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ぼくのセンスが、悪いワケ

映画『シン・ゴジラ』が今日から公開されました。

今回のゴジラは、同じく庵野秀明監督の特撮
『巨神兵東京に現る』が大変よかったこともあり、
公開を心待ちにしていました。

昨晩から上映がはじまっていますので、
きっと「ゴジラ 観た」なんて検索すると、
いいものも悪いものも含めて、
評判がたくさん出てくるのだと思います。
愛用しているアプリ「Filmarks」でもきっと、
興奮冷めやらぬ映画ファンたちによって、
たくさんのレビューが投稿されていることでしょう。

「予習必須!」、「最悪の出来……金返せ」、
「批評家の●●さんも絶賛!」などなど、
映画をはじめとしたエンタメの評判は、
知りたくなくても目に入ってしまうぐらい、
ちまたに溢れています。

ぼくも気になる映画があれば、
ほぼ例外なく評判を検索します。
その結果、ますます観たくなって
その日に無理してチケットを取ることもあれば、
観る気をすっかりなくし、
映画館に行くのをやめてしまうこともあります。
時間とお金を有効に使うため、
文明の利器を活用しているわけです。
Googleさまさま。Twitterさまさま。

しかし、しかしです。

こういったやり方で吟味した映画は、
はたして自分で選んだ1本だと言えるのでしょうか。
上映後ぼくが口にする感想は、
はたして自分の言葉だと言えるのでしょうか。
どこかで聴いたことのある構成・言葉選びで、
つくられた、なんだか継ぎ目の目立つものに
なってはいないでしょうか。

すこし前、お世話になっているすごくセンスのいい先輩に、
「どうすればそんなにいいものを選べるんですか?」と
聴いたことがあります。彼はシンプルに
「たくさんお金を使って、たくさん失敗するんだよ」と、
答えてくれました。

2016年現在、この「自分のお金で失敗する」が、
意識しないとできなくなっているような気がします。
映画も音楽も本も芝居もごはんも全部に点数がつくってのは、
それはそれで本当にすごいことなんだけど……。

というわけで『シン・ゴジラ』、
観て、ここに感想を書くまで、
一切の情報をシャットアウトしてみようと思います。

こわいけど、がんばって失敗する。