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淡々とした毎日の記録


私が大学生の頃、『作ってあげたい彼ごはん』というレシピ本が流行っていた(このタイトル考えた人天才か)。この本に載っている、チキンのトマト煮が簡単なのに大学生にしてはちょっと豪華な感じがしててよく作っていた。SHIORIさんは、それから知っていたのでインスタでフォローしていたら、noteもやっていらっしゃるらしい。自粛生活が長引いて気持ちが落ち込むこともあるけれど、上に貼ったSHIORIさんのnoteを読んだらとてもとても幸せな気持ちになった。

今回のコロナ禍で、私の職種はリモートでもできることが多いということがよくわかった。仕事には、TV会議でも十分なこと、リアルで会った方が良いこと、会社という場所が必要なこと、家の方が集中できることそれぞれあるということもわかった。

ここ数年、遊びを仕事に、とか好きなことを仕事に、というトレンドがあるように思う。私はどちらかといえば、好きなこと(お金を払ってでもしたいこと)を仕事にしている方だと思うけれど、リモートワークをするようになってからより境目が曖昧になった。生活の中に仕事がある。平日も土日もあまり関係がない生活になったので、家で淡々と暮らしている。私にとって暮らすとは、食べたり、寝たり、読んだり、働いたりすること。

淡々と暮らす中でも、楽しいことや心が動くことが意外とある。引っ越した家の大きな窓が西向きなので、夕焼けが綺麗に見える。散歩していると犬にいっぱい会えて楽しい。近所の花屋で花を買って毎日水をかえるのが楽しい。何を食べようか考えて料理するのが楽しい。食材をうまく使い切れると得した気分になる。白玉もクレープも作ってみたら簡単で驚いた。揚げ物作るのもいつの間にか慣れた。たまに買ってくるケーキを食べる前に眺めると綺麗だなと思う。天気が晴れれば嬉しいし曇りだとちょっと残念な気持ちになる。

私はミーハーで忙しいのが好きなタイプなので、東京で普通に生きているだけでめちゃくちゃ消費しながら暮らしてきた。新しい商業施設がいろんなところにオープンするし、気になるごはんやさんはたくさんあるし、サブスクで会員になったお店にも定期的に行きたいし、映画もみたいのがたくさんあるし、友達の誘いは断りたくない。旅行だって思い立ったらすぐ行きたい。でもそれって本当に自分で選んでるのかな?とたまに思うことがあった。

暮らしが少しずつ変わってきたいま、
本当の豊かさについて考えさせられる。

だからSHIORIさんのnoteの最後に書いてあるこの言葉にとても共感した。

さすがに毎日自粛生活でうんざりすることも多い。でも私がこんなに人間らしい暮らしをしたのは幼稚園とか小学校の夏休み以来ではないかと思う。

「豊か」とは、何をしているかというよりも、どんな気持ちでいるかだと思う。消費生活は自分の意思で決めていることではないかもしれないけれど、夕焼けを見て綺麗だなと思う気持ちは私が決めている。お金と関係ないところでも(払わなくても払わせなくても)、素敵なものはたくさんある。

もしかしたら移動できるかできないかも、気持ちの豊かさとは関係ないのかもしれない。先週末熱が出て寝ていたときに、芭蕉の「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」の句を思い出した。そうか、と思い、熱で寝ながら俳句を考えたけど、頭の中で想像するだけでも俳句は意外と思いついた。むしろ普段と視線が変わってよかったかもしれない。前から参加している句会は3月はお休みだったが4月からリモート開催になったが特に問題なかった。

遠くへ行く旅行はもちろん素晴らしいし大好きけれど、でも心の目があれば移動しなくても見えるものがたくさんある。アフターコロナの世界がどうなるかわからない。でも今の暮らしの中で気づいた大切なことを手放さないようにしようと思った。

前に作らせていただいた本の著者の荻野淳也さんが、毎朝6:15からzoomでマインドフルネスを主催されてます。これに参加するようになってから朝の時間が多くなって良いことがたくさんありました。生活のリズムを作りたい人はぜひ!



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