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作家が朗読する意味

下北沢の書店B&Bで、江國香織さんの朗読イベントに行ってきました。

朗読イベントというものが初体験で、正直朗読よりも昔から一番好きな(好きという言葉では足りない)作家の江國さんの実物に会えるなれなんでもいいという感じで行ってきた。
(ちなみにわたしが持っている朗読イベントのイメージは、最近読んだ川上未映子さんの夏物語に書かれているイメージくらいしかなくそれは全く良いものではなかった)

『彼女たちの場合は』の一部を読んで下さったのだけど、この物語を書いた作家が声に出してくれるというのはすごいことなんだなと初めて知った。
何がすごいかというと、この物語が音声になるならこの声と読み方が一番しっくりくるのだろうなというのがなんとなくわかってしまうから。
柴田さんの朗読も上手で、気持ちの入れ込み方とか抑揚とか人物によって分ける話し方とかはぜんぜんすごいのだけど、そういう朗読のスキルとは全く違う次元でしっくりきてしまう。著者の声は、この文章のための一番の楽器であり媒体なのだなぁと、この音で聴けるなんて一番の贅沢なのだと感じた。これはわたしが異常な江國香織さんファンだからというのもあるのかもしれませんが、、、

実物の江國さんが、話されていることも雰囲気も所作も、小説の世界のイメージ通りすぎて何一つ裏切られることがなくて、今日は衝撃的な日だった。

サインもいただけで、質問もさせてもらえて終始目がうるうるしてしまった。正直うるうるではすまず涙が出た。
最初に小説を読んだのは20年くらい前で、よく考えてみると20年も前からずっと変わらず好きなものとか人って、アーティストでも友人でも他にない。それくらい人生の価値観とかセンスとか影響を受けた人なので、実物を見たら期待が大きすぎて裏切られることもあるんじゃないかと思っていたけど、全くなかった。

江國香織さんは江國さんの小説のように、子どもみたいな潔さと知的な色気がある人だった。素敵な人はたくさんいるけれど、こんな人は他に見たことがない。素敵な年上の人に会うと目標ができて嬉しい。今日は私にとってとても大切な日になった。

江國さんの作品やお話しされていたことについてもっと書きたいけど、とりあえずいまの興奮だけ今日書いておきたかった。作品についてはまた後日。

#江國香織 #本 #イベントレポ


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