北鎌倉女子学園

北鎌倉女子学園中学校の魅力(私立中学校 file.23)|#中受ラジオの学校紹介


中学受験学習相談ラジオ(#中受ラジオ)は、中学受験生を持つご家庭のお悩みにお応えするネットラジオです。#中受ラジオ vol.24 「私立中学校のご紹介 先生からの1分間メッセージ」では、北鎌倉女子学園中学校(神奈川県鎌倉市)をご紹介しました。

(#中受ラジオ vol.24はこちらからお聴きいただけます)

このインタビューは、北鎌倉女子学園中学校さんの1分間メッセージをもとに、お聞きしたお話を「編集後記」としてまとめたものです。ラジオ番組内ではお伝えしきれなかった北鎌倉女子学園中学校さんの魅力を皆さまに感じていただければと思います。

川島先生2

1分間メッセージをお話くださった広報部長の川島先生

建学の精神を現代に活かす「ジエシカ」改革を推進


―― 2019年には制服を変更し、Apple Distinguished Schoolの認定校に選ばれました。校舎も改修中(2019年12月末現在)で、まさに矢継ぎ早に改革を行っておられるとの印象です。キタカマ(=北鎌倉女子学園)は、改革に熱心な学校なのでしょうか?

従来の本校はむしろその真逆だったかもしれません(笑)。本校には、よく言えば「時代に流されない」悪く言えば「変わらないことをよしとする」ところがあったのですが、いったんこうと決めたらそれをやり抜くのも私たちの特徴です。改革へと舵を切った以上、今は学校として、そして教員すべてが一丸とな徹底してこれをやり抜く覚悟で取り組んでいます。

―― そうだったのですね…!今回、変革に取り組んだきっかけは何だったのでしょうか。

今年(2020年)、本校は創立80周年を迎えます。これに先立ち、私たちは、これからの社会――グローバル化・情報化がますます進展する社会の中で活躍していくために、本校の生徒たちにはどのような教育が必要なのかを真剣に議論しました。その中で改めて本校の建学の精神「健康で科学的な思考力を持った心豊かな女性の育成」を強く意識しました。

――「健康で科学的な思考力を持った」は珍しい表現だと思います。この言葉にはどのような背景があるのですか?

本校の創設者である額田豊氏は、医学博士で、帝国女子医学専門学校(東邦大学の前身)の共同創立者でもあります。留学先のドイツで、自立して生き生きと活躍する女性の姿に感銘を受け、帰国後に女子教育の場として本校を設立しました。

―― なるほど、自立して活躍する女性を育てたいとの創立者の思いが、新たな教育目標「のびやかな自立した女性」にも込められているのですね。

はい。その実現のため、私たちの教育は、受動的なものではなくより主体的な学びを生徒たちに促すものへと変わっていかなければなりませんし、国際社会の中で コミュニケーションを取るための英語教育も、テクノロジーを理解し使用する力も求められます。これらの考え方を踏まえ、私たちは今、「ジエシカ改革」を進めているのです。

ジエシカ

出典:本校ホームページ


能動的な学びでターゲットコンピテンシーを伸ばす


―― 「ジエシカ」の「ジ」についてまずお聞かせください。キタカマの学びはどのように変わってきたのでしょうか?

「のびやかな自立した女性」へと成長するためには、実社会で自分らしく、よりよく生きていくための性質や能力――これを私たちは「コンピテンシー」と呼びます――を身につける必要があると私たちは考えました。

具体的には、授業や学校活動の中で刺激しやすい「創造性」「批判的論理的思考力」「コミュニケーション能力」の3つを「ターゲットコンピテンシー」に定め、これらによって強化されるコンピテンシー(コアコンピテンシー:主体性、問題解決能力、協調性)とともに、 授業、行事、部活動など様々な場面で意識できるようにしています。

コンピテンシー

出典:本校資料


―― 受験だけを目標にするのではなく、実社会の中で自分らしく、よりよく生きていくことを目標に定めているのですね。

私たち教員も、従来はともすれば大学進学に目が行ってしまうところがありました。ですが、結局は生徒たちが社会に出てからのほうが大切であり、そのためには私たちも大学の先を見据えていかなければいけないよね、というふうに教員の認識を揃えまして、今はこれらのコンピテンシーに注目した教育を行っています。その実現のために、校長をはじめ専任教員は全員がApple Teacherの資格を取得し、日々ICTスキルや授業の研究を行っています

―― 大学入試改革の3要素(知識・技能/思考力・判断力・表現力/主体性・多様性・協働性)を鑑みれば、これらのコンピテンシーを高める教育は新しい大学入試にも十分対応できそうです。実際の授業はどのような形で進むのでしょうか?

