見出し画像

津軽海峡と悲しい音楽

「津軽海峡〜ふ〜ゆ〜げぇ〜しきぃ〜」
が頭の中でループするように、私は津軽海峡にいた。

覚えにくい名前はもう忘れたあのフェリーに乗って。贅沢すぎるスイートルーム。さっきのホテルよりホテルっぽい。つまり船っぽくなかった。

船酔いはちゃんとしたけれど、ベッドがあるから優雅に寝ていた。寝てる時って何も考えることがないから幸せだよね。私は3大欲求の中で、睡眠欲が一番強い(と思っている)。

寝ている間に流れてくるあの曲は、なんとも言えず、、ふと心を悲しくさせてくる。あ、決してあの曲をディスっているのではない。青森に上陸してから脳内再生をやめられないくらいには好きだ。


**

帰りたいな。東京がいいな。

それが本心であることに気づいた私は、驚きを隠せなかった。と同時にショックだった。東京というものに安心感を覚えたのはなんだったのか。地元に居場所がなく、孤独を覚えたのは、一体。

眠れなかった夜と、寝静まった世間は私の最大の天敵である。眠れないと考えること、いつも決まって同じだ。同じことすぎて飽き飽きする自分と、それをやめようとしない脳が拮抗する。

何度憎んだか分からない。何度涙を流したか…。

期待している自分が強い分、絶望する自分がいる。

このまま海に飛び込んで、長い航海をしよう。そうすれば、きっと答えは見つかる。この広い海は私の味方だ。

津軽海峡は、静かで、優しい音がした。寄り添ってくれているような優しさ。また来たいかと問われると、具体的な数字を出すのは難しいけれど。


まだ耳に残るあの曲は、私の心に、悲しく突き刺さった。大丈夫だけれど、大丈夫じゃない。そんな日記でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?