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マネジメント不在のDAO的な組織でミドル層のエンジニアが感じたこと

GaudiyでエンジニアをしているSato(@yusukesatoo06)です。気付けばエンジニアとして今年で8年目になりました。

キャリアのスタートは新卒で入社した大手通信会社で、その後、社員200名規模のスタートアップを経て、2022年7月にGaudiyに入社しました。また並行して、副業や自分でビジネスをやったりするなかで、パラレルキャリアを意識して過ごしています。

これまで複数の環境、複数のロールでエンジニアとして働いてきたので、その視点から見たGaudiyの特徴や、Web3企業で働く理由、また30代のミドル層としてDAO的な組織にどう貢献できるか、について考えたことをご紹介してみます。エンジニアとしてのキャリアの一参考になれば嬉しいです。

Web3に興味を持ったきっかけ

僕がWeb3に興味をもったきっかけは、実は4、5年ほど前に遡ります。

新卒で入社した大手通信会社では、インフラエンジニアとしてキャリアをスタートしました。当時、副業として手伝っていた企業で、渡辺 創太さん主催のブロックチェーン勉強会に参加したことがありました。

その時代は、仮想通貨に投機目的で関わっている人が多くて僕自身は全く興味を持っていませんでしたが、この勉強会をきっかけに「ブロックチェーンってこんなことができるんだ」という可能性や、サトシ・ナカモトの謎めいた部分に惹かれました。

また当時流行っていた「ブロックチェーン・レボリューション」という本を読んで、色々な技術要素が良いバランスで組み合わせられ設計されてる点や、非中央集権の思想にすごく興味を持ちました。デジタル上で非中央集権的に唯一性を証明できるだけで、こんなにも色んなことができるんだなと感動した記憶があります。

ただ興味を持ったタイミングで社内異動でブロックチェーンプロジェクトに参画したり、プライベートでチームを組んでビジネスを進めようとしましたが正直どちらもうまく進みませんでした。
(前者の方はレギュレーション関連で進まなかった部分が大きいですが…)
当時を振り返るとブロックチェーンを使うことがゴールとなってしまい、why blockchainを強く意識できてなかったのかなと思います。

その後、スマートロックのスタートアップでバックエンド / アプリエンジニア、マネージャーを経験した後、昨年の7月にGaudiyに入社しました。

なぜ、Gaudiyに入社したのか

Gaudiyという企業自体は、ブロックチェーンに興味を持ったタイミングで認知していました。

ただ、具体的な情報を集め出したのは、転職活動を始めたタイミングです。
当時、NFTバブルが起きていろんな企業がNFT領域に出てきていましたが、本質的な部分にしっかりフォーカスできている企業が少ない印象でした。一方でGaudiyは、色々と調べる中で、そういった企業とは違う地に足ついた取り組みを行っている企業だと感じました。

またMeetyで代表の石川さんに面談を申し込んで、会社の説明を受けたときに、実現したいビジョンやそこに至るマイルストーンがすごく面白いなと感じたこと、またブロックチェーンをあくまで技術として捉えつつもしっかり投資していくスタンスに惹かれて、選考を受けることにしました。

why blockchainについては、僕自身まだまだ解像度低いものの、ファン国家やnetwork stateという文脈で必ず必要になってくる技術だと感じています。

実現まで道のりはまだまだ長いと思いますが、それを可能にすると思える優秀なメンバーが多いところも魅力だと感じています。

DAO的な組織で働いてみて

Gaudiyの組織は「DAO」というカルチャーを思想に設計された組織で、個々人が自律的に動く文化や制度があります。職能ごとの代表はいるものの、チーム毎にマネージャーというポジションがないのが特徴の1つです。

僕は前職で一度マネージャーを経験したことがあったこともあり、今までとは違うDAO的な組織に入ってみて、最初の方は動き方に悩む部分もありました。また、自分と同じようにマネジメント経験のあるメンバーもいましたが、以下のような部分が共通して躓きやすいところだと感じました。

  • 意思決定を誰がするのか、権限の所在等が不明確

  • 自分がどこに、どこまで踏み込んでいいか悩んでしまう

  • キャリアパスを描きづらい

僕が入社した当時は、職能代表もいなかったので、誰に決定権があるのか不明確で、全体合意を取りにいってしまったり、誰が何に責務を持っているのかパッとわからない状況でした。また自分自身、どこまで踏み込んで他の方と関わっていけばよいのか立ち振る舞い方にも少し悩みました。

