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テーブルフォトと、心の奥底

仕事で人の写真ばかり撮っていたら、無性にテーブルフォト的なものが撮りたくなった。幸いなことに部屋は白壁、窓は磨りガラスなので自分好みの柔らかい光になり、ちょうど良い高さの棚もある。

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という訳で。「いつもと違うことがしたい!!」という心の叫びに従って、自室の窓際にミニスタジオを作ってみた。

被写体は、おやつの米粉ブラウニー。三越地下に入っているyou-ichiというスイーツショップのスペースが拡大して、色んな美味しそうなブラウニーが売っていたのだ。個人的には塩クルミが最高…じゃなくて、写真の話だった。

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普段の出張撮影では、場に合わせて撮ることが多い。天気も光も子供も、なかなか思い通りになるものではないからだ。

だけどテーブルフォトというのは、全く逆だ。自分が場を作り上げねば、何も撮れない。

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道具を選定し、配置を決め、ファインダーにおさまる小さな世界を作り上げる。アングルや被写界深度を試行錯誤しながら、しっくりくる絵面を探す。じっくりと自分に向き合う、そういう作業だ。

慌ただしい流れに飲み込まれてしまわないよう踏ん張りながら撮る、そんなイメージの出張撮影と比べると。テーブルフォトは、まるで自分の内側を覗き込んでいるようで。

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写真、という媒体自体は同じでも。ジャンルが違えば、見えてくるのはまったく違う世界だ。


そして、アクセサリーを作っていた時も感じていたのだが…"好きなもの"と"作れるもの"というのはどうやら違うらしい。身に着けたいものと、出来上がるものが乖離している。これは、写真でもどうやら同じことらしい。

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特にかわいらしいものが好き、という訳では無いはずなのに。自分で世界を作り上げると、何だか妙にかわいらしいテイストになっている。

風景を撮っている時は、そうでもないと思うのだけれど…

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実は意識に上がっていないだけで。無意識では、かわいらしいものが好きなんだろうか?似合わないから、と否定して。でも心のどこかでは、かわいい成分を欲してたりするんだろうか…?

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我が家の最高に愛らしい犬に限って言うなら、かわいいは正義だと言い切れるんだけども。それはもう、唐突な犬自慢を始めてしまうくらいにはかわいい。かわいい。(大事なことなので2回)

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1日に30回くらい「かわいい」を連発している自信はあるし。「うちの犬はなんてかわいいんじゃろうか…」と毎日、口にしている。

実は、それが自分の本当の気持ちで。かわいいものが大好きで。でも「自分にはかわいいものが似合わない」とか「かわいいもの好きなんてキャラじゃない」と思っているから、小っ恥ずかしくて。かわいいなんて、と突っ張って。好きじゃないカテゴリに突っ込んでるだけなん…?

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「ちょっと、いつもと違うことがしたい」と思っただけなのに。なんだか自分の心の奥底にある思わぬ側面を、意図せず垣間見てしまったような変な気分だ。



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広島で、大人から子供まで人物の出張撮影をしています。自然な情景を、その時間を…切り取って残したスナップ写真は、お客様だけでなく自分にとっても宝物。何かありましたら、ぜひどうぞ!

ユルリラム
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