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「風ノ旅ビト」「GOROGOA」「Florence」などの販売会社「Annapurna Interactive」のゲームが大好きなのでご紹介

インディーゲームという、簡単に定義すれば大きい会社が多額の予算をかけて制作する大作ではなく、小規模だったり低予算でクリエイターが制作したゲームが昨今盛り上がってきています。「Independent game」の略だそうです。音楽でもインディーズなんて言いますよね。

FFやドラクエではなく、Undertaleといった感じです。最初は全然知らず、インドのゲームのことかと思ってました。

インディーゲームの盛り上がりに比例して、ゲームを制作する会社や団体、チームもどんどん増えてきている…気がします。

そんな中で、「この会社いつも良いインディーゲーム販売するなあ」とついつい思ってしまう会社こと、「Annapurna Interactive」(アンナプルナ・インタラクティブ)について紹介します。


Annapurna Interactiveとは

Annapurna Picturesという映画配給会社の子会社で、主にインディーゲームの販売を行っている会社です。
会社があるのはアメリカ合衆国、カリフォルニア州ウェスト・ハリウッド。

設立者兼CEOのミーガン・エリソンさんは、「ゼルダの伝説 時のオカリナ」がお気に入りのゲームとのことです。


発売しているゲームを一部紹介

どんなゲームを発売してるか、一部紹介します。
とりあえず、私がクリアしたものだけ紹介です。
ちなみに、ゲームを「開発」する会社ではなく、「販売」する会社です。でも開発に関わってるのもあるのか…も…? そこまでは調べきれてません…。



フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと(原題:What Remains of Edith Finch)

2017年にプレイしたので記憶がおぼろげですが、非常に作り込まれてて面白いゲームだったのは確か。
一人称視点でプレイするアドベンチャーゲームです。

フィンチ家という一族の血を引いてる主人公。しかし、その一族はなぜか皆、命を落としています。そのフィンチ家の屋敷を探索し、なぜ全員が死んだのかを知っていく、というのが大筋のストーリー。ホラーでは無いです。

謎解きも少なく、メインとなっているのは各登場人物(もう死んだ人達)の人生、死の理由を追体験すること。この演出が本当に素晴らしくて。ときにファンタジー、ときにコミック調、ときにRPGのような演出と、様々な方法で死の理由が明らかになるんですよね。

追体験の方法がバラエティに富んでおり、ミニゲームでは無いけれどもそれぞれ全く違う方法で、かつインタラクティブ性が非常に高い方法での追体験なので、飽きないどころか何から何まで新鮮、非常に多くの遊びを体験できるゲームとなっています。映画っぽさもあると思います。

この発想と、ボイスや文字の表現方法は他の追随を許さないレベルです。死者の物語なので追体験の最後は必ず死、というところが、物語に緊張感を持たせていました。

2~3時間で終わるゲームですが、本当に面白く、インディーゲームの虜になってしまうきっかけの作品でした。
任天堂のIndie Worldが結構いいとこどりでの紹介をしているので、雰囲気を知りたい方はぜひ。動画のほうが伝わります。ちょっとネタバレあるけど、さすがにこのゲームの魅力はネタバレしないと伝えられないと思うので仕方ないですね…。



GOROROA

「自分の中で一番心に残っているインディーゲームは何か」と聞かれたら、おそらくこのGOROGOAを挙げます。
非常に芸術的な「パズルゲーム」です。

ストーリーは特に言葉で説明されないんですが、主人公が5種類の玉を集めるのが目的であるというのは、イラストから見て取れます。
基本的には4つのパネルを入れ替えるだけのパズルゲームです。パネルにはズームイン・ズームアウト出来るものもあるので、厳密にはもっと絵柄は多くなるんですが、操作としてはそれだけです。ズームイン、ズームアウト、パネルの入れ替え。

特徴的なのは、パズルと言っても4つのパネルの絵柄を合わせてひとつの絵を完成させるのが目的ではないことです。パネル1枚ではただの絵だけど、隣の絵と合わせることで新たに道が開けてくる、というギミックが満載です。

ではなぜそのようなギミックがあるのかというと、このゲームの目的は主人公が玉を集めることなので、主人公を導かないといけないというところにあります。その方法がパズルであり、絵合わせなのです。主人公もパズルの絵柄の中のキャラクターなので、絵柄を合わせて新たな場面や道を作り、先に進む道筋を作っていくというゲームのシステムとなっています。

このあたりは動画を見てもらうしかないので、以下のツイートの動画をどうぞ…。とにかく画期的かつ美しい作品、テレビゲームは全然やらないという人にもお勧めできるゲームです。



Florence

↓でも書きましたが、短時間でありながら物語がしっかりしていて、ストレスが無く、仕事、人生、恋についての、穏やかな短編小説や漫画を読んだようなアドベンチャーゲームでした。雰囲気や音楽がとても良く、ゲームというほどのゲーム性は無いかもしれませんが、体験出来て良かったなと思える作品です。