ただ、この辺りの解消に関しては、Gaudiyとして積極的に取り組んでおり、意思決定権の所在や役割の明確化はだいぶ進んできました。僕が入社してからも、何度も実験的な改善に取り組んでいます。

例えば会社として職能毎に代表を選定し、その職能代表主導で各エンジニアのロールやキャリアについて整理を進めています

また意思決定についても「蠱毒」というユニークな制度で、意思決定スピードや精度を大幅に向上させたりと短期間で目まぐるしく改善しています。

役職のないミドル層が組織に提供できる価値

エンジニア歴8年目、年齢にすると30代に入り、マネジメントも経験したことがある。いわゆるミドル層として、DAO的な組織ではどのように価値を提供すべきかについても悩む部分がありました。

ここに対して、現在僕が思っている提供価値について紹介してみます。

  • サーバント的な立ち回りによるチーム安定度への貢献

  • 自律的にバリバリ開発できるエンジニアを支援する仕組みづくり

  • 中長期的に投資対効果が高い部分を見極める力

僕自身ができていることというよりは、DAO的な組織 (特にGaudiy) において上記のようなことができると、チームの生産性が上がるなと考えているポイントです。

Gaudiyのエンジニアは自律性が高く優秀な方が多いので、他の組織が行うような管理型のマネジメントスタイルではなく、サーバント的な立ち回りがすごくマッチするなと思っています。

また開発についてもバリバリ開発できる人がたくさんいるため、開発者体験を上げる仕組みや自動化の仕組みなど、全体の底上げにつながる取り組みがかなりレバレッジの効く環境だと思っています。また全員がバリバリ開発をする中で一度立ち止まり、中長期的に投資対効果が高い部分を見つけることも、ミドル層に求められる部分なのかなと感じています。

最後に、ミドル層の人がGaudiy(役職なしのDAO的な組織)で働くメリットとデメリットについて考えてみます。

デメリット
・明確な役職を持っている状態に比べ、人によっては意思決定の回数が減る
・他組織でのマネジメントスキルを発揮しきれない可能性がある

Gaudiyの場合は、役職がある人ではなく、自分から課題提起やアクションを起こした人が意思決定するケースが多いため、役職関係なく意思決定や実行のチャンスが回ってきます。そのため、人によっては意思決定の回数が減ってしまう場合もあります。

また他組織と比べて、DAO的で進め方が大きく異なるため、今までのマネジメントスキルを明示的に発揮する必要性がない場合もあるなと感じています。

メリット
・優秀な若手と一緒に技術力を高められる
・それぞれ背中を預けた状態でチーム開発を行う経験ができる
・役職に縛られないフラットな目線でエンジニアリングを捉えられる

まずGaudiyの特徴として、若手層が非常に優秀なことがあげられます。そのため、ミドル層がマネジメントに入るような環境ではなく、一緒に技術力を高められる環境があります。

例えば他の組織だと、ミドル層がマネージャーになった途端にMTGが増え、プロダクトを作っている感覚が薄れることも稀ではないと思います。一方でGaudiyの場合は、開発サイクルのすべてのフェーズを全員が担当し、みんなでプロダクトを作っていくことが可能です。

また誰かにマネジメントされているチームではなく、それぞれ自律的に背中を預けあっている状態の開発も、他の組織ではなかなかできない経験だと思います。

さいごに、役職に縛られない状況でミドル層が発揮できる価値について改めて考えることで、エンジニアリングや開発組織などを新しい目線で捉えられるようになるなと感じています。

さいごに

Gaudiyに入ってまだ9ヶ月ですが、刺激や学びの多い日々を送っています。
まだまだプロダクトとしても課題が多いですが、優秀なメンバーと実験的な環境なので、ひとつずつ解決に向かっています。とはいえ、やることは多く、エンジニアも足りてないので仲間も大募集中です。

余談ですが、前職のスタートアップに入った際、大手の働き方と比較しスピード感や技術面でのギャップを感じ、大手に長くいたことを少し後悔した時期もありました。ただ最近では、大手での経験が活きることも多いなと感じ、両環境で働けたことを良かったなとも思うようになっています。

エンジニアとしてのキャリアだったり、Gaudiyに少しでも興味持っていただいた方がいれば、ぜひ一度お話ししましょう!


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