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年間ベストアルバム2021

2021年はTikTokやInstagramのフォロワーの方々をはじめ、いろいろな人とたくさんの音楽話をさせていただいたり、個人的にも例年に比べ、かなり精力的に音楽を受容した年になりました。

そんなこんなで、ほんと良いアルバムに出会いまくった今年のベストアルバムを発表します。

今年は随分と邦楽メインで聴いていたので、各アルバムへのコメントは邦楽のみ。TikTokやInstagram、Twitterに載せたアルバム以外にも素晴らしいと感じた作品を洋邦共に10枚づつ選出しておきました!


邦楽ベストアルバム


1.Tempalay - ゴーストアルバム

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個人的に、今年はこれにかなり食らった。Tempalayというバンドの存在感が増して見えた、かなりの快作なのではないかと思っている。

東洋サイケデリックの可能性を独自の視点と多様な感性に落とし込んでいるし、怪奇的なリフや奇想天外な展開などの攻めの姿勢もかなり伺えるのだが、なんせキャッチーであるのがすごい。とても日本的にサビに重きを置いているのは、かなり感心させられるポイントだった。テクノ、エレクトロなどの導入には、アニメや漫画という日本文化からの空気感すら感じさせられ、どこをつまんでみても楽しめる一枚だ。


2.millennium parade - THE MILLENNIUM PARADE

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言わずと知れたKing Gnuの中心人物、常田大希率いる新世代クリエイター集団。ミクスチャースタイルをとっている彼の音楽感を全面に押し出した傑作。

なんせ、サブカルチャーの域には止まらず、多くの人々にこの音楽が聴かれたことには非常に意義があるのではないかと思っている。基本は英語詞であったり、かなり欧米的なサウンドアプローチが多いのだが、"現代の東京"というものがある意味映された作品のように思える。様々な音楽が含まれ、様々な感情が描写されている、各楽曲に宿る熱量が物凄い。


3.betcover!! - 時間

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マジでこの一枚は、かなりマルチジャンルの音楽好きにベストアルバムとしてあげられていたし、僕も相当聴き込んだ。シンプルに好きな一枚。

海外の音楽レビューサイト「Rate Your Music」でめちゃ高く評価されていて、話題になったっていう側面もあるそうなんだけど、海外からのリアクションどうこう以前に、しっかり聴けば日本人なら響くパワーを持っていると思う。歌謡以降の国内産ポップスを見事なまでに全て昇華している。これからも、長く愛される一枚になるだろう。


4.小袋成彬 - Strides

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敬愛する小袋さんの新譜は本当に楽しみにしていたので湧いた。前作、前々作共にベストに入れているので何を言っても贔屓目があるように思われそうだけど...。

アルバムの全体像としても大きな波はなく、全7曲という非常にタイトな内容。変わらずR&Bやヒップホップ、エレクトロなど流行のフィールをしっかり汲み取っているのだが、各所に目立たない程度の遊び心が詰まりまくっている。これがすごい。毎作そうなのだが、聴けば聴くほど楽しみが溢れてくる。もちろんサウンドだけではなく、詞も素敵。


5.NOT WONK - dimen

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このバンドは本当に毎度毎度素晴らしい作品を更新していく。しかも今作はジャンルや文化、性別みたいな部分の境界線すらも中和し始めている。

UKインディーロック、グランジ、ポストロックなどのオルタナティブロック臭が大好きで、ずっと聴いてきていたバンドなのだが、今作ではプラスアルファでジャズやブルース、ゴスペルなどのルーツミュージック色を出してきて最高すぎ。緩急のついた展開は常に飽きを感じさせないし、一曲一曲の境界など必要ないと言わんばかりの内容。とても素晴らしい一枚。


6.ドミコ - 血を嫌い肉を好む

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明らかにドミコの世界観を押し広げた、というか、たぶん相当表現したいことのイメージを解像度高くアウトプットしたのではないかと感じた作品。

"サイケデリックポップの探求"というワードで売り出されていて、正にそうだなぁと思った。特に音作りでの表現の幅が相当広がっていて、パン振りなんかも、モノラルレコーディンングを無理やりステレオミックスにしましたみたいな面白い演出がされていたりして、楽しい。アップビートを得意とするバンド+サイケなんて最高じゃんって思わせてくれる一枚。


7.KID FRESINO - 20, Stop It

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ロック、ポップス育ちの私に衝撃を与えてくれたヒップホップの一枚。完全にヒップホップを聴かないわけではないのだけど、この作品は色々な音楽的垣根を超えて愛される一枚なのではないだろうか。

