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これは最良のスターターキット『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』書籍レビュー

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『せかやり』とは?

『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』(以後、『せかやり』と呼びます)はやりたいことを最短で見つけるための本です。

「やりたいこと」という曖昧な言葉を、「大事なこと(価値観)」「得意なこと(才能)」「好きなこと(情熱)」の3要素の掛け合わせだと定義し、それぞれの要素の見つけ方、組み合わせて「やりたいこと」を見つけるための方法が書かれています。

1章~2章では、やりたいことを見つけるために障害となる思考について知るという前準備を踏むようになっており、やりたいことが見つからず悩んでいる人はこの時点でハッとさせられます。

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『せかやり』はもっともシンプルな自己分析、自己理解のスターターキット

皆さんはトレーディングカードゲームをやったことはありますか?
能力の異なるカードを規定の枚数組み合わせてデッキを組み、対戦する遊びです。

トレーディングカードゲームゲームの販売方式はブースター(拡張パック)とスターターキットの2種類があります。

ブースターはカードがランダムに入っていてカードの種類を増やすときに買うもの、スターターキットはゲームを始めるために必要なカード構成とルールブックで構成されています。

ブースターだけでもデッキは組めますが、ゲームバランスが悪くなったり、必要なカードが揃わない場合もあるため、スターターキットを買ってから、ブースターを買い足すのが基本です。

私は『せかやり』がこのカードゲームのスターターキットのようだなと感じました。

自己理解を始めるために必要なルールブック(自己理解メソッド)、必要なカード(質問、巻末のツール)、構築済みデッキ(事例)が揃っているのです。

八木さんも下記のツイートで『せかやり』をハブと表現されていて、『せかやり』を読んだ後に各分野を深めるためのおすすめ書籍を紹介されています。

情報が厳選されているから初心者でも読みやすくとっつきやすい、自己理解を始めるための要素が凝縮された書籍、それが『せかやり』だと思います。


なぜ、初心者でもとっつきやすいのか?

理由は
①文章量が多くなく読みやすい
②図が多用されている
③都度、身近な具体的例に置き換えられている
④質問が厳選されている

①文章量が多くなく読みやすい
本を手に取るとわかるのですが、文章量は少なめで読みやすいです。当初の原稿から5万文字ぐらい削られているそうで、八木さんの持たれている「シンプル」という価値観が反映されていると思います。

②図が多用されている
他の書籍と比べると圧倒的に図解が多いです。内容を伝えやすくするのが目的ですが、文章の間に図解が入ることでテンポよく読むことが出来るという効果も出ている気がします。

③都度、身近な具体的例に置き換えられている
一つ説明を終えたあとに、読者でも身近に理解出来る事例に置き換えられているのも特徴です。例えば、人生という長い期間において、努力で長期間モチベーションを維持するのは難しいという場面では、「100m走とマラソン」という例えが出てきます。100m走とマラソンであれば、どんな人でもどれだけ差があるかイメージしやすいですね。

④質問が厳選されている
私は自己理解プログラムで1テーマにつき30以上の質問に答えたことがあるのですが、書籍ではメインの質問は5個前後、追加の質問を巻末に収録という構成になっています。

「世界一やさしい」の名前通り、大量の質問に答えなくても厳選した質問に答えるだけでゴールに近づけるようになっています。


自己理解メソッドは能動的だと感じる

私は今までストレングス・ファインダー、ウェルスダイナミクス、16Personalitiesなど多くの自己分析診断を受けてきました。

◯◯診断の類は用意された質問に答えた後、結果を突きつけられて「ふーん、そうなんだ・・・」というところで終わってしまいがちです。これって受動的で勿体ないと思いませんか?

対して自己理解メソッドは質問に答えた後、「価値観(大事なこと)」×「才能(得意なこと)」×「情熱(好きなもの)」を組み合わせて、自分のやりたいことを探すという明確な道筋が示されています。他の自己分析と違い、自己理解メソッドは非常に能動的であると感じました。


ブログ記事からのブラッシュアップ

自己理解メソッド自体は八木さんのブログYoutube動画で内容が公開されています。では、既にブログやYoutubeを見た人は不要かというとそんなことはなく、説明部分が大幅にブラッシュアップされています。

個人的に一番勉強になったと感じるのが、P113の価値観のランキング付けの部分。複数の価値観の相関性を考えることで、土台となる価値観、働く目的、人生の目的を考えるという内容です。

私は本を読む前に価値観こそ見つけていたものの、働く目的が見つかっていませんでしたが、この考え方のお陰で無事に働く目的が見つかりました。


総括

・情報量が極限までシンプルに押さえられているから読みやすい
・質問が厳選されているから、挫折しにくい
・事例が豊富で自分ごとに置き換えて考えやすい
・能動的に行動出来る道筋が示されている
・ブログ読者も得られる新規情報あり

シンプルで読みやすく、マニュアルからツールまで揃った1冊。「やりたいことがわからないけど、何から始めたらいいかわからない」という方や、「自己理解中だけど、満足のいく結果を得られていない」方におすすめです。



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