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フリーランスが大活躍できる職場、しにくい職場_トーキョー奮闘自営生活

これまではフリーランスとして働く側の視点から心構えや気づいたことをお伝えしてきましたが、今回はフリーランスを受け入れる側、企業の視点からフリーランスを活用する上での留意点やティップスをお伝えします。と言うと大変偉そうな感じですが、私自身がフリーランスとして様々な企業に関わる中で「こうしてくれると生産性100倍!」と思った事、逆に「これは働きにくいなぁ…」と思った職場環境についてまとめています。

■フリーランス活用が企業の鍵

ランサーズの調査(*)によると、副業も含めたフリーランス人口は年々増加し2018年では744万人、経済規模は20兆円、なんと日本総給与支払額の10%を突破したそうです。名だたる企業が早期退社を募ったり、副業を解禁する企業が増えるなど、今後も労働の流動化、働き方の多様性は増していくことが想定されます。フリーランスは各分野のプロフェッショナルであり、業務委託で短期から仕事を発注できることから、フリーランスをうまく活用することで迅速に適材適所の人事配置、組織管理、プロジェクト管理を行うことが、企業の競争力を維持し高めるために重要になってくると思います。

■フリーランスの特徴と社員との違い

フリーランスは正社員ではないので、その特徴や違いを理解した上で取り入れることが重要です。その最大の違いは稼働日数や時間が限られていること。契約形態によっても異なりますが、常駐タイプの場合多くは時間単価が決まっているか稼働日数が決まっています。時短正社員にも通ずることですが、稼働日数や時間が限られている前提で計画的に仕事を依頼・管理できるとお互いにスムーズです。

また、これも重要ですが契約は双方の合意によって成り立っているという事です。日々選び選ばれている、という良い緊張感をお互いに持ちながら仕事をすることが重要です。「発注してやっている」「契約外の事でもこれくらい社員もやっているのだから当然」というような意識だと、間違いなく優秀なフリーランサーは離れていってしまいます。わざわざ理由のフィードバックをするインセンティブはフリーランサー側にはないので、企業側がそのような意識になっていないか自分達で気づくことが重要です。

それでは、ここからは準備編と本番編に分けて、留意点やティップスをお伝えします。

■準備編:BYOD(Bring your own device)は神

どなたでも経験があると思うのですが、どんなに能力が高く生産性高い人でも、慣れていないPCだとタイピングスピードは1/2、deleteキーを押す回数は2倍、結果としてアウトプット半減すると思います。と言う事で、フリーランスを活用するために第一に重要なのはBYOD(Bring your own device)を可能にする環境設定です。もちろん、情報セキュリティや個人情報保護とどう両立していくかという問題はありますが、VPNやLANやアクセス権の設定で対応する、それも難しい場合は社内PCとしてWindowsとMac両方用意するなどの対応ができると望ましいです。個人的にはMacユーザーなので、WindowsPCしかない常駐先では非常に苦戦しました。

■準備編:効率的なコミュニケーション方法

次に整備しておきたいのがコミュニケーション方法です。フリーランスは様々な企業と関わるためビジネスツールやグループチャット(Slack、Teams、LINE WORKSなど)、そしてビデオチャットツール(Zoomなど)には慣れている事が多いですが、ガチガチに自社で構築されたツールやシステムにイチから慣れるというのは、時間の使い方として少々勿体無いです。スケジュール調整についても社内独自開発で社外ネットワークからアクセスできないスケジューラーの場合、出勤日数や時間が限られているフリーランサーとスケジュール調整するのは至難の技でお互いに時間と労力を浪費してしまいます。
社外からもアクセス可能なビジネスツールやグループチャットの活用は、フリーランスを効果的に活用するためには必須であると言えます。

■本番編:早期の面通し大事

続いてフリーランスを受け入れた後に気をつけること、まずはその人の業務に関連する関連事業や同僚をなるべく早く紹介することです。フリーランスはその分野のプロフェッショナルであり経験も豊富なため、課題を理解し自主的にプロジェクトを進める事ができる人が多い一方、その際に最も障害になるのが「誰が何を知っていて、誰に何を聞いたら仕事が進むのか分からない」故に仕事が進めにくいことです。

フリーランスを受け入れたら、なるべく早く社内の関連事業や関連部署や関連する同僚に面通しして、フリーランサーの勤務形態や役割、担当するプロジェクトを紹介してあげてください。この初動の速さは、アウトプットのスピードに大きく影響します。

■本番編:週1度以上は面談を

受入後にもう一つ重要なことは、週に1度以上は面談(チェックインや1 on 1)を実施することです。外資系企業の業務に関わっていると、チェックインや1 on 1 の機会が非常に多いと感じます。最低でも週1回、出勤回数の少ない人は毎回出勤時に面談が行われます。面談というと仰々しいですが、15~30分でお互いの進捗とその日、その週にどこまで進めるかの目標確認を行うイメージです。

この面談、出勤時間や日数が限られているからこそ重要です。毎日出勤していると当たり前に入ってくる情報が不足してしまうため、フリーランサー側に悪意はなくても判断を誤ったり違う方向に進めてしまったりということがあり時間と労力の無駄です。1日15~30分で大きなロスが埋められるのであれば面談はするに越したことはありません。

どんなに忙しくても、直接の上司に当たる人はフリーランサー出勤時に面談をするように心がけていただけると、仕事の効率が上がります。

以上、「フリーランサーからのお願い」という意味合いも強い内容もありますが、フリーランサーを活用できる会社は絶対に変化対応に強いはずなので、ぜひ活用する際の参考にしてみてください。


*出所:ランサーズ、「フリーランス実態調査2018年版


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