教員1人が40名の生徒に説明するいわゆるチョーク&トーク(=講義形式の授業)の時間は大幅に減り、グループ学習やディスカッション、発表、アダプティブラーニングなどへとどんどん置き換わっています。私たち教員が教えるのではなく、たとえば生徒に「この範囲についてスライドを作り、あなたがたがクラスに授業をするつもりでプレゼンテーションをしてください」という課題を出す授業もあります。

―― それは楽しそうですね!生徒さんはこうした新しい学び方に適応しておられますか?

回を重ねるごとに熟達しています。教科書の説明をただスライドに書き写しただけではつまらないし、聞き手の頭に入っていかない。どうやったらクラスメイトに伝わるだろう?と考えて思い思いに工夫をしたり、グループの中で感想を述べあったり、学びあったりしてきたことで、今では私たち教員よりもずっとわかりやすい、視覚に訴えるプレゼンテーションを作ることができる生徒も増えてきました。

―― スライドを作るためにはまず自分自身が理解をしなければなりませんし、それをクラスメイトにわかりやすく説明をしようと工夫する中で、さらに理解が深まりますね。

実を言えば私、最初の頃はこういったPBL型の授業は時間ばかりかかって効率が悪いのではと思っていた部分もあったのです。でも、実際に生徒の学びが深まり、意欲や能力が向上している様子を目の当たりにすると考えが変わりますね。生徒の学習定着率は、聞くだけの授業での定着率を1とすると、自分で人に説明できるぐらいまで学びを深めた時にはおよそ80まで上がるというデータがあるのですが、生徒たちの様子をみていると本当にそうかもしれないなと思います

ICTその1

出典:本校ホームページ


―― 新しい形の授業では、コンピテンシーのうち「創造性/主体性」と「批判的論理的思考力/問題解決能力」が主に鍛えられそうですね。

実は、コミュニケーション能力と協調性もかなり磨かれるんですよ。グループで成果を上げていくためには、こんな情報があるよと共有したり、メンバーの様子を見て、つまづいている人がいれば手伝ったりすることが必要になりますので。

学びのスタイル変革が校風に新たな一面を加えた


テクノロジーは、生徒たちの学びのスタイルを大きく変えました。スライドや動画を簡単に作成できる1人1台のiPad、必要な情報をすぐに調べることができる全館Wi-Fi、プレゼンテーションを容易にするApple TVといったICT環境があることで、プレゼンテーションやレポートなどの成果物も、話し合い・考察・協働にかける時間も格段に増えました。「もっとこうしたら面白いんじゃないかな?」と工夫することが習慣になりつつあるのも素晴らしいと思います。

ICTその2

出典:本校ホームページ


―― ICT環境(=ジエシカの「シ」)がもたらした大きな効果ですね。ところで、学びのスタイルが変革したことで、たとえば、これまでおとなしいと思っていた生徒さんの別な面を発見したり…といったことはありましたか?

はい。意外な生徒が抜群に面白いプレゼンテーションを作ったり、グループワークをまとめるのがうまかったり。従来の授業形式では気づかなかった生徒の良さに気づかされる場面は多くあります。

―― 生徒さん自身も自分の新たな可能性に気づくことがありそうですね。

そうですね。動画やプレゼンテーションを作ることが好きになった生徒は多いですし、発表の機会も増えたことで、人に伝えることへの興味が高まった生徒もいます。

高校の説明会は今、学校紹介の部分はすべて生徒たちが担っています。受験生の保護者さんにお見せする動画を作ったり、保護者さんと話したり。説明会当日のディスカッションはパネラーもすべて生徒たちが担当しています。これらを担当してくれた生徒の中から「生徒広報部」を立ち上げたいという声もあがってきました。こんなふうに、あれをやりたい、こんなこともやってみたいと言ってくる生徒が増えたのも最近の大きな変化だと思います。

