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悪党の叙情詩

微塵の様な薄情が
訝しげに悪党を歌う。
百頭の豚、臆病な虎、水槽の中の膵臓、
下水道を馬が駆け抜けて行く。

僕はこんなにも悪党だ。
卑怯な花を冷凍保存。恥ずかしいほど脆弱で、
裏返して裏返したコインは安くなる。
見捨てておくれ、見捨てないでくれ
今、手首を切り落とす花握る。

〈稚拙な言葉で縛っておくれ〉

月は三日月僕を裂く。
細く、直ぐにでも崩れ落ち、脆く、限りなく未成熟な
寄生虫の様な魂が、繋がりたがって関わりを断つ。
見付けておくれ、見捨てて斧で
真っ二つにして踏んでくれ。

〈汝、見詰める写身に陽炎の如き情熱を抱き、
燃焼と共に冷される迷い子。
熱心に鏡を見るも跪き、
他者の瞳で身ぶる者なり〉

けれど、どうして詰められるのか?
突き付けられて、打ち上げられ、咎められるのか?
弱く薄汚くて、終わる狂いもない、
白桃を誰が突き刺すのだろう?

薄い点線を線が繋ぐ様に、白を黒が埋め尽くして行き、
やがてまっすぐな線が出来ると、僕を哀れんでいた天使が焼き尽くされる。
裏切りは至高の快楽だ。
狡猾な挑発が煽り巡る蒸発を焦がし、
ああ、虫唾が走る美しが満ちる。

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