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インタビュー&ライティングについて考える

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自分のnote.の中からインタビュー&ライティングやそれにまつわることについてまとめます。
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記事一覧

文章をあと一歩磨き上げるための20のチェックポイント

先日、ある方のビジネス系の生原稿を手直しをご依頼いただいたのだが、自分が何を意識して文章の「良い悪い」を判断しているかを見つめるきっかけになった。その作業工程に、ある種のメソッドが見出せそうだったので、汎用性の感じられる部分を備忘録としてここに残しておこうと思う。自分の文章を最後にもう一歩磨きたいときのお役に立てれば嬉しい。なおここに書いたのはあくまで単独文の表現についてのみで、また個性や味わいを演出するテクニックは記載していない。つまり文章全体の構成や、世界観の表現とは別の

Vol.5 働くことについて学んだあの頃のこと。

昨日の朝は、これからの働き方について考える「WFH」という会でお話しさせていただく機会を得た。そのために数週間前からやんわり考え続け、資料をまとめ、そして昨日は発表し、また終了後多くの方とメッセージで語り合うことができ、自分自身の「働き方」と、アウトプットとしての「働くことに対する考え」が頭の中で巡り続ける1日になった。 そもそも私が働き方をテーマに仕事をしているのはいつからだろう。人事経験者でもビジネス誌や就職誌出身でもなく、キャリアカウンセラーの資格も持たないが、働き方

Vol.4全ての人はインタビュアーでありエディターである。

編集ライターとしての専門分野を聞かれた時に、分野の表現として間違っているなとは思いつつも、漠然とイメージしやすい形として「インタビューなどが多いですね」と答えたりしている。とはいえ、実は多くの人が職業の中で日々インタビューを行っているし、インタビューをする相手は人間ばかりではないと思う。 ということにふと気づいたのは、先日、25ansで担当している君島十和子さんの連載「キレイのお守り」で君島さんの美容の思考回路について伺った話を思い出したからだ。その記事はウェブにも抜粋転載

Vol.3 小道具としてのテレコとノート

Vol.2の「テープ起こし」の話を読んだ友人から、「僕は録音もメモもしない」というコメントをいただき、改めて私が録音とノートによる記録をなぜ行うのか、ということについて考えてみた。今日書くのは取材のその場での価値だ。 取材を受ける人は、多少の覚悟を持ってその場に現れている。秘めておきたい部分まで丸裸にされるリスク。自分の考えとは異なる伝え方をされるリスク。それが、場合によっては世界中に流布されるリスク。本来、全ての会話はそのリスク下にあるのだが、何となく会話は「流れていく」

vol2.テープ起こしは真実を隠す。

先月は何本のインタビューを担当しただろう。今ざっと数えてみたら、おそらく11本のインタビューと4本の対談を行ったようだ。インタビュー時、必ず録音を録っているが、私は基本的にテープ起こしをしない。テープ起こしの提出を求められる場合がごく稀にあるが、自分のためにテープ起こしをすることはまずない。 録音は、どちらかというと万が一の時のためのバックアップ。何らかの事情で、取材メモが読解不能になったり、私が自分で原稿を書けない状況になったとき。自分が対談や座談会の登壇者で取材メモを取

vol1.着るものが助けてくれること

初めまして。ライフスタイルジャーナリストの吉野ユリ子です。ファッション誌やウェブマガジン、企業のPR誌や広告などで、「書く」ことを中心に仕事をしています。 これまでアメブロで毎日のことを書いてきましたが(それも続けるのですが)、それとは別に、ここでは私が仕事をしてきた中で「聞く・引き出す・捉える・発見する・書く・伝える・届ける」ために何をしているか、ということを自分なりにまとめていきたいなと思っています。 既にそれぞれのスペシャリストの方が、もっと体系的に、あるいは専門的