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夕方のニュースを見ていてちょっと危機感を覚えた

書きかたをまちがえるとおっさんのグチみたいになってしまうので慎重に書こうとおもう。最初に言っておきたいのは、くだらないものが悪いといいたいのではないということ。ダチョウ倶楽部さんのおでんギャグはくだらないけどすばらしい。一方で昨日、夕方のニュース番組を見ていてあまりのくだらなさに危機感を覚えた。このくだらなさはダチョウさんのくだらなさとはちがう。

昨日は薬局に用があり、待合室のテレビで民放の夕方のニュースを見た。ふだん夕方のニュースというのはまず見ないんだけど午後5時くらいかな。覚えている範囲で内容は以下のとおりだ。

・お客さんの体を触った容疑で美容師を逮捕
・対向車線になんどもはみ出す車をドラレコで追跡
・浜辺で動けなくなっている70kgのマグロを拾って帰った人がいる
・軽トラと箱バンがぶつかって、軽トラの運転手さんが亡くなった
・政府の特別給付金をだまし取っていた男が逮捕された
・貯金が600万円あるのに生活保護を不正受給していた男が逮捕された

ちかん、迷惑運転、マグロ、交通事故、不正受給、サギである。そのあと芸能ニュースもやっていた。

もちろん新聞にも経済紙もあればスポーツ紙もあるように、テレビにだって経済ニュースもあれば社会ニュースもあり、時間帯ですみ分けているのだろう。夕方は痴漢やサギを報道し、9時台には政治経済や国際問題を報道するのかもしれない。

ただし、ニュースというのはみているうちにいろいろ問題意識が起こってくるのがふつうだ。政府がけしからんとか、社会保障制度が心配だとか、感染対策がどうのこうのとか、自分のアタマで考えるきっかけにはなる。

しかしぼくが見た夕方のニュースは、(作っている人には悪いが)見ている人をマヒさせる作りなのである。なるべく思考を停止させようとしている。見ていて腹も立たないし、スキも嫌いもなく、楽しくもツラくもない。意味もなくネットサーフィンをしてしまったあとのような虚脱感が残る。

ぼくも意識の高いにんげんではないが、これを見るくらいならマンガを読むかゲームをするほうがいい。マンガを読むにしてもなんでもいいということはない。やくざアクションにするかラブコメにするか、まず自分で選ばなければならないし、読んだものに対してはよかったとか、金返せとか、時間のムダだったとか思うわけである。

しかし、夕方のゴシップニュースにはそういう感情の動きを失わせる力があった。サギも痴漢も交通事故もただ流れてくるだけで、なんとなくスイッチを切る気力を萎えさせる。つくるほうは大変なのかもしれないが、みているほうはマヒして受け身になっていく。これから世の中はどんどん高齢化していくわけで、ああいったものを惰性で見る人が増えていかなければいいなあと思う。

まだ健康ものとか料理とか、自分でやってみようと思うものの方がはるかにいいとおもうけど、そういうのは作るのも手間がかかるのだろうな。

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