Donut County

最初はなんとなく雰囲気的に塊魂のような印象を受けました。自分が「穴」になって、地上の色々なものを穴に落としていくパズルゲーム。
結構前にプレイしたからあまり覚えてないですが、ストーリーもあり目的をもって穴へと物を落とす動物たちの物語であった記憶があります。
先ほどのGOROGOAとはかなりデザインや雰囲気が異なる、もはや真逆と言ってもいいようなかわいいキャラクターのゲームです。



風ノ旅ビト

最近steamでも配信されましたが、PS3やPS4で販売されていたため名前を知っている人やプレイした人もいると思います。PS3版、PS4版についてはtrailerにAnnapurnaの名前が無いので、おそらくiOS版とsteam版の販売から関わったのかと推測します。

プレイヤーは自分のキャラクターを操作し、ただただ目的の場所へと進んでいくというゲームです。
「雰囲気ゲー」と言ってしまえば簡単なんですが、このゲームは他のプレイヤーと同じステージをプレイするという特徴があります。そして、他のプレイヤーと協力するかどうかはそのプレイヤーの自由です。

他のプレイヤーとのコミュニケーションは言葉や矢印は使えないあくまで単純な音と光を発するワンアクションのみ。しかし、言葉が無いからこそ感情がダイレクトに伝わり感動しました。
相手が何を考えているかは言葉ではわからないのですが、例えば先に進んでいたキャラクターが立ち止まり、振り返り、自分を待ってくれているとか。初見ではわかりにくいギミックを、なんとか教えようとしてくれたり。思いをそのまま理解することが出来るのです。

ビジュアルや音楽も素晴らしく、終盤は鳥肌が立つほど美しい。そして言語を介さない直接的な他者とのコミュニケーション。短時間でクリアできるゲームですが、その体験に対する衝撃は決して忘れられません。



SAYONARA WILD HEARTS

↓でも書きましたが、音ゲーのようであったりアクションであったりと、割と派手な演出のインディーゲーム。結構難しかった気がする。
一貫してビジュアルと音楽にステータス全振りで、そのデザインは他のゲームではなかなか見ない美しさ。綺麗さというよりは、コンセプトを突き詰めた完成形、というゲームでした。



IF FOUND…

上記の動画を見ていただければわかる通り、「消しゴムで消すことがゲームプレイ」となっているアドベンチャーゲームです。

内容としてはテキストを読むアドベンチャーゲームで、分岐もほぼ無いです。そのため、プレイヤーが消しゴムで画面を消すことのみが話を進める方法なんですが、それがまるで素晴らしい絵画を自ら消してしまっているような、そして新しい絵画を描いているような体験となり、プレイするASMRとでも言えるようなゲームでした。

感想はこちらにも書きました

何かを消すというのは、何かを無にするというわけではなく、隠されていたものを露にすること、そして消去という形で上塗りしていることであると悟ったときは視野が広がりました。

この体験はぜひ一度してみて欲しいです。



個人的に今後発売が楽しみなゲーム

Stray

「PS5 – THE FUTURE OF GAMING SHOW」で発表されたんですが、なんかめっちゃバズってましたね…。

猫とサイバーパンクはみんな大好き

どんなゲームかあまりわからないけど、雰囲気良さそうで楽しみです。



SOLAR ASH

Hyper Light Drifterのクリエイター達によって作られたゲームです。

色使いや雰囲気は本当にそっくり。ぱっと見風ノ旅ビトのような雰囲気でもありますが、ゲームプレイとしては高速で移動したり敵とバトルしたりという内容のよう。
カメラワークとキャラクターのデフォルメ(?)具合から、うっすらキングダムハーツを彷彿としました。



MAQUETTE

SUPERLIMINAL的な印象を受けました。と言っても、錯視ではなく再帰がテーマのゲームのようです。
家で、自分が家の模型を操作していると思ったら、そこで起きた事象がそのまま自分の家にも発生する。動画を見ただけでワクワクしました。早くプレイしたい。



12 minutes

国内で発売されるのかはわからないけど、見下ろし視点のアドベンチャーなのかと思います。ミニチュア感が出てるのがまた、純粋な行動に対してフォーカスしやすくて気になります。



終わり

全体的に、どこか尖ったゲームを中心に販売しているのがAnnapurna Interactiveだなあと思います。全てのゲームが日本語に翻訳されていないのでプレイ出来ていないゲームも多いのですが、いくつかプレイしただけでもとても肌に合う体験が出来ています。

短時間、30分から長くても3時間くらいでクリアできるので、忙しい社会人でもだれることなくプレイできます。そして、短いながらも夢中にさせられるので、私は心に残る映画を見終わったような感覚になりました。
本当に心を動かされた映画って、2時間程の作品でありながら何年も心に残り続けるものですよね? 私にとってはAnnapurna Interactiveのゲームがまさにそれでした。

まるでアートのようなゲームをどんどん発売してくれるアンナプルナ、これからも追いかけます。

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