アスカしか勝たんって話
シン・エヴァこと、シン・エヴァンゲリオン劇場版:II(この記号は本当は以下略)を観に行きました。本筋はネタバレの話ではないんですけど、やっぱり分かってしまうので、まだ観てないけどこれから観るよーって人はスクロールしないでそっ閉じしてね。
いい?
さて、私は惣流・アスカ・ラングレーと式波・アスカ・ラングレーが好きです。つまりアスカが好き。そういう話。それだけの話。
「あんた、バカぁ?」
アスカの口癖を聞いたのは私が17歳の時でした。アニメ版だな。その頃はアスカはかわいい妹みたいな感じで見ていたんですが…まさか42歳になってもアスカのこの口癖を聞くとはね…もう、私の息子と同じ歳ですよ、アスカさんたち。
こんなに長くアスカに会えるなんて…というか、もう未完のまま死ぬかなって思ってたので、自分の寿命のあるうちに完結するなんて…という微妙な感慨に浸って映画館に行きました。
才能とセンスに勝てない女
エヴァの面白いところは、リツコといい、ミサトといい、レイといい、マリといい、女性が強くてかっこいいことにもあると思うんですけど、アスカはその点が最高で最低なのが堪らないです。
私はメカも好きなので、EVA弐号機も好きなんですけど(特に初期!)、機体が(だいたい)いつもいい子だったのと、アスカのアジリティの高さを心から愛しています。
見るものはキビキビしてないといかん。何故なら現実の私が鈍臭いからです。
ただ、抜群の頭脳を誇りエリート街道をきたアスカはシンジより劣っています。惣流であれ、式波であれ、アスカはだからどっちの設定でも破綻しているんですけど、そこがまた愛おしい。どんなに努力しても届かないこと、が生々しいから。
アスカとは生き方(早口)
アスカの戦闘シーンはめちゃくちゃかっこいいです。滅茶苦茶「で」カッコイイんじゃないですよ。すげえカッコイイんですってば。
ただ、今までのアスカをご存知の方には当たり前なんですけど、アスカは凄惨な目に遭ってばかり。アニメ版でしっかりトラウマづけられた私の心はアニメ版のアスカで絶望慣れしたともいえます。
何編でも惣流でも式波でも、アスカはアスカです。口が悪くて、孤独でいようとして、強くて弱くて、派手に散ります。
「やっぱりね、アスカなんだよ。」
エヴァはどう好きなの?と未見の息子に聞かれた時に母親の私はそう繰り返すだけでした。観た後(序から4作品全て)の息子に、ね、お母さんがアスカ好きなのわかるでしょ。と言ったら苦笑いしていましたけど。
あ、ここからは強烈にネタバレします。
これが欲しくて早めに鑑賞した、オマケの白いアスカのチラシ。もう作中でこれを着た頃には、私は涙がボロボロ出てたね。
目的の遂行のため
アスカは(その心的な複雑さのわりに)シンプルに目的の遂行のためにはいたってまっすぐに戦います。だからまあ…うん。主人公じゃないんだけど。
今回も、アスカがゴールに五体満足で辿り着かないことは薄々…というか、まあ私も年老いて、そうよね、という感じなので、アスカのクライマックスが何処なのかは、観ていてすぐ分かりました。まあ泣いたよね。ずっと泣いた。戦うアスカがもうこれで終わりだなって思うと本当に可愛くて泣いた。
クソどうでもいい、けれどもアスカにとってはたぶん大事な、まったくもってよく分からない大義や忠義のために、どう考えてもあの展開だとそれは達成できなさそうなのに、アスカはとうとう人を捨てます。人なのかってのは置いておいてだよ。最高だったな、アスカ。カッコイイんだよアスカ。ほんとカッコ良くてバカなアスカ。好きだよ。
アスカみたいに生きたいよね。いやそれだと長生きできないけど。
2021.03.