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不老不死になったら?

20代、まだ自分の気質にHSPという名称がついていることなど、知る由もなかった頃、日々の生きづらさを持て余し、やや絶望的な毎日を過ごしていた。そんな中、ふとしたことが頭に浮かんだ。

もし不老不死になったら、人はどうするんだろう?

ある種、この禅問答のようなこの疑問を、気になる相手にあたっぱしから吹っかけてみた。いつか終わりがあるから、今日の生きづらさをなんとか乗り越えらえる、そうとらえていた私は、「永遠に目の覚めない薬を飲む」と、自らの生に対し、否定的かつ、悲観的な、確固たる答えを持っていた。が、そんなことが正しく、美しい人間の生き方ではないのは分かっていた。だからこそ、こんな唐突な質問で周りの人を困惑させてしまうことは重々分かっていたが、私は人々の答えの中に何かを探していたのだ。

とある人は、「絶対に死なないんだよね?」と前提条件を確認し、「高いとこから飛びおりたり、自分を切りつけたり、不死身を確認してみるかもね」と、知的なブラックジョークを含んだ回答だった。

別の人は、「一晩考えさせてくれる?」と頼んできた。これまでも、回答を保留にされ、そのままこの話題が忘れられたことは時々あったので、「いいですよ」と気軽に受け流した。翌日、メールで「昨日の質問だけど」と自ら切り出し、「ありとあらゆる勉強をして、色々な仕事に就いて、最終的には国を動かす仕事、まあ、政治家みたいものを目指すかな。ホントに出来るかわからないけどね」と、真面目に、真摯に返答してくれた。

この印象的な二人の回答は、私とは真逆に「長く生きられる」ということを十二分に活かし、人生を謳歌する考え。それに強く惹かれながらも、私にはそんな前向きに生きるなんて出来ないという、情けなさも感じていた。

あれから時間は流れ、色々な経験をし、アラフィフになった私に、今改めて問う、不老不死になったら、私はどうしたい?

ひとまず、生きづらい日本は飛び出してみようかな

追記:non_fileさんの画像を使わせていただきました。ありがとうございました。


「人生経験の引き出し」がいっぱいあります。何か悩み解決のヒントになる話が提供できるかもしれません。