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評論

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2020年7月の記事一覧

サラリーキャップ制阻止は選手会の大きな成果

去る7月20日(月)に発行された日刊ゲンダイの2020年7月21日号25面に、隔週で担当している連載「メジャーリーグ通信」の第73回「サラリーキャップ制阻止は選手会の大きな成果」が掲載されました。

今回は、日本時間の7月24日(金)に開幕を迎えた大リーグにおいて、選手会と大リーグ機構・球団経営者による労使交渉がどのような意味を持っていたかを検討しています。

本文を一部加筆、修正した内容をご紹介

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Standing on the Field and Holding the Ceremonial First Pitch Have an Important Meaning for President Trump

It was William Taft who participated in Opening Day ceremonies and preceded Washington Nationals–Philadelphia Athletics game on 14th April 1910 and held the first ceremonial pitch as the US president.

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開幕1年前に改めて考える「IOCが東京オリンピックの開催のためになすべきこと」

本日、2020年7月24日(金、祝)に開会式が行われる予定であった第32回オリンピック競技大会、いわゆる東京オリンピックの開幕予定日でした。

新型コロナウイルス感染症の拡大により、大会が1年延長されたのは周知の通りです。

また、「「五輪開催の魅力」を維持するため」、「「収益構造」を維持するため」、「支持層の高齢化を避けるため」という3つの理由から、国際オリンピック委員会(IOC)が東京オリンピ

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「GoToの場当たり的対応」よりも重要な問題は何か

本日、赤羽一嘉国土交通大臣が記者会見を行い、国内旅行の一部を補助するいわゆる「Go To トラベル」事業について、東京都を発着する旅行を対象外としたことによる予約の取り消しにかかる料金のうち、7月10日(金)から17日(金)までの契約分を補償すると表明しました[1]。

「Go To トラベル」事業については、当初8月上旬とされていた開始日が7月22日(水)となったことや東京都での新型コロナウイル

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「GoTo東京発着除外」が持つ意味は何か

昨日、赤羽一嘉国土交通大臣は7月22日(水)から実施を予定しているいわゆる「Go To トラベル」事業について、東京都を目的とする旅行ないし東京都居住者の旅行を支援の対象から除外することを表明しました[1]。

これは、安倍晋三首相が「現下の感染状況を踏まえてそういう判断になった」[1]と指摘するように、東京都内で新型コロナウイルス感染者数が増加している状況を受けた措置です。

もちろん、「都民も

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立憲民主党と国民民主党は合流を実現できるか

昨日、立憲民主党の福山哲郎幹事長と国民民主党の平野博文幹事長が会談し、福山氏が両党が一度解散して新党を結成した上で党名を「立憲民主党」とする案を示す一方、平野氏は持ち帰って議論すると回答しました[1]。

立憲民主党側が両党の解党による新党の結成を提起したのは、1996年に発足した民主党が、1998年に民政党、新党友愛、民主改革連合を吸収した際、民主党の議員は全員が離党して再度入党し、それ以外の政

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試合数が示す「2020年は大リーグにとって歴史的なシーズン」

現地時間の7月24日(金)、大リーグの2020年の公式戦が開幕します。

新型コロナウイルス感染症の拡大及びその後の労使交渉を受け、レギュラー・シーズンは60試合制となりました。

ところで、1876年にナショナル・リーグが発足して以降の大リーグの試合数の推移を見ると、降雨による試合の中止などを除き、標準の試合数が60となるのは、1878年が最後となります(表1)。

表1 大リーグにおける試合数

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「新型コロナウイルス問題」は交響管弦楽の鑑賞のあり方を変えるか

6月下旬から、東京交響楽団や新日本フィルハーモニー交響楽団などの職業楽団が演奏活動を再開し、今月に入ってからは各団が来場者や演奏者の数を制限し、社交的距離の確保に配慮しながら演奏を予定していることは周知の通りです。

その際、来場者数が制約されることに対応するため、多くの場合で演奏の模様がインターネットなどで実況中継されています。

新型コロナウイルス感染症の治療薬の実用化や普及が実現するまで、た

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コミッショナーが「人種差別反対運動」を静観する米球界の危機

去る7月6日(月)、日刊ゲンダイの2020年7月7日号26面に私が隔週で担当させていただいている「メジャーリーグ通信」の第72回「コミッショナーが「人種差別反対運動」を静観する米球界の危機」が掲載されました[1]。

今回は5月末から米国内外で起きている「人種差別反対運動」について、大リーグ機構が積極的な関与を避けている理由とその影響を検討しています。

本文を一部加筆、修正した内容をご紹介します

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「與那覇潤氏が示したオーラル・ヒストリーの問題点」で考えたいくつかのこと

本日の朝日新聞朝刊に、與那覇潤先生の随筆「「自国の手柄話」の懸念」が掲載されました[1]。

記事の中では、「平成の末期から、若い政治学者に元気がないらしい。」という状況の背景として、政治家や官僚に聞き取りを行い現代史の叙述に活かす「オーラル・ヒストリー」の流行により、将来の話し手である現在の為政者の機嫌を損ねまいとする雰囲気と、「オーラル・ヒストリー」が往々にして「自国の功労者の手柄話」となる危

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都知事選の結果は今後の国政にどのような影響を与えるか

7月5日(日)に投開票が行われた東京都知事選挙について、再選を果たした小池百合子都知事がいかなる課題に取り組むべきかについては一昨日の本欄で、また、得票数と得票率からみた選挙の概要については昨日の本欄で検討した通りです[1],[2]。

そこで、今回は、都知事選挙の結果を受け、今後の国政与党と野党の動向を検討します。

まず、2019年3月4日にいち早く小池百合子都知事の再選を支持する意向を明らか

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得票数と得票率でみる東京都知事選挙

7月5日(日)に投開票が行われた東京都知事選挙について、再選を果たした小池百合子都知事がいかなる課題に取り組むべきかについては、昨日の本欄[1]で検討した通りです。

そこで、今回は投票数及び投票率に基づき、都知事選を概観したいと思います。

まず、前回2016年の選挙と今回に連続して出馬した候補者7名の得票数の推移に関して、都全体の得票数及び得票率の増減について6候補が増加する中で、七海ひろこ候

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都知事選で圧勝した小池百合子都知事は何をなすべきか

昨日投開票された東京都知事選挙では、現職の小池百合子候補が再選されました[1]。

59.70%の得票率を記録し、第2位の宇都宮健児候補の得票率13.76%を45.94ポイント上回ったこと[1]が示すように、今回の小池候補は「選挙では再選に挑むときが最も強い」[2]という経験則を実践したと言えるでしょう。

得票数及び得票率の点で2016年の都知事選を上回って圧勝というにふさわしい結果を残し、与党

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「都知事選投開票日」に際し1144万人の有権者に投票を期待する

本日、任期満了に伴う東京都知事選挙の投開票が行われます。

今回立候補したのは、届け出順に以下の各氏です(以下、敬称略)[1]。

山本太郎
小池百合子
七海ひろこ
宇都宮健児
桜井誠
込山洋
小野泰輔
竹本秀之
西本誠
関口安弘
押越清悦
服部修
立花孝志
齊藤健一郎
後藤輝樹
澤紫臣
市川浩司
石井均
長澤育弘
牛尾和恵
平塚正幸
内藤久遠

今回の選挙は、現職の小池百合子氏が立候補しているこ

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