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ニューノーマル時代は「プロデューサー」という仕事が見直されるべき理由―#1 クリエイティブ系プロデューサーの現状

「afterコロナ」「withコロナ」の「ニューノーマル」時代において、これまでの産業構造や、仕事や業務内容など、あらゆるものが変化してしまい、もはやもとに戻すのではなく、新しい場所へみんなで行かなくてはいけない状況となりました。それはある意味ではチャンスでもあり、世の中をもっと良くしていくきっかけになるのでは、と考えています。

その中で、最も重要な人材はどんな人材かと考えた時に、それは、いわゆる「プロデューサー」と呼ばれる人たちではないかと考えています。

本稿では、プロデューサーとはどんな仕事なのか、そして、特にクリエイティブ業界におけるプロデューサーの状況と、なぜプロデューサーが重要なのか、といったことを見ていきたいと思います。

「プロデューサー」という仕事

「プロデューサー」というと、一昔前は、音楽プロデューサー全盛の時代があって、小室哲哉さんやつんくさんや、秋元康さんなんかも「プロデューサー」の代表格だったかなと思います(これで話が通じるのはせいぜい30代中盤以上か…)。

それ以降、音楽業界では、プロデューサーという職種が全面に出ることはほとんどなく、どちらかというとアーティスト側が前に出ていて、よくよく調べると、「ヒット曲の裏にこの人あり」、みたいなプロデューサーの方は、結構いらっしゃったりします。でも、今は、アーティスト主体、ある意味、一人のプロデューサーを中心とした「集団」(例:小室ファミリー、ハロープロジェクト等)ではなく、各アーティストごとの「個」の時代と言えるのではないかと思います。

そんな音楽業界の状況は、世の中全体の状況とも合致しているような気がしますが、一貫していつの時代も評価が薄いのが、ビジネス業界、そしてクリエイティブ業界におけるプロデューサーなのではないかと思います。これは、私自身が、長年プロデューサーとして、Webサイトから新規事業開発まで、あらゆるクリエイティブ、アウトプットに関わってきている中で、常々感じていることです。

今回は、プロデューサーと呼ばれる職種の中でも”最底辺”と感じる、クリエイティブ業界におけるプロデューサーについて、取り上げたいと思います。

クリエイティブ業界における「プロデューサー」

クリエイティブ業界でのプロデューサー職というのは、どんな仕事なのかというと、

・クライアントへの提案から受注、その後の折衝など、制作に関わるあらゆる事の総合窓口
・クライアントへのヒアリングを踏まえ、企画の目的や戦略を考え、提案の骨子を考え、提案書をまとめる中心的役割を担う
・ディレクター以下、制作陣のアサインと、進行の全体管理、および予算管理、場合によってはモチベーション管理
・クライアントと制作陣との間の調整役
・トラブル発生時やスケジュール遅延時など、クライアントや自社の営業からの怒られ役
・制作陣からの不満や文句の受け止め役

などなど、一つの成果物としてのクリエイティブが生まれるために必要なことの全てに関わる重要なお仕事です。上記後半にはネガティブなことも書きましたが、そうした困難を乗り越えて、世にクリエイティブを送り出した時には、喜びもひとしおです。

が、しかし、クリエイティブは、やはりクリエイターが評価をされるもの。プロデューサーは、どれだけ苦労を重ねてきたとしても、日の目を見るのはクリエイターですし、クライアントからの評価も、「○○さんのデザインはすばらしいね」とか、「○○さんの撮る映像はやはりクオリティが高いね」などと言われてしまいます。もちろん、それらのメンバーをアサインしたのはプロデューサーですので、プロデューサー自身の評価も含まれていると解釈はできるのですが、「あなたのプロデュース力の賜物ですね」などといわれることは、ほとんどありません。プロデューサーの仕事は、成功して当たり前なのです。なので、ものすごく優秀なプロデューサーで、スケジュールの遅延もなくトラブルもなく完成まで持っていける人がいても、それが当たり前なので、プロジェクトが上手くいったとしても、高く評価されるということは、あまりないのが現状なのではないでしょうか。

