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白米に刺身を乗せて寿司と言っているようなモノ



「デザインが下手、表層を見てまねているだけ」

と言われたことがあります。


8年経った今、思えばこれが人生の転機だったかもしれない。
と思い、ジュニアデザイナーやこれからデザインを勉強したい人向けに書こうと思います。


##1 デザインが下手とは?表層?


その先輩は昼ご飯にポテチ、バロンチェアに正座してデザインを作る変わった人でした。

とても繊細なデザインを作るので、見ればこの人が作ったとすぐわかります。
8年たった今でも当時の作品を参考にしています。
その先輩に仕事のフィードバックで言われたのが


「デザインが下手、表層を見てまねているだけ」

でした。
意味不明です。


##2 デザインが上手くなるためにしたこと


うむ、やはり意味不明です。

しかし、上手くならないと仕事がもらえない事は明確だったので、
とりあえず上手くなるか、と2つの事を行いました。

1. 知識。読書。
2. 電車でデザインを分解 



##3. 知識。読書。


昔の僕は本を読むのが嫌いで
「そういうタイプではない」という謎の自覚もありました。
それでも読書を選んだ理由は、何も知識がなかったからです。

先輩からは
「空間を見てデザインして」
と言われたこともあります。
「なるほど〜」と言いましたが、正直よくわからなかった。

ある日、仲良いスーパーエンジニアに、

「努力を努力と思ったらできない。
 読書を趣味にするまで読み続けると本を読めるようになる。」

という格言と衝撃をぶつけられて、今では毎週読書する人間です。

自分は努力をしようとしていたのか、と我に帰りました。

エンジニアからは、まずは自己啓発をオススメされて
ハリーポッター並の分厚さから「これを読んだらもう何でも読めるな!」
と思い、カーネギーの「道は開ける」から買いました。

この辺の本は割愛して、美術を学ぶ本を2冊紹介したいと思います。


##3-1. 本質的なもの


まずは、デザインの根本、『点と線と面』について書いてくれている本。

こんなにも

「わかっているのに、わかっていなかった」

と思わせてくれる本があるとは思わなかったです。
ふんわりネタバレすると

点が二つ並ぶ (『    ・  ・    』)と、
その間には目に見えない線が生まれる。
点が三つ並ぶ (『  ・・     ・  』)と、
真ん中の点は動き始める。
などが書いてあります

この本で得た事は

・デザインにおける「少ない」とは、ただ要素を減らすわけではなく取捨選択で選び抜かれた素材を最大限に活かす事
・些細なことでデザインは意味を持たせる事ができる

という、当たり前のような、でも理解できなかったことです。


##3-2. 巨匠に学ぶ配色の基本


次に2冊目

「色と色使い」に関しては絵画から学ぶことに。
プロスポーツ選手がマネから入るように、名画から基本を盗むことにしました。

特にこの本、名画に修正を加えて
「本来のパターン」「ダメなパターン」
そしてその内容と理由を文章にしてくれてあります。

ダメなパターンがあるから、めちゃくちゃわかりやすいのです。

ゴッホの絵は、夜空が青色で描かれている。
その理由。そして黒で描いていたら。
この本を読まなかったら一生わからなかった気がします。


とにかくこの2冊との出会いで読書が好きになると同時に

デザインには理由があるし、ルールや勝利法が昔から変わらず残っている。
文脈を理解せずマネしても表層しかマネしていない。

「白米に刺身を乗せて寿司といっているようなモノ」

という事を直感的に理解しました。

それからは、クローゼットが本で埋まるくらい読んでいます。
いずれnoteでも紹介したい。



##4. 電車でデザインを分解


「インプット以上にアウトプットをする」

これは業界で当たり前のように言われている言葉ですが、
アウトプットするには気力も時間も足りません。

そこで仕事帰りに音楽に癒されながらでもできる、
一石二鳥でオススメなのが

電車や駅で広告を分解する事です。

よくあるビールの広告でも

・ロゴの色味はビールの濃い部分と同じ色かな
・ビールの頂点の高さにロゴが来ているな
・泡とビールの割合は白銀比?
・どこもゴシック体だな
・全体に対するモチーフの割合は?
・こっちは麦、あっちは水しぶき、伝えるメッセージの違いは?

などなど
分解できる要素がかなり多い。

デザイナーの苦労が透けて見えるようです。

この分解を行なっていくうちに目が養われて、
色んなデザインを見ると自然と分解されていくようになります。

言語化能力も養われていくので、
自分でデザインを作る際もゴールから逆算していく感覚になっていき
デザインの瞬発力が鍛えられるでしょう。

なにより手を動かさなくても良い。
それが楽です。

作らないと意味がない、という人もいますが


やらないよりマシ。

それくらいの気持ちでやるのが良いと思っています。



##5. まとめ

・デザインは点と線と面の集合体である事を知る
・色の使い方にはルールがある
・完成されたデザインは分解、説明ができる


以上が、ジュニアデザイナーやこれから勉強する人たちに教えたい
時短勉強法と気付いて欲しい事でした。


ちなみにまだ寿司は握れません。

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