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うちの子、進学先どうしよう?〜YURUMIスタッフ進学トーク〜

みなさんこんにちは!不登校を乗り越えた経験者が運営するNPO「家庭教師のYURUMI」 編集部です。

梅雨、明けましたね〜!
こういうよく晴れた日に、窓のすぐ近くにお布団を敷いて、カーテンを開けて、冷房をつけて……あったかい陽射しを浴びながら涼しい部屋でうたた寝するのが、私にとっての一番の贅沢です。おすすめですよ。


今回は、7/26(日)に開催されたオンライン懇親会イベント、「YURUMI懇親会〜うちの子の進学先どうしよう?〜」の様子と内容をご紹介します。

不登校からの進学経験があるYURUMIスタッフ二人が自分の経験を語り、その後オープンダイアローグ形式で懇親会を行いました。
参加してくださった皆様、ありがとうございました!

以下、スタッフの話と、当日のQ&Aの一部をご紹介します!

1.不登校からN高、そして大学へ〜佐藤胡桃さんの場合〜

 私は中学1年生の夏に不登校になりました。東京に引っ越してきたばかりだったり、部活が忙しかったりなど、ストレスが重なって……当時は本当に辛くて、その後の適応指導教室も週に1回行けたかどうか……という感じでした。そこの先生の勧めで、私みたいな不登校の生徒でも転入できる中学を探して転入し、休み休み通っていました。

 中高一貫校だったので、高校にはストレートで持ち上がったのですが……そこで校長が変わったことで、校風が厳しくなってしまったんです。それでまた辛くなってしまって。当時ちょうどN高等学校が話題になっていたこともあり、親にN高に行きたい!と主張しました。親とは一ヶ月くらい喧嘩したんですが、最終的に「ちゃんと勉強はすること」という条件でOKしてもらえました。

 実際通ってみて思ったのは、「学費が安い!」っていうことですね。親もそれでOKしてくれたのもあると思います。あとは自分のペースで勉強できるので、とても助かっています。

【Q&A】
Q.N高の場合、勉強や友達づくりはどうなるんですか?
 勉強に関しては、ネット通信制のコースだと動画を見ながら一人で進めていく形です。他、「サポートルーム」に入ると先生たちがサポートしてくれます。ただ、別料金がかかってしまいますので、そこは注意が必要ですね。

 友達に関しては、実はN高はネットで友達を作れるシステムがしっかりしています。Slacというアプリを使って、趣味が合う人同士などでやり取りができます。また、そういう友達とリアルで会える機会も豊富なんです。例えば、ワークショップを都内でやったりなどの企画がありますね。哲学についてのワークショップをやったり、代々木公園で遊んだり、など……N高では大学生がインターンとして働いているのですが、彼らがそういったイベントを開催してくれていて。イベントをすごく練ってくれので、中身もとても面白いです。

 また、N高は不登校経験がある子とかが多いので、弱みを見せてもいいかな、って思って、安心できる人間関係を築きやすいです。スタッフも、少人数でいい空気感を作ってくれることが多いですね。過去の経験を話して、弱みを見せ合える友達ができたので、それがすごくよかったです。

Q.大学はどうやって選びましたか?
 大学は津田塾大学で、学部は総合政策学部です。社会問題について学んでいきましょうみたいな場所ですね。
 不登校になったとき、社会でマイノリティになってしまった、と感じました。今まで普通に学校に行っていたのに、普通がなくなったんですね。そして、高校で通信制に転校すると、そういう経験をした生徒が周りにもたくさんいたんです。社会ってこんなに困ってる人がいるんだ……と感じました。そういう、生きづらさを抱える人たちが社会参加しやすいように…と思って、総合政策学部を選んだ。

 津田塾大学を選んだのは、2科目受験と、あと一時間以内に通えるというところです。朝が辛いので、遠い場所だと嫌だなあと。
 学部は真剣に選びました。私はADHDとASDの傾向があり、興味のないことについて勉強するのがすごくつらいんです。適当に学部選んだら卒業できないと思ったので、色んな人と話しながら決めました。4年間通って卒業できるかというところをすごく考えましたね。


胡桃さんについては、こちらでもより詳しくお読みいただけます!→https://note.com/yurumi_official/n/n86777037a588

YURUMIで働くときの思いや、不登校から抜け出したきっかけなど……さまざまなことを語ってくださったので、是非ご覧くださいね!