「できるプロデューサーいない」問題

こんなに大変で、苦労をして、そして評価も低いプロデューサーですが、それを反映してなのか、クリエイティブ業界のプロデューサー、それも、“できる”プロデューサーは、いつも人材が枯渇しています。

私自身、20年くらいクリエイティブ業界、特にWeb業界にいますが、本当に安心して仕事が任せられるプロデューサーというのは、いつの時代も数が少ないな、と、ずーっと感じています。

これは、いい加減、改善しないといけない問題だと思っています。

上記に書いたとおり、あらゆるクリエイティブ、もっと言えば、あらゆるビジネスもそうかもしれません、プロデューサーがいなければ成り立たないのです。ですが、人材は少ない。これでは、いつまで経っても、クリエイティブ業界の抱える問題は解決されないでしょう。

クリエイティブ業界の抱える問題というのは、

・長い労働時間
・儲からない
・クリエイティブの質が下がっている
・クリエイティブに理解を示さないクライアント

などが挙げられると思います。

業界として見たときに、一般に長時間労働や儲からないなどの問題は、クリエイティブ業界にいればどなたも納得されることだと思いますが(もちろん短時間労働で儲かってる会社もあると思います)、残り2つは説明が必要かも知れませんので補足したいと思います。

まず、「クリエイティブの質が下がっている」というのは、一見すると上がってるとも見えるのですが、日本全体で見た時に、今は誰でも簡単にデザインやWebサイト、また動画が作れる時代です。そのため、広義でのクリエイティブ業界は、一般の方を含めると裾野が広がっていると思います。それは、例えば、個人事業や中小企業などで、自分のサイトをWebツールを使って制作するとか、あるいはYouTubeに参入する方なども含めての話です。そこまでを捉えると、全体としては質が下がっていると考えています。ただ、これもツールの進化によっては、今後上がっていく可能性はあります。

もう一つ、「クリエイティブに理解を示さないクライアント」というのも、これも上記に関連しますが、特にWeb系のクリエイティブについては、「安くてすぐできるんだろう」という考え方が根強くあり、そして、ツールの進化と共に、誰でも簡単にできる、という言葉が独り歩きして、ますますクリエイティブへの意識、もっといえばリスペクトが低くなっているのではないかと思います。もちろん、弊社のお客様もそうですが、クリエイティブへの意識の強いクライアントも多くいらっしゃいますし、クリエイティブが経営や業績につながると考えるクライアントも増えていることも事実です。

いいクリエイティブ、そして日本をよくするためにはプロデューサーの地位向上と人材育成が必要

この他にも課題は挙げていけば、いろいろとあると思いますが、このような課題を解決し、日本のクリエイティブ業界を健全に、そしてクリエイティブで会社を良くし、業績をあげ、ひいては日本全体を良くしていくためにも、そのアウトプットの要であるプロデューサーが、ますます活躍し、そしてきちんと評価を受けられるようにするべきだと考えます。

何度も言いますが、彼らなくしてクリエイティブは世に出ることはありません。

今後、こうした問題意識から、何か行動を起こしていきたいと考えています。特に、これからのニューノーマル時代において、日本が経済的に復興し、そして、また輝きを取り戻すために、これまで長年プロデューサーという仕事をしてきた私にできること、という観点からも、取り組みを始めたいと考えています。まずは、継続的に、この課題感に基づく発信をしていきたいと思います。そして、プロデューサーの育成につながるようなことも、企画していきたいと考えています。

もし、同じ様に感じている方や、何か一緒にアクションを起こしていただける方がいらっしゃいましたら、いいねやコメント、シェアなど、よろしくお願いします。

なお、次回は、ビジネス系プロデューサーについて書きたいと思います。ビジネス系プロデューサーは、よりニューノーマル時代に必要な人材だと思いますし、プロデューサー型の人材となることが、これからの時代における必須条件となると考えていますので、その辺りを書きたいと思います。

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株式会社アマナ執行役員。2014年にアマナ入社。アマナイメージズにて新規事業開発やアライアンスを担当。2016年1月よりアマナ執行役員及びアマナイメージズ取締役、同11月より代表取締役社長(2019年1月退任)。2019年1月からコミュニティマーケティングDiv. 事業責任者。
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