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現代の往復書簡

「お前はこのままでは使い物にならない」

新卒で入った会社で働いていたとき、
上司からそんなメールをもらったことがあります。
これはたぶん、一生忘れられないメールです。

あなたにも、忘れられないメールがありませんか?

つらいときに励ましてくれた友だちからのメール。
人生の節目に背中を押してくれた先輩のメール。
思いがけないミスを指摘された上司からのメール。
1本でうれしい気持ちが何倍にもふくらむことも、
1本で心がきゅーっとなることもありますよね。

メールの持つ力が強いのには、
いくつか理由がありそうです。

読み手の顔のはっきりした、その人のためだけに
書かれたものであることはもちろん、
送った相手以外には読まれないというのも、
大きく影響していると思います。
ナイショの話も、書きやすいですよね。

また、「途中で突っ込まれない」
というのも、強さの秘密ではないかと思います。
対面で話すときはもちろん、
LINEなんかのやりとりでも、
受け手側は照れ隠しをしたり、
時には言い訳をしたりすることができてしまいますが、
メールではそれができません。
メールは、送り手なりの「論」を完成させて、
推敲して研ぎ澄まして、
思いのたけをぶつけることができる手段なのです。

ここからは推測というか妄想なのですが、
他人のメールって、読むとむちゃくちゃ
おもしろいと思うんですよね。
「往復書簡」というがありますが、
現代のそれは、メールで行われているのではないかと。

例えばジョブズとザッカーバーグが
メール交換をしていたりしたら、
つまんないはずがないと思うんですよね。

インターネットの世界には、
世界でただ一人しか読んだことのない名文が、
たっくさん転がっているはずなのです。
そしてそれらが「死後に見つかる」ことは
絶対にないという……。(データなので)

あー、読みたい。イチローと椎名林檎のやりとりも読みたい。