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37seconds #映画

『37seconds』という映画を観た。
きっかけはラジオ。いつも聴いているラジオ番組のゲストが大東駿介さんだった。そこで出演しているこの映画のことについて
「生半可な気持ちでこの作品に向き合えないと思った」と熱く熱く、真剣に語っていて、その熱がラジオ越しにもすごく伝わってきて。
ここまで役者さんを言わせる映画ってどんなんだろうと思って、久しぶりに映画館に行った。

●お化粧して新しい服をきて、どこかに出かけたくなる映画●

 観る前はわたしもすごく緊張していて、本編が始まるまで真っ暗な映画館で何回も無意味にお茶を飲みまくっていた。でも見終わってみると、背中を押してもらえるような映画で、終始泣きっぱなしだった。障害があるとかないとかに関わらず、個々で成長するうえでぶつかる壁というものがあって、ユマの場合はこういうかたちで1人のひととしての成長が描かれているんだなあと思った。その描き方のうまさは、監督の腕なんだろうなあ。

「妄想だけじゃリアルさにかける」

といった女性編集者の言葉をきっかけにユマが変わっていく、とも言えるのだけど、どんどん変わっていくユマをみて、わたしは久しぶりにお化粧をちょっと頑張って、お洒落して出かけてみたいなあという気持ちになった。

●舞さん●
ユマとデリヘル嬢の舞さんとの出会いは、女性編集者との出会いとはまた違う、大きなものとなる。(渡辺真紀子さんは『愛のむきだし』や『ほとりの朔子』『ヒミズ』など、自分の好きな映画にもよく出ているから、なんか映画に対する安心感がある)

「かわんないよ、健常者も障害者も」
「お酒は失敗しておぼえていくものよ」

とフラットにひとと接する本当にカッコいい女性で、ああ舞さんみたいなひとと現実に出会えたら、人生観とか考え方とかかわるのかなあと思った。偏見のあるお仕事に就いている舞さんは、世間からはよく思われていないのかもしれない。でもね、人のためになる、役に立つってなんなんだろうなあと思った。

●好きなセリフ●

「宇宙からみればわたしたちの人生なんて一瞬で、夏休みの課題みたいなものなのかなって」

自身も悩んでいたこともあって、なんかこの言葉を聞いてちょっとすっとした。そうか、宇宙からみればわたしの人生なんて一瞬なんだよなあって。
色々悩むけど、それでも生きていかないといけないけれど、もっと大切にしないといけないものがあるかもしれないなあなんて。

 もうひとつ好きなのが、後半結構意外なかたちで物語が進んでいって、最後にユマが出した答えともいえそうなセリフ。
本当はそれも書きたいのだけど、ネタバレにもつながりかねないのでこのあたりで。

このタイミングでこの映画に出会えてよかったなあと思った。


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