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成人した私に送られてきた母からのメッセージ

成人式の日。

私は、着物やスーツを着てキラキラしていた同級生とは違って、お昼まで寝て家の中でゴロゴロしていました。


成人式に参加する理由も、自分の中では無かった

スマホでインスタグラムにアップされる華やかな写真をみながら、あっという間に時間がすぎていた。


そんな時に、母から長文のメッセージが届きました。


『ゆりの、成人おめでとう。

時間は流れたのだと
思い知らされました。

それにしてもあなたに
流れた時間の重み。

見るたび
大人びていく表情に
頼もしさを
感じていましたが
20年の歳月は人をここまで立派にさせるのかと
しみじみしました。

あなた自身の努力が
外見にもあらわれている
ようです。

有難う

それでもそう思わずにはいられないほどの
あなたの成長に
感動しています。

二十歳をむかえるにあたりきっとたくさんの人が
貴重な言葉を
かけて下さるでしょう。

なので私の間にある
20年から私が学んだことについて、ひとつだけ。

「若い頃の苦労は買ってでもしろ。」というけれど、そんな必要ありません。

私はそれなりに中途半端な人間なので、ほんのちょっと積極的に苦労もしてみたり、のらりくらりと逃げたりしてきました。

そうしてわかったことは、わが身を犠牲にして買った苦労では、誰も幸せにできなかったし、自分も幸せになれなかった、ということ。

そしてふりかかる重たい出来事から逃げて楽しい思いをたくさんした後、勝手にやってきた苦労は、なんだか気持ちのいい結果を残して去っていきました。

つまり自分が苦労だと思ってることは、苦労と呼べるほどたいしたものではなくて、本当の苦労は自分の想像をはるかに超えるものであること。

そして自分の周りで起こるいろいろなことを楽しむすべを身につけていれば、想定外の出来事だって、プラスの経験に変えていけるのではないかと私は思っています。

まだ若いユリノにとって
人生は楽しいことの連続で、おもしろそうなことがたくさんあるに違いありません。

興味があるなら、全部やってみたらいいのです。

罪悪感なんて必要ない。

ただし全力で。

そうすることであなたが得られる力は、わざわざ買ってする苦労から得るものより、ずっと大きいはずです。

どうかこれからの人生を、あなたらしく楽しんでください。

今のその笑顔が、これからもずっとあなたとともにあるように願っています。』


その時の私は、ただ『ありがとう』と返事をしただけ。

実際に合うこともなければ、電話もすることもありませんでした。



それから、1ヶ月後__

母親が倒れた。


病院に運ばれて、1ヶ月が経とうとしている今も、病院で昏睡状態


意識が戻る確率もかなり低いとお医者さんに言われました。


母と最後に会ったのは、半年以上前。

元気にしていた母の記憶はずっと昔のままで止まっているんです


倒れたと連絡がきて、岡山に戻った日は、ちょうど母の誕生日

久しぶりに会った母は、私のかすれた記憶の中にいる元気な母親とは全く違う姿でした。


涙は止まらないし、岡山に帰っていた成人の日ぐらい母に顔を見せに行かなかった後悔が押し寄せる

もうどうしようもないことだけど。

***


母はどんなことがあっても、泣かない人でした。

泣き虫のわたしには、よく『泣いたらブサイクになるよ』と言っていました。


母はどんなことがあっても、ポジティブに変換できる人でした。

ネガティブなわたしには、よく『ポジティブはポジティブなことが寄ってくる』と言っていました。


母にあってからは、なるべく泣かないように、ポジティブに振る舞いました。母がそれを望んでいたから。『母親は、いま充電中なんだ。』と


そして、母が倒れて1ヶ月が経ったいま。
現実を受け入れてきた頃

改めて、成人式に送られてきた母からのメッセージを読みました。


受け入れたはずの現実が襲ってきて、いつの間にか目には大粒の涙が


わたしはこれから、母からもらったメッセージを大切に生きていきます。



わたしの大好きな文


興味があるなら、全部やってみたらいいのです。

罪悪感なんて必要ない。

ただし全力で。

そうすることであなたが得られる力は、わざわざ買ってする苦労から得るものより、ずっと大きいはずです。

どうかこれからの人生を、あなたらしく楽しんでください。

今のその笑顔が、これからもずっとあなたとともにあるように願っています。


興味を持ったことに本気で取り組むぞ!

後悔はしない。


そして、母親が目覚めた時に自慢できるように頑張る。


もっともっと。

もっともっと。

もっともっと。


今より、ずっと楽しみながら...



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