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瀬戸内海の島々のルーツは同じ?:北部平坦~中山間地域【都道府県シリーズvol.11愛媛県part1】

愛媛県は地形的な特徴から11か所に区分できました(※詳細はコチラ)。あくまで私個人な見解ですが(;^_^A
今回は愛媛県北部の平坦~中山間地域の地質についてお話ししていきたいと思います。
下図の④になります。瀬戸内海の島々も含まれます。

愛媛_地形区分番号

スーパー地形(カシミール3D)より抜粋した画像をもとに筆者作成。
なおカシミール3Dは元データとして国土地理院の「電子国土」を使っているそうです(出典:国土地理院ウェブサイト
※トップ画像や以下の地形・地図画像すべて引用もとは同じです。

どんな地形?

さっそく行ってみましょうか!

画像2

ポッコリと北に突き出ているのが高縄半島です。この中央部には丸いカタチの山地がありまして、その北の標高の低い場所。そして半島の左右に連なる島々が今回の対象地域です。

画像3

アップにしました!
対象地域の全てが入るギリギリの縮尺です。
高縄半島の北東の島々は互いに距離が近いですよね。
上島町(かみじまちょう)という1つの自治体になっているのも頷けます。

と、思いきや・・
どの島がどの自治体に属するのか?きちんと知ろうと思ったら、物凄い大変でした・・・。これについては、別記事にしてみようかと思います。


地質は?

またしても地質図アルアルです(笑)
見てくださいよ、これ!

地質図範囲
産業総合研究所ホームページより抜粋

20万分の1地質図で、「広島」「岡山及丸亀」「松山」に別れてしまいました(;'∀')

画像5

ってことで、まずはスーパー地形アプリでシームレス地質図V2を表示し、対象地域全体をお見せします。凡例さえ非表示にできれば、凄いイイのになぁ(独り言です、笑)。

高縄半島には濃いピンク色。これは恐竜が生きていた最後の時代、中生代白亜紀花崗岩類です。
瀬戸内海の島々では濃いピンクは少なく、薄いピンクと深緑色(灰緑?)が目立ちますね。
薄いピンクは、同じく白亜紀花崗岩
深緑色は白亜紀の1つ前の時代、ジュラ紀の混在岩・・つまりメランジュです(※メランジュについてはコチラ)。

地質図20_広島01
20万分の1地質図幅「広島」(地質調査所より)の一部を抜粋

やはり上のシームレス地質図よりも20万分の1地質図のほうが地質が細かく区分されていますね。
概要は上記説明の通りで、花崗岩系の岩石を成分の違いなどで詳しく分けているようです。ここでは雰囲気だけ掴んでいただければと思います。

地質図20_松山01
20万分の1地質図幅「松山」(産業総合研究所より)の一部を抜粋

今回の対象地域は図の北西の島々です。(※東半分は松山市)
ピンク色、濃いピンク色は、やはり花崗岩類です。
その他では新生代新第三紀中新世中期(約1500万年前あたり)の安山岩や玄武岩などの火山岩があります。しかし、この縮尺では見えないくらいの点状で各地に散らばって分布しています。

地質図20_岡山及丸亀
20万分の1地質図幅「岡山及丸亀」(産業総合研究所より)の一部を抜粋

こちらも概要はシームレス地質図と同じで、花崗岩類が細かく区分されています。ピンクやオレンジが花崗岩類で、灰色がジュラ紀付加体(≒メランジュ)です。


ということで、高縄半島の先端部と瀬戸内海の島々は中生代白亜紀の花崗岩類がメインという共通点があります!
もしかしたら成り立ちは同じで、地質的には地続きなのかも?

お読みいただき、ありがとうございました。


この地域の記事はコチラ👇


参考文献

山田直利・東元定雄・水野清秀・広島俊男・須田芳朗(1986)20万分の1地質図幅「広島」、地質調査所.

宮崎一博・脇田浩二・宮下由香里・水野清秀・高橋雅紀・野田 篤・利光誠一・角井朝昭・大野哲二・名和一成・宮川歩夢(2016)20万分の1地質図幅「松山」、産業総合研究所.

松浦浩久・栗本史雄・吉田史郎・斎藤文紀・牧本 博・利光誠一・巖谷敏光・駒澤正夫・広島俊男(2002)20万分の1地質図幅「岡山及丸亀」、産業総合研究所.

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