「2020年のプロ野球公式戦の開幕」と「球音の楽しみ」

6月19日(金)、プロ野球の公式戦が開幕しました。

新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受けて、3月20日(金)に予定されていた日程が変更されたため、前身の日本職業野球連盟が発足した1936年以来、最も遅い開幕となりました。

また、当面は球場に観客を入れない、いわゆる無観客試合となったことは、野球という競技を興行として行うプロ野球としては異例の措置であり、それだけ常には非ざる状況の中で公式戦が行われていることを、改めてわれわれに教えます。

ところで、各試合を現地からの中継映像によって観戦する際に、誰もがすぐに気付くであろうことの一つは、一球ごとに捕手のミットに球が当たる音や球とバットが接触する音です。

周知の通り、現在のプロ野球は各球団の応援団を中心に熱心な応援が行われており、試合を活気づけています。

あるいは、外国人選手、特に米国出身の選手などにとっては、プロ野球の応援はしばしばバスケットボールやアメリカン・フットボールの試合での応援を彷彿させるものと解され、好意的に捉えられています。

その一方で、応援する球団の攻撃時に不断に応援がなされることで、打球音などを直接耳にすることが容易ではないことも、広く知られるところです。

こうした状況については2000年に当時の読売ジャイアンツの長嶋茂雄監督が「球音を楽しむ日」を設け、観客の応援の部分的な制限を提案したものの、結果として普及することはありませんでした。

しかし、応援を担当する観客そのものが入場できないことで、図らずも「球音を楽しむ」という環境がと問うことになりました。

今後、段階的に観客が入場することが出来るようになっても、声援を送るといった応援がただちに解禁されるとは限らず、当面の応援の方法は拍手までとなるかも知れません。

それだけに、従来の華やかな応援が再開される日まで、われわれは「球音」を楽しみつつ、映像を通して試合に接することになるでしょう。

<Executive Summary>
Joy of Sounds of a Ball Game Brought by a Measurement for the COVID-19 (Yusuke Suzumura)

The official games 2020 of the Japan Professional Baseball started on 19th June 2020. In this season, no audiences are permitted to attend the game to prevent an outbreak of the COVID-19. By this measurement, we can temporary enjoy a simple and somewhat classical style of a ball game.

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