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パリ節約自炊生活番外編 フランス国民祭(Fête nationale française)

7月14日はフランス国民祭(Fête nationale française)。英語圏ではBastille day(バスティーユ・デイ)、日本では仏映画の邦題訳が一人歩きして“パリ祭”と言われているようです。
歴史的には様々な背景が有る様ですが、近年では午前中に軍事パレード、その後大統領演説&茶会(いかにも!)、日中にツールドフランス、夜から30万人規模のコンサート、そして深夜に花火が上がる、というのが定番の様です。この日は午前中の軍事パレードと、夜の花火に参加してきました。

◆朝からTVはずっと特番
軍事パレード開始は10時ですが、朝7時から既に特番が放送され、準備している軍関係者や消防関係者にインタビューする様子がTVで見られます。フランス人にとっては本当に特別な日の様で、朝からそわそわ感がすごいです。

◆パレードは黒山の人集り

パレードは凱旋門からバンドーム広場までの大通りで行われます。近隣は閉鎖されているため、会場まではひたすら迂回しながら歩いていきますが、彼方此方からパリっ子や観光客が押し寄せ、人集りはどんどん濃厚になっていきます。近づくにつれ収集がつかなくなってきたので、私たちは終点のバンドーム広場からマドレーヌ寺院に抜けていく退路に陣取りパレードを見学する事にしました(退路でも物凄い人数が集まっています)。

◆色鮮やかでおしゃれな制服

パレードは断続的に陸軍士官学校の学生、歩兵部隊、外人部隊、消防団、警察等様々な単位の行進を見る事ができます。まずはじめに圧倒されるのが、その衣装の鮮やかなこと!こちらのベレー帽、めっちゃおしゃれ!

マントが完全に調査兵団!かっこいい!へいちょー!!と興奮していましたが、ある方に教えていただいた所に依ると此方の一団は、第1スパッヒ連隊(1er régiment de spahis:1er RS)の服装で、スパッヒとは旧北アフリカ植民地における現地民騎兵の事だそうで、様々な史実が現在のパレードに反映している事を見て取る事ができます。

こちらの一団は皮のエプロンをしていてカッコイイ!!と興奮して見ていましたが、後から調べてみると皮のエプロンは工兵 (Les pionniers)を表していて、本隊到着前に道を切り開くのは外人部隊であったようで、やはり此方も歴史的な背景を感じる事ができます。

◆音楽も素敵

これぞマーチ!これぞ行進曲!という素敵な音楽を奏でながら楽団が到着です。ドラムスや金管もさる事ながら、フルート&ピッコロが歩きながらこれだけ音を響かせられる事に感動しました。

◆戦闘機!戦車!

歩兵部隊の行進が終わると、空には戦闘機、地上には戦車や戦闘用車両がお目見えします。戦闘機も戦車も日常なかなか目にする機会がなく、轟音と共に姿を表す様子は大変格好良く、都度歓声が上がっていました。

◆完全に軍事パレード

ここまでの内容を見ていただくと解ると思いますが、完全に軍事パレードです。街の彼方此方ではフランス国旗のフラッグを配っていて、子供達もガンガン振っていたのですが、裏面はフランス軍のリクルート広告でした。
実は今回は日本の自衛隊も参加していたとの事で、パレードに近接したホテルには日本の旗も掲げられていました。

◆最後は花火!

最後は花火!フランス国民祭の花火は有名なので映像見た事がある方もいるかもしれませんが、フランスは日本より緯度が高いので、この時期は夜10時位まで明るいのです。よってこの花火スタートは23時です…遅っ!という事で花火会場からは少し離れたルーブル美術館辺りのセーヌ川沿いから鑑賞しました。ちなみに花火を微妙に邪魔している建物はオルセー美術館です。30分程度の花火でしたが、フィナーレはかなり派手に打ち上げていてとても綺麗でした。

◆子どもが一緒に参加
最後に、戦車や戦闘機が駆け巡る軍事パレードも、23時から始まる花火も、子どもが大人と一緒に参加しているのが印象的でした。軍事パレードに声援を送る子どもや、遅い時間まで大人と一緒に食事を楽しむ子どもを見ていると、日本とは子育ての環境や考え方が全く違うと感じると共に、こういう原体験の一つ一つがその国の人の価値観や視点の根っこになっているのだなと感じました。

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