30年で良くなったこと、悪くなったこと
良くも悪くも、長く生きていると世の中の制度や社会、仕組みの様変わりは目にすることが多い。
私自身はいわゆる「真ん中から左側? 」にいる人間と言われる。
良く言えばリベラルとも言える。
そんな私の立ち位置から、この30年の移り変わりを書いてみたいと思う。
ちなみにAIチャットだとこんな答えが出て来た。
まあ確かに、一般的な回答だなという印象である。
この回答自体否定する要素は特にない。
その上でここでは私個人として肌感覚で感じた変化を書いてみたいと思う。
悪い方1 雇用形態の悪化
30年前と言えばそれまで高度経済成長を維持し、バブル真っ最中と言えるかと思う。
やや下り坂ではあったが、それでも企業の大小を問わなければ男女とも正社員の未来は約束されていた。
ところが今は正社員が減り、派遣やパートなど非正規が大幅増加している。
正社員の頃補償されていた福利厚生はなく、勤務時間や日数で給与の変動が始まった。
そしていわゆる「非正規」は雇用の調節弁という扱いなので、業績が悪化すればパートなり派遣なりは会社の都合で真っ先に切られる。
悪い方2 生活水準の悪化
1にともない、非正規労働者は30年前より明らかに増えている。
実際非正規労働者の割合は30年前と比べると伸びている。
昭和60年というと1985年時点で非正規労働者火率は15%だった。
しかし、令和2年つまり2020年では40%近くに達している。
肌感覚だけでなく、改めて統計上も非正規率が上がったと痛感する。
実際子供の貧困率も7人に1人と決して少なくない。
さらに今年2323年に来て、我が家も勿論、かつてない物価の急騰に驚きを隠せない。
ある資産運用系の発信者の話しだと、実は賃金自体も上がってはいるらしい。
しかし今の状況は賃金が30円上がったのに対し物価は100円上がっているという状況のようである。
我が家も家族は多いので毎日のスーパーの買い出しは欠かせないが、これまで長くて10年は値上げのなかったトップバリューの納豆や低脂肪乳、焼きそばが¥10~¥50まで値上げし、20年以上イオングループユーザーの私としてはショックが隠せない。
また、値段据え置きでもカントリーマアムのように商品が小さくなったり少量化しているものには、家族とため息を付くばかりである。
悪い方3 民主主義の崩壊
日本国憲法はGHQにより草案されたものだが、憲法を歓迎し、守りたいと思う国民も少なくない。
中学校でも分かるレベルとして三権分立、基本的人権の尊重、戦争放棄が三原則を教わるがこれらが今更に崩壊しているという認識を禁じ得ない。
辺野古基地建設は沖縄県では住民投票で反対多数にも関わらず、国は強引に押し進めている。
また、日本の植民地支配が要因である筈の朝鮮半島の分断も統一が進んでいない。この過去清算は日本は一刻も早くするべきだ。
しかし現実は日本側がどんどん隣国との事態をこじらせるばかりだ。
例えば韓国の最高裁に当たる大法院における旧新日鐵住金と強制労働被害者の判決も本来なら普通の労働審判でしかないはずだ。だがこれを日本が国家問題にしてしまい、当時の安倍政権は日本政府の定める輸出管理のホワイト国から韓国を除外するという、裁判の趣旨とは全く関係のない対応をした。
司法の独立も全く崩壊している。例えば朝鮮学校の無償化裁判では国連の人権勧告まで出ていながら今だに除外している。
他にも入管法やLGBT法案など、民主主義国家なら守られるべき権利主張がことごとく裁判で破棄されている。
その多くはファシズム化した政権の意向にほぼ沿う形になっている。
悪い方4 人権侵害と性犯罪被害の増加
民主主義の崩壊以上に深刻化しているのが主に女性や子ども、在日外国人を標的にした社会的弱者が被害者となる犯罪の増加である。
主に在日外国人を標的にしたヘイトスピーチはピークこそ10~20年前だが、今も形を変えて続いている。
特にネットへの誹謗中傷はヘイトスピーチだけでなく女性や地域差別、障がい者、性的マイノリティなど更に幅広くなる。
そして昨今新たに顕在化してるのが子供への虐待や児童ポルノである。数々の問題の中で一番許せないと言って良い。
判断力が育っていない児童を言葉巧みに誘導し、ポルノ画像を作成、販売、転売をする大人たちは絶対許せない存在だ。
そして補足するとこれらの人権侵害に加担をしているのは、私とほぼ同世代の大人であることが多い。
礼儀正しく、親切な日本人とは何であろうか?