2.高3で不登校、そこから東大へ。支援を受けながら在籍〜山口莉絵さんの場合〜

 私は中学からずっと不登校の傾向自体はあったんですが、はっきりと不登校になったのは高2の冬から高3にかけてのときでした。部活、委員会、クラス、親……と、いろんなことが重なり、体調を大きく崩してしまったんですね。たとえば、めまいで一ヶ月くらい立ち上がれなかったりとか……。とりあえず留年にならない程度の出席日数をなんとか稼ぎつつ、先生たちに助けてもらいつつ、受験勉強をしたって感じです。

 体調が悪く、受験勉強には時間が割けなかったので、とりあえずなんとか大学進学ができるように工夫を重ねました。東大を選んだ理由も、実は結構消去法で……そう言うとよく「嫌味か!?」って言われるんですけど(笑)、真面目にそうなんです。
 まず、文転しよう、と思いました。理系を勉強するのって結構演習量が必要なので、当時の私にとっては本当に難しくて。でも文系は割と参考書を理解すれば乗り切れることも多いので、文系のほうがまだ進学できる可能性が高そうだなと。しかし、当時は数学科に行きたかったので、東大みたいにあとで学部を選べる大学は魅力的でした。

 また、文系受験でも東大は他の大学に比べてちょっと特殊で。例えば一橋とか早稲田とか、そういう大学は基本的に知識がないと解けない問題がとにかく多いんですよね。それに対して、東大は理屈さえわかっていれば……例えば災害で飢饉が起きて暴動が起きてそれで政治が変わったとか、そういう流れさえわかっていれば点をくれたりするんです。それが結構私の勉強スタイルに合っていた。
 入試は大学が「取りたい生徒」を取るための手段ですから、入試のスタイルと自分が噛み合っていれば、きっと大学の学風ともマッチするだろう……と思い、東大を受験しました。

 東大入学後は、無理がたたって体調を崩したので、2年ほど休学しています。余談ですが東大だと休学時の学費がただになるのも自分にとっては大きかったですね。他の大学だと学費の半分くらい持っていかれるところもあるので。そして復学してからは、大学に色んな部分で支援をしてもらいながら通っています。

【Q&A】
Q.東大ではどんな支援が受けられるんですか?
 これ、実は全然調べず入っちゃったんですけど、東大はすごく精神系の支援が手厚いです。
 一つは保健センターっていう学内の病院みたいなところがあって、そこで精神科の診察とカウンセリングが基本無料で受けられます。彼らは学内の事情に詳しいので、話もしやすいですし、いろいろサポートしてくれてとても助かります。
 もう一つがバリアフリー支援室というところで、大学の教授に障害などへの配慮をお願いするときに、間を取り持ってくれたりします。例えば、今回はコロナの影響でオンライン試験になってしまったのですが、カンニング防止のために試験中ビデオをつけなきゃいけなくて。私はADHDなので多動がひどく、配慮をいただけないかと相談したところ、レポートに変えてくれたり、試験自体はビデオなしでその後カンニングチェックの口頭試問をする形に切り替えてくれたりと、融通を効かせてくれました。

 こういった細かい配慮については公式サイトには載っていないことが多いので、「大学名+うつ+配慮」とかで検索すると良いです!とりわけ東大生はブログ書いている人も多いので、割と情報は転がっている気がします。


莉絵さんに関しても、近日中にインタビューを実施する予定です。講師ではない形でYURUMIに関わる莉絵さんの思いをお届けします。お楽しみに!


イベントでは、他にも皆さんの質問にお答えしたり、オープンダイアローグを使いながら参加者の皆さんとスタッフで懇親会をしました。

「オープンダイアローグって何だろう?」という方、こちら(https://note.com/yurumi_official/n/n92bc922d602b)でオープンダイアローグについての紹介を行っております。無料体験や相談もいつでも受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください!
また、YURUMIでも、こういった懇親会などのイベントは引き続き開催していく予定です。是非ご参加くださいね!


それでは、次回の記事もお楽しみに!


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