―― 生徒さんたちのそうしたのびやかな一面が、新たな学びの中で引き出されたのですね。

そう思います。高雅な品性や礼儀作法を重視する従来のキタカマらしさは残しつつ、そこにのびやかさが加わってきたと感じています。



中学の普通コースは「先進コース」へ


―― ジエシカの「エ」(英語教育の抜本的強化)と「カ」(鎌倉に密着した体験学習)、双方を満たす活動として、生徒さんたちが観光ガイドボランティア(English Guide)をしておられると聞きました。

ジエシカ改革の一環として、本校の英語授業は今、英会話以外もすべてネイティブ教員、もしくは日本人教員とネイティブ教員のチームティーチングで行っておりますし、日本語禁止のイングリッシュルームにネイティブ教員が常駐するなど、生徒たちが英語に触れる機会は格段に増えています。

校内で培った英語力をさらに伸ばしていくため、観光ガイドボランティア(English Guide)活動を進めています。幸いにも本校は、すぐ近くに円覚寺などのお寺が多く、鶴岡八幡宮も徒歩圏内にありますので、国際交流の機会には事欠きません。お寺や神社の由来など、必要な知識をしっかり学んだら、いざ実践。生徒たちも積極的に参加し、学校公式インスタグラムを使って情報発信もしています。最近では評判が評判を呼び、English Guideをしたいからキタカマがいい、と選んでくれる受験生さんも出てきました。

―― English Guide以外にも北鎌倉での活動をされていますか?

はい。本校では中1~高2の5年間、トータル315時間をかけて探究学習「北鎌倉女子学園探究プロジェクト」を行います。地元の方々と協力してイベントに参加したり、地元の企業を訪ねたり、町へ出てインタビューや調査をしたり。ただの調べ学習ではなく、地域に密着したフィールド学習の中で学びを深めています。

スクリーンショット 2020-01-14 08.20.34

出典:本校ホームページ


―― キタカマが今、さまざまなな面で大きく変わりつつあることがよくわかりました。

本校は2020年4月から、中学は「普通コース」の名称を「先進コース」へと変更します。先進コースではその名の通り、ICTを活用した能動的な学びや探究学習に加え、プログラミングやものづくりを学ぶ「先進的な学びの時間」も設けていきます。

―― 1分間メッセージで「先進女子」とおっしゃったのはこれが理由だったのですね。キタカマに「普通」はなくなる、と。

「先進」がキタカマの「普通」になっていくことを目指します。

―― 楽しみです。では最後に、受験生の皆さんへのメッセージをお願いいたします。

ICTを使った先進的な学びをしたい。実社会で自分らしくよりよく生きていくための性質や能力(コンピテンシー)を高めたい。キタカマなら何かができそう!そんなふうに感じたお子さんに、ぜひいらしていただきたいと思います。受験生の保護者様には、従来のキタカマの良さである品性や礼儀作法にのびやかさが加わった魅力的な女子が育つ環境であることをぜひお伝えしたいですね。

―― 本日はありがとうございました!


追記:
取材後、校内を見学させていただきました。一部はまだ工事中でしたが、改装が終わった箇所は白くて広々とした空間で、とても明るく居心地がよさそうでした。

教室

教室

音楽教室

音楽教室

本校の特色のひとつは、中学から音楽コースがあることです。外部でレッスンを受けようとすれば莫大な費用がかかる音大進学向けのレッスンも、すべて授業の中で受けることができ、先生方への質問も気軽にできる環境は、音楽の道に進みたい生徒さんにはとても魅力的だと感じました。音楽コースの生徒さんは、希望者は100%音楽大学に進学しているそうです。

ジエシカ改革の一環として、レッスン室もすべてリニューアル。全室にピアノがある完全防音の部屋がいくつもありますが、試験前は朝は7時から、夕方は18時の下校時刻まで生徒さんが競うように部屋を訪れ、熱心に練習をしているそうです。

レッスン室2

音楽コースのレッスン室

レッスン室

追記2:
キタカマ女子のお昼の楽しみはセブンティーンアイス。
アイスクリームの自販機は冬でも大人気だそうです。

アイス


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私たち学習相談ギルド・ゆるふわは、中学受験指導を中心として活動している現役プロ家庭教師3名と、2019年中学受験サポート終了親の中受ママサポ(チワワ)が立ち上げたチームです。メンバーそれぞれが培ってきた経験と個性を活かして協働し、お子さんの学習に関するお悩みにお答えしています。