食レポ|カプリチョーザのトマトとニンニクのスパゲティ
トマトとニンニク。その味が意識を突き上げる。眼前の時間を欲で満たす。みなとみらいは雨降り。ビニール傘に積もる雨粒は透明に輝く星々のようだ。
迷わずに注文した「トマトとニンニクのスパゲティ」。どろりとした赤い海に飛び込む。熱が舌に伝わる。トマトソースとペーストされたニンニクの融合。トマトの酸味。ニンニクの香ばしさ。唐辛子の辛味。味覚は最深部の甘みへと辿り着く。
熱の吸収に気をつけながら、一心不乱にアルデンテのスパゲティを口へと運ぶ。皿を白布で拭うように、残ったソースをスプーンにすくう。
初めて食べた高校時代の風景が頭をかすめる。カプリ。この先も四重奏で僕を満たし続けることは間違いない。
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