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天秤座のあなたへ〜知恵の女神

天秤座と牡牛座は共に金星をルーラーに持っています。両者の最大の違いは「知性」です。12星座の中で最も総括的知性に恵まれているサインは天秤座だと思われます。天秤座的知性は知識ではなくて「本物の智慧・生きた叡智」です。人は誰しも自分から見た世界を全てだと認識してしまう「認知の癖」を持っており、それによりあらゆる不和・対立を生み出しています。



しかし、それを超えて「相手から見た視点とバランス感覚」に裏打ちされた調和的知性を宿しているのが天秤座というサインです。天秤座の本質はエレガントな知性であり、まさに「マチュアーな品性」だと思うのです。それ無くしては、この物質世界に「本当の平和や調和」は決して生まれてこないでしょう。



金星にも多面的な性質があり、知性と品格を伴う美しさ、知性から生まれてくる調和と美が天秤座的金星です。いわば、花瓶に花を生けて、空間と調和させるという知性を絡めた美しさが天秤座的とすれば、太陽の光を受けて輝き、風にそよぎ、時に雨にも打たれる。そんなありのまま野に咲く花の美しさが牡牛座的なものです。人間の豊かな感性や知性を挟まず、地球の豊かさそのものから生まれ出るハーモニーや生命の持つありのままの美しさが牡牛座的金星の示すところだと思います。



天秤座の神話の主人公は正義の女神・アストライアです。彼女は手に持った秤で昼と夜を等しく分けていたそうです。昼と夜は光と闇であり、善と悪を象徴しています。正義とはどちらが正しいかを裁いたり、どちらかの正しさを証明することではなく、違いを認めることであり、お互いの差異を認め合う一段高い視点を指していると思います。



アストライアに守護された天秤座というサインは、だからこそ、知恵と知性を司ります。知恵とは調和を生み出し、調和が美を生み出します。天秤座が人気のある星座であるのも頷けますね。そもそも、この世界は天秤座が司どるバランスと調和の原理で成り立っています。



基本的にエネルギーは高いところから低いところへと流れていきます。弱いところを補い全体としてバランス化させるために、そのような原理が働いているのです。たとえば、気圧が一定の状態に保たれるように働いているのが風ですね。調和とバランスを保つために、風は絶え間なく几帳面に動き続けます。



常に均衡を保とうとする力が働くーーそれは自然界だけではなく、私たちの性質や視点に対してもそうです。食べすぎると胃腸を壊します。食べられない状態を作り出して元に戻そうとするからです。ウイルスが侵入してくると熱が出ます。身体がウイルスと十分対峙できる状態に持っていくためです。自分の我を押し出しすぎると人や外界とぶつかります。凸凹を知りニュートラルな状態に至るためです。



全ての力が拮抗する(バランスする)ポイントがゼロポイントであり、全てを生み出す最大のエネルギーポイントです。そのような感覚と感性を本能的に知っている「お利口さんなサイン」が天秤座です。太陽やアセンダントなどが天秤座であれば、そのような性質(本質的知性とバランス感覚)を磨いていくことが運命付けられているわけです。



でも、本当にゼロポイントに至ると全ては形を持たなくなります。意識が完全にニュートラルになると、肉体を持ってこの世に存在すること自体ができなくなると思います。(物理的に考えると、です)だからこそ、天秤座は難しいサインでもあります。



自分らしさを出しつつも、自分の意思や価値観を大切にしつつも、常に調和を図っていくことの難しさ・・・全体のために自己をなくすのは違いますね。自己を明確に保ったままで、尚且つ世界に調和とバランスを生み出し続けるための知性。それを磨き続けながら、和合のエネルギーを表現していくという高度なテーマが天秤座の本質的使命と言えるのかもしれませんね。



天秤座の方が持つエレガントな知性。それが世界に与える喜びや智慧、そして美しさは、とてもとても素晴らしいものです!1ハウスと7ハウス、牡羊座と天秤座のバランスはこの物質世界を生きていく上で、知性を持った生物として生きていく上で、最も重要な軸だと思います。



天秤座の皆さん、その美しく賢いエネルギーで世界に調和と深い叡智を広めてくださいね!


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