足、のこと。12

【終わりに】

リハビリはダイエットに似ている。何度もそう思った。体重が少し落ちてその後停滞する時期があるように、リハビリも少しよくなったかな、と思うとその後しばらく変化が生まれない時期がある。ただ、努力すれば結果に現れるところもまた似ていると思う。毎日歯をくいしばるほど辛い筋トレをしていたわけではないし、「リハビリ大変だよね、がんばってね」と人に言われるときもしかしたらそれはとんでもない筋トレをしてると想像されてるのかなあ、なんて思ったりするのだけど、決して大変じゃないわけではないので、ありがとう、と答える。大変、の内容は肉体的なことより精神的な部分の方が大きい。一体いつまともに歩けるようになるのか、いや、そもそもそんな日は来るのか?そういう不安を、絶対大丈夫!キレイに歩けるようになる!と信じ続けること、それが何より大変だった。停滞期はどうしたって鬱々とする。でも、そんな時こそ「こんなこと続けてるだけでキレイに歩けるようになるんかね」という筋トレを続けて欲しいと思う。鬱々とした時間を過ごすよりよっぽどゴールに近付くから。わたしはRAOを勧めるつもりも、否定するつもりもない。術後のリハビリについての情報があまりに世の中に広まっていないことだけが不満で、手術だけでなくその後のリハビリ生活についてももう少し説明が必要だろうと思う。振り返っても、手術それ自体よりどう考えてもリハビリが大変だったので。術後1年でわたしはだいぶ筋力も戻り、わたしが何も言わなければ、何ヶ月か前まで杖をついて歩いていた人だとは誰も思わないほど「普通に」歩いている。術前の痛みはなくなり、買い物もポケモンGOも楽しめる。人により経過は様々で、術後も痛みがまた発生する人もいるらしいが、わたしはラッキーだったのか、そこらへんは分からない。この1年をもう1度繰り返すのは嫌だなあ、でも左足もいつかやることになるかもしれないし、うーん、できれば人工関節の手術でお願いしたい、というのが本音かな。今RAOを受けるか迷ってる方、リハビリ中の方、まわりにRAOを受けた身内や知り合いのいる方、なるほど〜こんな感じなのね、と思ってもらえたら嬉しいです。

手術を受けた日のfacebookの投稿でこう書いた。『何度でも生まれ変わって、いつでもあたしは世界一幸せになってやる、あたしの世界で』この気持ちは今も変わりません。

わたしは、わたしの右足と左足と一緒に生きていくのです。

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