花を飾る、写真を撮る、家にこもる
我が家に犬が来てから。油断するとむしゃむしゃ食べようとするのが怖くて、あまり花を飾らなくなったのだけれど。(テーブルの上に置いていても、うっかりして椅子が少しでも出ているとこっそり跳び乗ってイタズラする…)この春はひさしぶりに花を買ってきたので、せっかくだからと写真を撮ってみた。
いつもの自室の窓際、デスクワゴンの上。そこに小ぶりの棚を置いて、さらに高さを出して。
まずはスタンダードな感じで、花が主役になるよう白壁を背景にパチリと撮ってみる。
うん、これはこれで好きだ。でも今日は何かちょっと違うことをしてみたい気分…ということで。先日、ユザワヤで買ったばかりの小道具を引っ張り出してきてみる。「ベビーフォトや物撮りで何かと使えるんじゃない?」と買ってきた、柔らかい色味で繊細なニュアンスの太めのレースだ。
ベビーフォトだと、こんな感じで雰囲気を出す為のちょっとしたアクセントに使っている。
このレース。似たような色がいくつもある中から、何度も何度も見比べて。これしかない、と選んだ1品でなかなか気に入っている。
それを、花自体には触れないように。そっと纏わせてみた。
レースの雰囲気に合わせて、敷物はファーに変えて。背景も白壁から、窓際にレースのカーテン風に垂らした柔らかな質感のジョーゼットに変更して。パチリ。
でも、なんか違う。もっと寄った方が好みかもしれない。
そうそう、こういうの。逆光で浮き出るレースの模様と、花との組合せによる幻想的な雰囲気が好みだ。
今は花とレースの主役感が5分5分だけど、もっとレースをメインにして撮ってみたい…と感じたので。さらに寄って、パチリ。
うんうん、好き。
寄るだけじゃなく、これは構図を変えても撮ってみたい。
という訳で、また一歩踏み込んでパチリ。
嫌いじゃないけど、何かが違う気がする。やっぱり、もう少し花の存在感は出した方が良いかもしれない。
じゃあ、もう少し絞って桜にもピントが合うようにして。下から煽って、逆光で花びらを透かしてみよう。と、また撮り直してみる。
仕事上、人間はあたたかく柔らかい雰囲気で撮ることが多いけれど…それ以外では、わりとアンダー寄りの写真も好きだ。
いやでも、さすがに暗すぎるだろうか…やり直し。
うん、これくらいが良いかもしれない。
この辺りで暗い写真には満足したので、もう少し明るい雰囲気で撮り直してみる。初めに似たような構図で撮ったものよりも、花の主役感が増すように…
椅子に上がって、メインの花がしっかり写るようにアングルを変えて。椅子に上がったついでに天井の照明の向きを変えて、花の前方上部から光が当たるように調整する。
こういう時の為に、自室のライトはスポットタイプのものを選んでいる。
それぞれのスポットも自由に角度調整できるし、真ん中の部分を回転させることも出来るので。撮影の時は、ちょっと便利だ。
ちょっと話が逸れてしまったけれど、写真に戻って。
花瓶も気に入っているので、下の方もパチリ。
これはClayのFujiというシリーズで。1輪差しでもよく映えて、この癖のないシンプルさが何にでも合って使いやすい。今回使用しているのは、Lサイズのもの。
Sサイズも持っているのだけれど、ちびこいのはそれはそれでかわいい。
花瓶に生けるのに落とした下の方の部分を突っ込むのにも、ちょうど良い大きさなのだ。
最後は少し装いを変えて撮ってみる。
こちらもユザワヤでGETしたレースの1つ。うん、あんまり趣味じゃないかもしれない。これはそんなに撮らなくてもいい。
じゃあ最初のレースに、これもユザワヤのコスプレコーナーからGETしてきたイミテーションチェーンを加えてみよう。
うん、やっぱり最初の方が好きだ。悪くはないんだけど…明るい中でこれは、なんかゴテゴテしすぎてる。
この辺りで疲れてきて、集中力もなくなってきたので撮影は終了した。
写真を撮ることの面白さの1つは、"選択の連続"という点にあるだろう。
何を撮るか、どこに置いて撮るか、何と組み合わせてどうセッティングするか、明るさはどれくらいか、どれくらい絞るか、色味はどうするか、光の方向は、アングルは、構図は…
その1つ1つの決定の積み重ねが、形を成したものが写真だ。自分が何を求めているのか、自分の"好き"はどのような輪郭をしているのか…それを目と心で探っていく。自身の"好き"を慎重に選び取っていく、そういう作業がたまらなく楽しい。
だからこそ、時間がかかる。
この時はたしかセッティングと撮影だけで、1時間半は使っているし。その後で撮影した写真をチェックして枚数を絞ってから取り込み、Lightroomで現像した時間も合わせると3~4時間程になるだろうか。それから仕上がった写真をSNSに載せたり、こんな風に記事にしようとすればさらに1~2時間はかけられる。
つまり写真はたっぷり時間を使って遊べる、引きこもって遊ぶには持ってこいなツールなのだ。
仕事がことごとくキャンセルとなった、この自粛期間にはぴったりの相棒ではなかろうか?そう、改めて感じている。
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広島で、大人から子供まで人物の出張撮影をしています。自然な情景を、その時間を…切り取って残したスナップ写真は、お客様だけでなく自分にとっても宝物。何かありましたら、ぜひどうぞ!
ユルリラム
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