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やりすぎ系本職迷子女子

オーディション用のアピールポイントを考えていて、相方に「私にキャッチコピーを付けるとしたら?」と問い掛けてみました。
帰ってきたのがこの答え。

「やりすぎ系本職迷子女子」

う・・・否定できない。
でもなんか悔しい。

そう思いつつも、割と気に入ってしまった私。
これからは積極的に、このワードを使っていこうかなと思います。

そうそう。
先日知人に、「美大出身?」と聞かれました。

美大ではありません。
和光大学人文学部芸術学科というところを卒業しています。

父は洋画家の佐々木壮六氏の弟子で、日曜画家でしたので、私も影響を受け、幼い頃から絵は描いていました。
父がスケッチに行く時は付いて行って一緒に描いていましたし、美術の授業も得意でした。
小学校6年生の時、市のコンテストで大賞を頂いたこともあります。
小学校の隣にあったお寺の絵でしたが、自分では瓦の並び方が屋根の傾斜と合っていなくて、納得いかなかったので、受賞したことに驚きました。

高校は先輩からも芸大合格者が出ている、美術部が強い学校でした。
私は帰宅部でしたが、親友が美術部でした。
私も美術室に頻繁に出入りし、先輩のモデルをしたりしているうちに、いつの間にか部員になっていました。
でも始めたのが遅かったので、皆が油彩をやっているのに私は全然できないし、デッサン力も到底皆に敵いません。
入試でデッサンがある美大は、私には無理だな、と思い、入試は美大ではなく芸術学科のあるところに絞り、4校を受験しました。

和光の入試は国語と英語、それに作文。
出題内容は後期印象派についてで、私はシュルレアリスム、特に「セザンヌのリンゴは食えない」と言ったダリの信奉者だったので、多少否定的なことを書いた記憶があります。

受験の結果は、和光のみ合格でした。
競争率の激しい年だったので、ラッキーだったと思います。

入学してからは、シュルレアリスム評論で有名な針生一郎先生と、文化人類学の松枝到先生のゼミに入りました。
他に積極的に授業を受けたのは、西洋美術史の永澤峻先生、象徴学の前田耕作先生、メディア研究の上野俊哉先生、ゾロアスター教研究の岡田明憲先生などなど。
上野先生には学外のゼミにもお誘い頂き、行ってはみたのですが、難解なテキストを英語で読むので全く付いていけず。
素材研究の授業では、油彩や彫刻などの実技も学びました。

一方、学科を跨いでの授業を取るのにも融通が利いたので、文学科の授業もかなり受けました。
ケルト文化研究家の鶴岡真弓先生、精神分析学の岸田秀先生、一般教養では哲学の山口泰司先生、西研先生、ドイツ語の酒寄進一先生・・・。

小関和弘先生、杉本紀子先生、塩崎文雄先生共同の授業「文芸映画の『文法』」は、原作と映画の描き方を対比させる、というエキサイティングな授業で、「羅生門」「蜘蛛巣城」「砂の女」「海と毒薬」「さらば青春の光」など様々な名作を鑑賞できました。

モダニズム研究」という授業も、複数の先生方が受け持っていて、下町にフィールドワークに出かけてモダニズム建築様式を探し出したりしました。

芸術学科だったのに、卒制ではなく卒論を選びました。
タイトルは「聖なる異端」。
カトリック作家・高橋たか子氏についての評論です。

うーん、当時からやりすぎ系だったんですねえ。
しかし、挫折して行かなくなってしまった授業も沢山あります。
今思うと全然学べていなかった。
これだけの人材が揃っていたのに、勿体無い話です。

まあしかし、学ぶのはいつからでも出来る。
やりすぎと言われようと、これからも貪欲に学んでいくつもりです。

画像は、高校3年の授業で描いた絵本の1ページ、マックス・エルンスト沈黙の目」の模写。

サポートして頂けたら、アーティストの支援に使わせて頂きます。 貴方の生活の片隅にも、アート作品をどうぞ。潤いと癒しを与えてくれます。