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大学の話

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大学に関することのあれやこれ
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#大学

悩み、つれづれ

今年もまた異動が発表になり、卒業生を送り出し、最後の入試が終わったら新入生を迎える準備をし、の年度末である。混沌と混乱。今回の異動で、現所属では人員の半数が入れ替わることになった。なんだかもう疲れたというのにも疲れた。4月からは人間関係も業務もすべてまた1からの構築になる。慣れた人が離れるのもつらい。一時的に脆弱な部分をカバーしなければならないのもつらい。連休の観光地の混雑するランチタイム、今日が

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可処分時間報酬問題

前の部署で頼りにしていた先生が9月末で辞めることになった。前々からなんとなくそんな気はしていたが、やはり、と思う。

このところ、若手の有望な先生が辞めて他大学に行くケースが多い。このところ、というか、私が大学で務め始めてからずっとそうであるし、聞けばその前からそうであるらしい。
原因は明らかで、若手の有望な先生に科目も学務も雑務も各種会議も集中するからであり、そのために疲弊し、その傍らで問題教員

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マジョリティ・マイノリティ

先日、あぁこれぞまさしくマジョリティの暴力だなぁという場面に遭遇した。
会議でとあるアンケートの設問内容を確認していたとき。なんだかなぁと思う内容であったので、私(マイノリティ側)から問題点を述べて変更案も示してみたのだが、相手(マジョリティ側)のうちのひとりは、「こっちは別にこれで困ってないんだけどねぇ」と、やれやれといった感じで、直すとも直さないともはっきりしなかった。
こちらがこれでは困ると

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餃子の話

私にはストレス解消用料理というのがいくつかある。
ストレスが溜まっていて、しかもある程度の体力と時間があるときは、餃子を作る。
豚ひき肉の小さいパックに、ニラと白菜を刻んで入れて、生姜とにんにくをすりおろし、塩コショウごま油片栗粉。刻んでいるあたりからストレス解消モードで、うぉりゃーと思いながら刻みまくり、餡を練るときも、こんにゃろーと思いながら思い切りかき混ぜる。気が済んだら按分して今度は黙々と

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年度始め

去年と今年で、緊急事態宣言に対する感覚にはだいぶ違いがある。去年のいま時期のnoteを読み返したら、この世の終わりのような気分が充満していたが、今はずっと落ち着いている。これが精神的な免疫ということなのか、慣れなのか。今回は全国の宣言ではないということもあるが、もうすでに昨年の議論である程度対応を決めておいているということも大きい。

宣言下のところでは遠隔の大学もあるが、勤め先では変わらず対面授

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つれづれ、つらつら、ふらふら。

4月から少し遠い事業所勤務が命ぜられ、いきなり転居を伴う異動というものを経験することとなった。
時々伏せていた話はこのことだ。
昨年度の年度末は同僚のNを見送ったものだが、まさか次の年に自分がそうなるとは思わなかった。

この超繁忙の年度末年度始めに、急遽強制転居タスクが降りかかり、ただの部署異動ですら引き継ぎがしんどいのに今年はさらにしんどさを増している。
これは気をつけないと5月に反動で燃え尽

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穴を塞ぐ

すっかり雪もとけて、まだ空気は冷たいものの日差しはあたたかい。このところ毎日白鳥の飛び立つ群れを見る。そして穴ボコが増えた道路を見て、ああ春なのだなと思う。

先日突然の出来事があって、いきなり大型タスクが降ってきたので、わたわたと手続きや必要な作業を進めている。これについては落ち着いたら書くこともあろうかと思う。理不尽といえば理不尽かもしれないが、ある意味で私には救いでもあった。いずれ、いい方向

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仲介

急にいろんなことが加速し始めて、いつの間にか年度末のジェットコースターの坂を上がりきっていることに気がつく。

毎日毎日いろいろなことが起こる。想定されることもあれば、想定外のこともある。守備範囲のこともあれば、たまたま居合わせただけのとばっちりのこともある。

最近は、何かの処理と誰かとの話し合いが3対7くらいの割合である。仕事が事務処理だけならそこまで大変ではないが、議論を要する何かや感情労働

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動点

年度始め、移動制限や緊急事態宣言が出て、あれはどうするんだ、これはどうするんだ、という戦いを経て、遠隔授業になり、前期の後半から対面に戻って約半年。もう前回の宣言への対応のときの議論や慎重さや対応がどうだったのかをあまり覚えていない。過去の資料や書いたnoteを見返して、そういえばそうだったな、と思う。すべてが遥か遠い昔のことのように思えてならない。

11月ごろから、今年度の終わりに向けての業務

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判子と紙

大学に勤め始めて最初に衝撃を受けたのは、判子文化だった。前職ではほとんど判子を使用することはなかったが、現職では判子をなくすと仕事にならない。
(※この判子文化の度合いは、かなり大学による。上に行政畑の人が多いと判子文化が強くなると思われる)
昨今の流れで手続きの書類に判子がいらなくなるのはよいと思うが、その先の業務から判子をなくすのは至難の業ではないかな、となんとなく思う。人の習慣や常識を変えよ

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謝礼の値付け

考えたって仕方がないことなのだが、謝金の精算というのはいつもなんだかなという気分になる。

大学では(だいたいどこもそうだと思うが)講師謝金の単価表というのがある。
どういう人にゲストで講義・講演を頼んだら時間単価(上限)いくら、という基準の表だ。
これは相手方の職業・職位に応じて区分けが決まる(※勤め先の大学では、の話)。
話の中身や、要求することの難易度によるのじゃない。お礼とは所属と肩書で決

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休むのは難しい

緊急事態宣言のころに発生した休講などで、今年は前期の期間が大幅にずれている。
通常ならお盆から学生は夏休みに入るが、勤め先の大学ではまだあとひと月ほどは授業期間だ。

しかし後期の開始は待ってくれないので(なぜなら卒業をずらせないため)、どうなるかというと、9月にやたらめったらいろんなことが詰め込まれることになった。
いやー大丈夫なのかな、となんだか他人事のような気分でいるが、9月はほんと、想像も

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Liberal Arts についての雑駁な思考

仕事柄、教養教育を扱っているものだから「教養」ってなんなのかをずっと考えていて。
別ラインで人生哲学として「詩」のことをずっと考えていて。

そうしているうちに、大学の自由七科がなぜ自由七科なのか、なぜ自由なのか、なぜあの七科なのか、ぽろっとわかったような気がした今日。
そういうことか、と思うけれど、うまく説明はできない。勘違いかもしれない。
ちょっとしばらくもぐもぐしたい。「これ」をしばらくどう

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脆弱性を守れるか

まったくなんともならないこと、簡単には行かないこと、というのはあるものだ。

たとえばハラスメント系の問題。
一般的な職場としてよくある対処方法としては、所属替えをして当事者たちを引き離すとか、仕事を外す、などだと思うが、大学だとその難易度が一気に上がる。
科目はその教員本人とその教員を含めた人員ありきで組まれているので、人を外してもその人を置く先がないし、外した穴を埋める人もいない。
代替教員で

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