言わずもがな、サウンドアプローチの自由度の高さには関心させられる。ポストロック的な生ドラムのビート、民族楽器的なパーカッションの導入など随所で楽しませてくれる。そしてなんせ、カネコアヤノや長谷川白紙など気鋭のアーティストとのコラボは"日本のヒップホップの新しい形"を魅せてくれているようにすら感じられた。


8.カネコアヤノ - よすが

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「祝祭」「燦々」と過去作も高く評価され、若手SSWの中でも異彩を放っている彼女の深くに眠っている可能性とメッセージ性を具現化したように感じた素晴らしい一枚。

今作では特に、70年代前後のフォークロックサウンドをかなり解像度高く表現していたように思う。懐かしさから流れ込んでくる暖かな空気、遺伝子的に持つ日本人としての情緒にある共感へ誘われる。しかし、現代にある作品としての雰囲気も纏っているのだからすごい。


9.折坂悠太 - 平成

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前作「平成」が現代J-POPの大名盤として各方面から高く評価された折坂悠太待望の新作。マジで楽しみにしてた。

ジャパニーズフォークや昭和歌謡などを現代音楽に昇華する面において、彼が発信する音楽はそれを"懐古的"だなんて風に思わせてくれないから素晴らしい。優しくふくよかなサウンド体型で音数は少ないが、緻密なサウンドクリエイトによる音像の立体感は神秘的でありながら馴染みやすさもある。その余白すら楽しませてくれる素敵な一枚。


10.東京事変 - 音楽

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国民的バンドの約10年ぶりとなる新作。シンプルにめちゃくちゃ好きなバンドなので期待していたが、上回ってきた。

各パートのアレンジが異常なまでに洗礼されていて、それぞれが抜け目なく際立つサウンドクリエイト、展開は見事すぎる。というか、10年も経てば音の作り方も変わるのだなぁと好きなバンドを通じて感じられたのが楽しくてめちゃ聴き込んだ。カリスマボーカル、椎名林檎の詩的なリリックも極上。


他10枚

11.踊ってばかりの国 - moana
12.CHAI - WINK
13.LEX - LOGIC
14.安部勇磨 - ファンタジア
15.BREIMEN - Play time isn’t over
16.諭吉佳作/men - からだポータブル
17.月ノ美兎 - 月の兎はヴァーチュアルの夢をみる
18.Tohji, Loots & ブロディンスキ - KUUGA


どれも大好きな一枚です。是非聴いてみてね。


洋楽ベストアルバム


1.No Rome - It’s All Smile

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2.Big Red Machine - How Long Do You Think It’s Gonna Last?

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3.CHVRCHES - Screen Violence

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4.black midi - Cavalcade

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5.St. Vincent - Daddy’s Home

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6.Mustafa - When Smoke Rises

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7.Porter Robinson - Nurture

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8.The Armed - Ultrapop

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9.Alfie Templeman - Forever Isn’t Long Enough

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10.Jon Batiste - WE ARE

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洋楽ベストアルバム他10枚

Squid - Bright Green Field
twenty one pilots - Scaled And Icy
James Blake - Friends That Break Your Heart
Tyler, The Creator - CALL ME IF YOU GET LOST
BROCKHAMPTON - ROADRUNNER: NEW LIGHT, NEW MACHINE
Parannoul - To See the Next Part of the Dream
Black Country, New Road - For the First Time
LOW - Hey What
Bruno Mars, Anderson Park & Silk Sonic - An Evening With Silk Sonic
Snail Mail - Valentine


まとめ

以上、私が選ぶ年間ベストアルバムでした。

本当に今年もたくさんの素晴らしい作品に出会えました。トレンドのポップスやロック、ヒップホップなどを中心に取り上げている僕ですが、今年一年でもかなり幅広い音楽を聴くことができたのではないかと感じています。
とは言っても、まだまだほんの一握り程度で、きっと巡り合っていない素敵な音楽は無数に溢れているのだろうなぁと日々思いながら生きているし、もっともっとたくさんの音楽に出会いたいと心から思わせてくれる音楽ってやっぱ最高だよね。
やっぱ、なんだかんだで音楽が大好きなのだなって実感する年末。良い一年だったと思います。

また来年も、たくさんの素晴らしい音楽に出会えることを願って新年を迎えようと思います。


それでは、また。

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