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評論

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#新型コロナウイルス

菅義偉首相は「東京五輪の経験」をどのように東京パラリンピックに活かせるか

今日、国立競技場でパラリンピック東京大会の開会式が行われ、開幕します。

世界161の国、地域、難民選手団を合わせて、過去最多となる4403人の選手が参加する今大会[1]は、新型コロナウイルス感染症の感染の拡大という状況の中で開催される、これまで誰も経験したことのない大会となります。

8月8日(日)に閉幕したオリンピック東京大会は開催都市である東京都が緊急事態宣言の発令される中で挙行され、今回も

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「新型コロナウイルス問題」に対して東京オリ・パラ組織委員会はどう対処すべきか

現在、東京オリンピック及びパラリンピックの開催を巡り、積極的な意見と消極的な見解とが交錯しています。

その様な中で存在感を発揮できないでいるのが大会組織委員会です。

大会組織委員会がどのような取り組みを行うべきかについては、『体育科教育』の連載「スポーツの今を知るために」の中で検討しています[1]。

2020年4月の時点での記事ながら、現在の状況にも通じる内容となっているように思われるため、

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「1都3県への緊急事態宣言発令」は当局者にどのような態度を求めるか

本日、18時から菅義偉首相が記者会見を行い、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県を対象に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて緊急事態宣言を発令する旨を表明しました。期間は1月8日(金)から2月7日(日)までとなります[1]。

1都3県で新規感染者数が増加していること、医療機関の受け入れの状況が逼迫していることなどを考えれば、感染の拡大の防止のために緊急事態宣言が発令されることはやむを得ない措

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「1都3県への緊急事態宣言発令」の後に当局者がなすべきことは何か

明日、政府は新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対応するため、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県を対象に緊急事態宣言を発令する予定です[1]。

今年に入ってからの1都3県の状況に鑑みれば、各地の住民や事業者の活動に一定の制約を設ける緊急事態宣言の発令は、さらなる感染の拡大を抑制するために不可欠な措置と言えるでしょう。

その一方で、一時は沈静化の傾向を示していたそれぞれの地域が緊急事態宣言の発令を

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"President Trump Hospitalized with the COVID-19" Shows a Severity of the US Politics

On 1st October 2020, US President Donald Trump and First Lady Melania Trump have tested positive for the coronavirus[1] and President Trump was hospitalized at Walter Reed National Military Medical Ce

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「新型コロナウイルス問題」は交響管弦楽の鑑賞のあり方を変えるか

6月下旬から、東京交響楽団や新日本フィルハーモニー交響楽団などの職業楽団が演奏活動を再開し、今月に入ってからは各団が来場者や演奏者の数を制限し、社交的距離の確保に配慮しながら演奏を予定していることは周知の通りです。

その際、来場者数が制約されることに対応するため、多くの場合で演奏の模様がインターネットなどで実況中継されています。

新型コロナウイルス感染症の治療薬の実用化や普及が実現するまで、た

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「東京アラートの廃止」と「新指標の導入」は何を意味するか

昨日、東京都は第31回東京都新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開催し[1]、新たに「感染状況」と「医療提供体制」に着目した7項目で新型コロナウイルス感染症の感染の拡大を監視すると発表しました[2]。

今回、新たに制定されたモニタリング項目は以下の通りです[2]。

(1)新規陽性者数
(2)東京消防庁救急相談センターへの発熱相談件数
(3)感染経路不明者の数と増加比
(4)PCR・抗原検査の

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「都立学校の完全再開」の問題点は何か

今日から、新型コロナウイルス感染症の拡大により、登校時間や児童、生徒などの数を制限する分散登校を続けていた東京都立学校が全面的に再開しました[1]。

都内の新型コロナウイルス感染症の発症者数は依然として全国で最も多く、感染の拡大の終息の見通しは不明であるものの、5月25日(月)に新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が解除されたことや、3月から4月にかけての感染者数の急速な拡大が

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「プロオーケストラの定期演奏会の再開」が踏み出した大きな一歩

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、2月26日(水)に全国的なスポーツや文化関連の催事の中止や延期、規模縮小[1]が要請されてから中止や延期の措置が取られていた職業管弦楽団の有観客による定期公演が再開され始めています。

主要楽団については6月21日(日)に東京フィルハーモニー交響楽団が曲目を変更し、休憩時間を設けず約1時間にわたり第938回定期演奏会を行うとともに、6月26日(金)には東京交響

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「2020年のプロ野球公式戦の開幕」と「球音の楽しみ」

6月19日(金)、プロ野球の公式戦が開幕しました。

新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受けて、3月20日(金)に予定されていた日程が変更されたため、前身の日本職業野球連盟が発足した1936年以来、最も遅い開幕となりました。

また、当面は球場に観客を入れない、いわゆる無観客試合となったことは、野球という競技を興行として行うプロ野球としては異例の措置であり、それだけ常には非ざる状況の中で公式戦

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求められる文化団体への速やかな支援

新型コロナウイルス感染症の拡大による休業要請が解除された後も、劇場や映画館の利用者は伸び悩んでいます[1]。

その一方で、実際に演劇や音楽、舞踊などの各種の文化活動を担う団体も、公演の機会が失われたことで経済的な苦境に直面しています。

このような点について、5月初旬に文化団体に対する公的な支援や補償を速やかに行うことの重要さを指摘した一文を物しました。

本論は最終的に別な原稿に差し替えとなり

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「大リーグの公式戦開幕」は「トランプ大統領の初めての始球式」を実現するか

1910年のウィリアム・タフト以来、米国の歴代大統領が大リーグの開幕戦を中心に始球式を行っているのは周知のところです。

そして、2017年の就任以来、現職のドナルド・トランプ大統領が始球式を行っていないことも、広く知られるところです。

トランプ大統領が始球式を行わない理由の一つとして挙げられるのが、登場した時に球場内から罵声や嘲笑が起き、その様子が放送されることを嫌っている、というものです。

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「ブルーインパルスの展示飛行」の持つ意味は何か

本日、航空自衛隊第4航空団飛行群第11飛行隊、通称ブルーインパルス[1]が、新型コロナウイルス感染症に対応する医療従事者などに、感謝と敬意を示すためとして東京都心の上空を飛行しました[2]。

戦闘機の展示飛行による医療従事者などへの謝意の表明は米国で行われるなど、先例のあるものです[3]。

また、新型コロナウイルス感染症に対応する医療従事者などに謝意や敬意を表することが重要であるという点には、

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「新型コロナウイルス感染症対策」として求められる「公益法人制度の柔軟な運用と変更」

昨日、政府は新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた2020年度第2次補正予算案を閣議決定しました。

事業規模で117.1兆円に達するものの、民間資金の算入額など細かな内訳は説明がなされていないこと、あるいは4月30日(木)に成立した第1次補正の執行が遅れていることなど、改善を要する点は少なくないと言えます[1]。

一方、中小企業や個人事業主向けの持続化給付金については、比較的順調な対応がなされ

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