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機械設計技術者試験|1.機構学・機械要素設計 3⃣

令和2年度 機械設計技術者試験 3級 試験問題Ⅰの解説です。
試験問題は日本機械設計工業会(JMDIA)のHPに掲載されています。
試験問題リンク

※本ページの解説はJMDIA公式のものではなく、投稿者個人で作成したものです。予めご了承ください。

3⃣は「歯車」の問題です。

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【A】の解説

解答:『37.5』

解説:つめ車の円ピッチを求める問題です。曲げモーメントの式が与えられているので、こちらを利用します。(曲げモーメントについて詳しく学習したい方はこちらを参考にしてください。)

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ひとまず、b, e, h を曲げモーメントの式に代入します。

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許容曲げ応力 σa は問題文に与えられており、30MPaです。このままではつめ歯車にかかる力 F が未知なので、うまく他の表現にしてやる必要があります。

いま、軸の受けるトルク T の値が与えられているので、FとTの関係式を考えると次の形になります。

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また、つめ車の円ピッチは円周の長さを歯数で割った値なので、次の式で表現できます。(歯車の基本的な内容について学習したい方はこちらを参考にしてください。)

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これら2つの式よりF=の形に整理すると、

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となり、力 F を円ピッチ pc と既知の値で表現できました。あとは曲げモーメントの式に代入し円ピッチ pc  について解くと約37.5mmという値を計算することができます。

【B】の解説

解答:『240』

解説:つめ車のモジュール m を計算して外形 D を計算する、歯車の基本的な問題です。ピッチとモジュールの関係は次の式となります。(歯車の基本的な内容について学習したい方はこちらを参考にしてください。)

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したがい、モジュールは次の値となります。

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また、モジュールは外形と歯数の比なので、

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となり外形 D について計算すると約240mmとなります。

【C】の解説

解答:『10.1』

解説:歯面に生ずる面圧を計算する問題です。面圧なので、歯面にかかる力を歯面の面積で割ることで求めることができます。(1)で与えられている曲げモーメントの式を使って、面圧を式表現すると

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となります。曲げモーメントの式の両辺を bh^2 で割っただけです。eとhは円ピッチが計算できているので既知であり許容曲げ応力は問題文で与えられているので、値を代入して計算すると約10.1MPaとなります。

以上












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