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土用って何なん?

夏の土用期間に梅を干すのが、僕の毎年の恒例行事となっています。古来は梅干しを作るというよりも、梅酢目的で漬けることも多かったようで、梅を干さずにそのまま食べるということもあったそうな。なので今年は、干すのと干さないバージョン、二つやってみようかと思っています。干さない梅はなんと呼べばいいんだろう?うめほさず??

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夏はこうして梅を、そして冬の大寒(二十四節氣)になれば味噌仕込みと、暦的にみれば夏、そして冬の土用にそれぞれ手仕事をやっていることになります。

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養生的にも、夏と冬の土用は特に大切な時期。梅や豆、そして自然と向き合う、その手仕事をしている時間こそが、僕にとっては何よりの養生になっているのかもしれません。今回はそんな季節の節目にあたる土用のことについて書いてみたいと思います。


土用は、年4回

土用というものは「立春・立夏・立秋・立冬」といった各季節がはじまる18日前の期間を指し、年4回それぞれ「春の土用・夏の土用・秋の土用・冬の土用」となります。もう少し詳しく言えば、太陽の角度(黄経)によってそれぞれ「春の土用(27度)夏の土用(117度)秋の土用(207度)冬の土用(297度)」が決まります。

余談ですが、土用で一番有名であろう「(夏の)土用の丑の日」。今年(2021年)は、7月28日となっています。年によっては「二の丑」などといって、2回丑の日がありますが、これは土用の18日間、そして「丑」は十二(12)支なので、最初の方に「丑」が来れば、2回となりますし、真ん中の方に「丑」が当たれば、1回となります。

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土用という言葉は「土旺用事」からきており、土の氣が盛んにることを表しています。土とは五行において「万物が帰し、また生まれる場所」また「ものを変化させる力」を持つと考えられています。つまり土用とは、前の季節を終わらせ、新しい季節を生むための、移行期間のような働きがあります。


バタバタしない

土用は、土の神さまが支配されている期間なので、この間は土を犯すようなこと(家の増改築、井戸掘り、植物の植え替えなど)は禁忌とされました。
そこから派生して、引っ越しや旅行、転職や新しいことを始めることはNGといったようなことも言われるように土というのは地に足を付ける(グラウンディング)という、どっしりと構えるような意も持つので、そういたバタバタすることを戒めているのかもしれません。

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農事的にも、土をいじることを控えるということは、つまりカラダを休めよ、と促していたのかもしれません。


風は神意を伝える使者

養生的には4つの土用の中でも、夏と冬がとても重要で、祭事的にもその頃に「節分」や「夏越の祓え」といった大きな禊の行事があることからもその意が伺えます。

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また暦的には春のはじまりは「東風氷解(はるかぜこおりをとく)」そして秋のはじまりは「涼風至(すかぜいたる)という、いずれも風の候(七二候)から始まります。

古来風は、神さまのメッセージを伝える使者であり、季節というのは風が運んでくると考えられていました。中医学で風は「百病之長」とし、その風の変化がするということは、季節が変わること、つまり未病のケアに努めることを意味します。そんなことを思うと、この立春と立秋の初候にあたるこのふたつの候は、なんとも趣深いものがありますね。ではよき晩夏を。


ゆらね養生雑記 旧暦水無月号


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