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アフターコロナに備えたオススメ本④

今日は朝から六本木にある高級割烹の大将から、コロナで店を開けられず先が見えない電話相談で、人ごとながら希望に溢れるアイディア出しに燃えてしまったステキ宝石商のサウラです。

さてアフターコロナを生き抜くのに、これから個人はどういう知識をつければいいか?というテーマで、今日はオススメ4冊目。

この本はかなりヤバいやつです。
「俺がずっと言いたかったのはコレだよ!」の超衝撃。

きっと僕だけでなく、ずっーと日本人が抱えていた仕事の違和感がまさにこの本に書いてある。

◉山口周氏の『世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか?』

昨日の本の紹介では、「誰から買うか」の時代には、「お前が言うなよ」を払拭して、”内なる言葉”を熟成させて本気のメッセージをアウトプットすることが、いかにこれからのビジネスにとって大事か?という話でした。

そこで、今日はこの不確実な時代に、その”内なる言葉”を、一体何に照らし合わせて育てていけばよいのか?について大いに参考になる内容です。

というか必読。

<この本を読む3つのメリット>
①正解なき現代の意思決定をどうすべきかがわかる
②直感や感性の鍛え方がわかる
③やっぱり日本はスゴい国だとわかる

この本の冒頭に著者のメッセージがまとまっていて、そこだけでも一読の価値があるのですが、コロナ前までに今何が起きているかと言うと、

(1)ロジック思考の限界 
(2)自己実現的消費の需要 
(3)ルールがシステム変化に間に合わない


という状況になっている。つまり世の中がこれまでになく答えのない、先が読めない曖昧で不確実な時代になっていて

「もう先が読めないし理屈で対処するのは限界よね〜」
「モノはもういいから、心からやりたいコトが欲しいなぁ」
「国も会社も高齢者が仕切ってるし10年遅ぇーよ」

と、なっているよねと。

御意。そこで、著者の主張は、

リーダーはこれまでどおりの分析・論理・理性の一辺倒でなく、個人の[美意識]からくる、直感や感性にも軸足を置いてビジネスの舵取りをしていくべき

という鋭い指摘。さすが山口氏、ページをめくるたびにそのとおり!と激しく同意してしまう。

◉手段が目的化してしまった現代

そもそも企業や国家の正体は「人とコミュニケーションの集まり」で、感情という曖昧さは、数値に置き換えられないから、この行き詰まりは当たり前なんですよね。

にもかかわらず振り返れば、日本は戦後、欧米という幻想を追いかけけ、劣等感から経営や国家運営をサイエンスし、数値化することに躍起になってきた。

その結果、いつの間にか国も企業も数値化された目標や手段が、すっかり目的にすりかわっていることに気づかないまま、”人間らしさ”を失ってしまったのが、この数十年のデフレ不況の正体だと、誰もがどこかでわかっている。

まぁ、そういう僕も、実は宝石業をしながらコンサルタントなんていう輸入された不思議な商売に憧れて、人の会社の経営に首を突っ込ませてもらって、社長にロジックを語った経緯があるので、偉そうには言えないんですが・・。

でも、そんな経験もさせてもらったので今、ハッキリと言えることは、どんだけ第三者が理論や数字持ち込んでお尻を叩いても、社長の熱い哲学とか、サービスを超える思いやりといった、曖昧で人間的なものを超えることは決してできないということ。

インフレターゲットとか、企業の売上げとか、そんなカッコつけた目標の達成より、組織がもっとフォーカスすべき大事なことは、曖昧でしかも変化していく人(顧客)それぞれの"幸せ"をどう実現するか?という目的だっていうこと。

◉VUCAだからこそ日本にチャンスあり

アメリカの軍事用語らしいですが、コロナ前のアフターインターネット、この複雑化した現代を差して、Volatility(変動)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧)頭文字をとってVUCA(ぶーか)と最近では呼んでいるようです。

そこへきてコロナショックでますますこの先が見えない。そこで、僕がこの本でに出会ってますます確信したのは、このVUCA時代こそ日本人のチャンスだ!ということ。

なぜなら著者の言う直感や感性、美意識を大事にしてきたのが日本であり、全体を全体としたまま曖昧に捉え、先が見えない漠然とした中で判断を下すのが最も得意なのは日本人。

