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リモートでエンジニアリングマネージャーを1年やってみて

こんにちは。とあるSaaSを提供する会社でマネージャー的なことをやりはじめて一年経ったのでふりかえり的なことを書いてみたいと思います。

これを書いてる人は普段リモートで働きつつたまに出社するというスタイルで仕事をしてます。働き方についてはこちらをどうぞ。(昨今のウイルス事情でリモートワークは珍しくもなくなったと思いますが…)

また、わたしの会社では分散拠点でプロダクトを開発をしています。それについてはこちらをどうぞ。

わたしのマネージャーとしての仕事

社内ではEM(エンジニアリングマネージャー)と名乗ってますが、会社としてそういうポジションや役職があるわけではないです。わりと勝手にやってます。

まずやるにあたっては自分がやりたいと思ってることをJob Descriptionとして書いてみることからはじめました。

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そして、職務内容として
・プロダクトの成長を支えるチームをつくる
・チームメンバーが気持ちよく仕事できる環境をつくる
の2本を柱としてチームの構造(体制)と振る舞い(会議体、プロセス、コミュニケーション)を整備しました。

一般的なEMの人たちは採用・評価もEMの職務に含まれていると思いますが、そちらは会社としての方針が別途あるのでEMの職務範囲外となっています。

どんなことをやっていたか

思い返してみると、各種ミーティングでのファシリテーション、メンバーとの1on1、PdMのビジョンをみんなで議論して結果を整理、エンジニアリングチーム以外とのコミュニケーションの調整を主にしてた気がします。

プロダクトをつくるためのいろんなことの仕組み化を頑張ってました。開発チームをざっくり面倒みながら、開発以外の例えばマーケティングの人たちとのコミュニケーションをどう円滑にするか、というのを考えて仕組みをつくって運用してました。

仕事のリズムは、自宅で構想を練ってドキュメント化、京都に出社したり、東京福岡に出張してミーティングや1on1で話す、というサイクルでした。

1on1が好きになった

EMの仕事とは直接関係ないですが、この一年で1on1がとても好きになりました。1on1というか人の話を聞くのが好きになりました。

目の前の個人としっかり向き合って話を聴くことで、自分自身と向き合うことにもつながる感覚を持つようになりました。なんかちょっとエモい話ですが、うまくできてるときは瞑想に近い気持ちになることがあります。

リモートで難しかったこと

やってみてあらためてわかったことですが、オンラインでの多人数のディスカッションには入念な準備が必要です。
(不可能ではないが準備と練度が必要)

話題をどんどん発散させていくようなトピックでは一人ひとりの表情や様子を伺いながら進めるのが難しくて苦労します。事前に段取りをして、ある程度決まったフォーマットをつくるコストを考えた方がよいでしょう。

オンラインを前提に考えるなら、各自の意見は全員集合のミーティングとは別に、1on1で意見を聞く時間を取る方が効果的です。1on1だとオンラインでも比較的落ち着いて話がしやすいです。

情報は自分から取りに行かないとやってこない

みんなが一つのオフィスにいる場合では、何気なくミーティングしてる風景から入ってくる情報がバーバルなものもノンバーバルなものもありますが、リモートではそういうのは一切ありません。

なので、情報が欲しければ自分から取りに行くしかありません。
・ メンバーとの接触回数を増やす
・ メンバーの方から話してくれることがあったらしっかり聞く
ということをめんどくさがらずにやることが大事です。逆に言うと、こういうことをめんどくさいと思う人はチームのマネジメントには向いてないと思います。

受動的にやってくる情報は自分に届くころには、鮮度が落ちて腐りかけてます。受け身ではそういう情報しかやってこないと思った方がよいです。

組織の形は組織の戦略をあらわす

コンウェイの法則として、組織とソフトウェアの関係性が語られることが多いですが、必然的に組織の形にはビジネス戦略もあらわれてきます。

組織の形を見て、その組織が何に注力をおいているのか、社内の関係者に対して説得力をだせる見せ方が必要です。戦略が変われば組織の形も変わります。

なので組織の形を考えるときは事業の戦略的な話をPdM(プロダクトマネージャー)からしっかりヒアリングしましょう。体制について説明を求められれば何度も説明もして戦略と組織体制を練り上げましょう。

ここらへんの話はこちらの書籍にも書かれているので、おすすめです。元マッキンゼーの方が考える組織デザインの話で個人的にはめっちゃハマりました。

リモートを前提に考えるとよりドキュメント化のスキルが必要になる

自分が考えていることを意図したとおりに相手に伝えるために、ビジュアルとテキストで説明するスキルと、ドキュメントをもって情報共有するマインドは必須だと言ってもよいでしょう。

ここで、ドキュメント化するときに正しい情報を共有しないといけない、という空気感が組織に出てしまうとうまくいきません。間違ってる情報でもみんなで正していける空気をつくるのはとても大事です。(どうやってつくるの、と言われると難しいですが地道にやっていくしかないと思われます)

完璧なドキュメントというのは存在しないので、ドキュメントをアップデートしていくための仕組みもセットで考える必要があります。ドキュメント化をサボるとほんとろくなことがないので頑張りましょう。

まとめ

ふりかえってみると、よいプロダクトをつくる仕組みを整えることをつねに意識しながら仕事をしてたように思います。

よいプロダクトをつくるためのよいチームをつくる。それが自分にとっての仕事のスタイル(ライフワーク)であり、EMの仕事の大きな醍醐味じゃないかなあ、と思いながらやってます。

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