悪い方5 災害の増加
30年の悪い方を見ても、ため息しか出ない。
そんな中でも半ば無理矢理かも知れないが、良くなったと思う点を上げていきたいと思う。
良い方1 女性の社会進出
1985年に男女雇用機会均等法が成立した。これにより育児休暇、フレックスタイム制が導入された。問題点はまだまだ残るが、労働環境が改善されたのは事実だと思っている。
それまでは女性は一般職しか付けず、学歴も短大が主流。そして婚期はクリスマスケーキに例えられ、25歳を過ぎたら「行き遅れ」と言われていた。
今では全く考えられない話だ。
良い方2 生活保障制度の充実
30年前はひとり親や貧困世帯、障がい者は今よりずっと肩身の狭い生活だった。
これもまだまだ改善の余地がある事を前提に、障がい者の公的インフラや社会制度、生活制度は今の方が良くはなっている。
また、貧困世帯もむかしなら子供は中卒で働くものだったが、今は高校までは無償化である。しかし前述の通り朝鮮学校に対しては差別をしているため、十分な補償になっていない。
良い方3 インフラの充実
家電やコンビニ製品なども30年前より改良、充実している。エアコンはより省エネ型になり、掃除機もコンパクトスリム化して場所を取らなくなった。
コンビニも当初は早朝と夜に開いていることが売りだった。今は各種支払い、印刷など、もはや生活インフラとなっている。
そしてここ30年大きく変化したのがデジタル、通信関係である。
特に携帯電話の変化は目まぐるしかった。
私も軽量化した96年くらいから使い始めたが、通話だけからSMS、ガラケー、そしてスマホを渡り歩いた。
ご存知の通り、今では生活必需品になっている。
良い方4人生の選択肢が増えた
高度経済成長時代は、とにかく社会水準を上げようと、良い大学良い会社を目指し、ひたすら敷かれたレールを走る人生だった。
先も言ったとおり、女性は「良い人に巡り合って早く結婚」を求められた。
「29歳のクリスマス」という大ヒットドラマは女性の結婚観の転機だったと思っている。
そんな女性観も今ではむしろ差別とさえ見做されたりするようになったし、昔よりキャリアを積みやすくなってるのは実感している。
これを考えると女性も遠慮せずにどんどん社会的地位を上げる人が増えてほしいと思っている。
良い方5 交通事故の減少
交通事故による死者数は30年前は約1万人だった。それが2020年の死者数は初めて3000人を下回った。
50年前に至っては死者数は18000人に上り、良く「交通戦争」という言葉が言われていた。
とは言え、高齢者ドライバーの逆走や事故はむしろ増加傾向にある。
これは高齢者の増加やや過疎地域で生活路線の廃線なども影響していると思う。
これはいま大きな課題な一つだと痛感する。
《総括 日本社会のこれから》
この30年特に感じたことを振り返ってみたが、悪い方も良い方も大きく変化をして来た。
今後は更にAI、VRなど、いわゆるweb3.0が社会に大きく変革をもたらすと思う。
そしてグローバル化は明らかに進み、日本においても外国人、外国籍者は珍しい存在ではなくなってしている。
そこから無知による偏見や差別が一番懸念される所である。
グローバル化は否応なしに世界の競争に日本も巻き込まれていく。
日本はこれからの変化に、果たして追いついていけるのか?
そして次の30年をはどう変化するのか、良くも悪くもこれからの私たち一人一人の行動が社会を変えていくだろう。
その変化が良いものであることを願いたい。
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