イプノスの辺獄_

シトシト

松尾友雪
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シトシト

 四肢を重くして、
 筆はサラサラの心臓の表裏、
 色と嘘の仕草とうねりが白紙の上に、
 シトシトとエロスを降らせている。
   
 四季を遅くする小さな死よ、
 私の細い陰毛を擦り、
 白と白の隙間を埋める、糸と糸、
 ヒソヒソと予告は遅らされる。
  
 此の予感まみれのインクの為に、
 来世を忘れて詠っている、
 瞳も、飛翔に疲れて眠るだろう。
   
 私達が踏んで行く雪面には足跡が無く、
 思い出している未来の、
 詩の糸は記憶に塞がれている。

〈詩/朗読/作曲/松尾友雪〉
〈表紙/連詩〉
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HP https://tent-renshi.jimdo.com/)

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