲が広く、万能感があったため、アイデアも「何でもあり」なものが出揃い、アイデアに平坦になってしまった。テクノロジーの可能性と限界を知っておくと深いアイデアが出るのではないだろうか。
このワークキットで肝要なのはテクノロジーよりも「哲学」と「革命家」であり、思想でアイデアをブーストさせることが、スペキュラティブデザインの面白さなのだろう。
アウトプットは多様に用意されており、普段の自分と馴染みのないアウトプットを選ぶだけで、今までにないワークショップになる。
また、成立経緯を考えると当然ではあるがSDGsとは人間中心寄りで優等生的な思想なので、哲学と革命家によっては相性が悪い場合があり、SDGs達成が最終目標だとキツくなることがありそう。要調整。

はてなからは逃れられない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?