たとえば、それが一番よくわかるのは神道(Shinto)。
今で言う神社です。

どういうこと?っていう人に少し神道について説明します。

まず神社では何を祀っているかというと、Something great 、つまり神さまですよね。

では、神道は何を昔から口伝してきたかと言うと、宇宙自然、どこにでも存在し働きかける原理(エネルギー)への畏敬の念。

エネルギーっていうと怪しいでしょ?w 。でも事実日本文化の根底には、見えざる力、つまり神さま=自然(先祖含む)があって、今では量子力学でその見えざる力の解明が進んでますよね。

で、そんなのほかの宗教もそうだよ!ってい反論がきそうなのですが、違うんです。

どこが他宗教と違うかと言えば、(もちろん諸説ありますが)一番の違いは、

経典も創始者もなく、神さまに決まった形がない
・"教えることを宗とする"一方的なものではない
・古い時代に固定化されず現在もなお更新中

つまり、「これだ!」と誰かが言葉にした瞬間にもうズレててしまうものを表現しているというんでしょうか。神道は、そこにないんだけれどあるという世界を(他宗教もすべて含めて)、日本人的な曖昧で漠然とした哲学・科学を言うんだと思います。

と、私がこうして書いた瞬間にもう違うというw とってもVUCAなもの。

そして、日本人はよく「八百万の神(やおよろずのかみ)」って言うことばをよく使うんですが、それは要するに

この世の全てに神(エネルギー)が宿っているよね。モノにも人にも命(みこと)があって、そのたくさんの命に支えられて僕らは生かされているよね。

という意味で、とても独特なんです。

◉日本独自の意思決定に学べ

調べてみるとわかるんですが、日本では1万年以上も昔の古神道、縄文時代から、見えないけれど存在する、宇宙自然の漠然としたルールを、体で感じ取っていた。

科学のないご先祖さまは鹿の骨や亀の甲羅を火で炙って、割れ目で稲を植えるタイミングを測ったり、雨乞いをしたり、疫病を沈めたりと、今ではバカバカしく見える政(まつりごと)をまじめに連綿と続けてきたんです。(↓写真は佐賀県吉野ヶ里遺跡 建物最上階の巫女と、その下の階で神託を待つ王)

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今の天皇(全国神社の宮司のトップ)が、皇居で祀りを行い、総理を任命するのはその名残です。今風に会社的に言えばCMOとCOOと言ったところでしょうか。

つまり、理屈ではない感性の世界で意思決定するシステムを、縄文弥生から日本はずっと維持してきている
のです。

実は僕らはこのあたりの日本の精神性や宗教について、海外とちがって全然学校で学べないので、「日本ってそもそもどんな国なんだろう?」っていうことをそろそろ知りたいという人はかなり多いと思う。(とても重要なことなので、また別の機会に)

こう言った日本の「空気を読めよ」とか「気を使う」といった言葉にあるとおり、日本人はこのVUCAな世界での意思決定はもともと得意であって、サイエンス(論理)よりもアート(想像力)のほうが、よほどイキイキとしてくるお宝文化の上にできあがっているのです。

じゃないと、あんな翻訳コンニャクみたいなドラえもん発想は出てこないし、そもそもアニメ自体、その言葉の起源はラテン語で生命や魂を指すanimaで、モノに命を見出して「カワイイ」という独特の発想からきているんですから。

あとは日本人は自分で自分の国について、学び直して自信を取り戻すだけだろ!とつねづね僕は思う。

今なぜ世界的に芸術が見直され、日本では独自の美意識を持ったキンコン西野さんのようなアートな人物に注目があつまっているのか?

AIが進化して仕事のあり方がかわる不確実な時代に、自分なりの美意識をもつ人は、AIでコピーできないアートな部分を持っていて、やはりそういった互いの美意識の刺激の中で感動しながら、”内なる言葉”を熟成させて表現しているように思います。

◉まとめ

ということで、この本についてまとめると、コロナショックでますます先が見えない中、僕ら個人も含めて「すべての人はアーティストとして社会に関わることが、生き残る鍵なんだ」ということ。

そして日本文化を学び直してみれば、日本もこれから捨てたもんじゃないぞ!という希望がわいてくる超オススメの一冊です。ぜひ読んでみてください!

✨今日もキラリと光るものを見つけたい、サウラでした。


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