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人事制度の役割と位置づけの考え方

こんにちは、エントマル・カレントです。
オリンピックが盛り上がりを見せていますね。
出場選手の活躍に力を分けてもらっている方も多いのではないでしょうか?

さて、8月に入りました。
世の中的には9月で上期が締まる企業様も多いかと思います。
期末と切っても切れないのが、「人事評価」ですね。。。

最近、様々な企業の経営者とお会いする機会が多いのですが、自社の「人事制度や評価制度」に対して課題感をお持ちの方が多いと感じましたので、この記事をポストすることにしました。

では、本題です。
まず、この記事で共有したいことは2つです。

ポイント

①企業における人事制度の役割と位置づけを確認しよう
 ∟人事制度と評価制度は別のものなので、違いを認識して議論しよう

②人事制度の北極星は「会社のありたい姿」にあり!
 ∟人事制度は「会社のありたい姿」あるいは「経営戦略」と紐づいている必要があります。
 ∟人事制度や評価制度を構築する際、必ず評価項目設定や判断(評価)基準設定が発生します。この基準を決めるための基準が、「会社のありたい姿」です。

人事制度の役割と位置づけの確認

冒頭で「人事制度や評価に課題感をお持ちの方が多い」と記載しましたが、私の経験では以下の3つのケースが多かったです。

1)社員の評価が難しい
 ・社員を正しく評価できていない気がする
  ∟本人評価と上長評価が乖離、評価者に起因する評価のバラつきなど
 ・評価に対する社員からの不満の声が多い
  ∟評価されない、評価される働かないおじさん問題、給与が低いなど

2)どういう評価基準にすれば良いかが難しい
 ・評価項目と評価基準のありかた
  ∟評価項目、評価基準の定め方がわからない
 ・定性評価と定量評価のありかた
  ∟定性、定量評価の定め方がわからない

3)漠然と課題感を持っている
 ・1)、2)を含めて何となく課題を感じている
 ・長年、人事制度(評価制度含む)を変えておらず、何となく現状とのミスマッチを感じている

といった具合です。
もちろん、上記の他にも様々な問題・課題があるかと思います。
加えて、1)には人事制度というよりも、社員の人材育成の側面から手を打つ必要があるものも含まれていたりします。
今回の記事では、「人事制度」の側面に限って話を進めたいと思います。

さて、課題感が分かったところで、企業における「人事制度」の役割と位置づけについて整理してみたいと思います。

■会社のありたい姿
 ∟経営戦略
  ∟人事戦略
   ∟人事制度
    ∟役割・等級制度、評価制度、報酬制度

ざっと、上記のように位置づけられます。
つまり、「人事制度」は人事戦略を構成する1つの要素であると同時に、人事制度自体も「役割・等級制度、評価制度、報酬制度」の3つから構成され、その役割は「人材を管理すること」にあります。

感の良い方はお分かりかもしれませんが、「人事制度」と「評価制度」は混同されたり、人事評価制度を人事制度と省略して話されたりする場合も多いので注意が必要です。

社内で議論する際は、お互いに人事制度全体の話なのか、役割・等級制度/評価制度/報酬制度の話なのか、話の粒度感を認識し合った上で議論されることをオススメします。

人事制度の北極星★は、「会社のありたい姿」

~人事制度は会社のありたい姿と紐づけるべし~
人事制度も評価制度も、会社の目指す姿もしくは経営戦略を達成するための手段です。

つまり、人事制度の中身(必要な役割や等級構成、評価項目や評価基準、どういう人材に幾ら払うのかなど)は「会社のありたい姿」や「経営戦略」から逆算して設計されたものであることが理想です。

■会社の目指す姿
 ∟経営戦略
  ∟人事戦略
   ∟人事制度
    ∟役割・等級制度、評価制度、報酬制度

頻繁な制度改定は人事側も社員側も大変ですのでオススメできませんが、一定の範囲内では経営戦略の変更や社内の実情、社員数の変化などの内部環境と、法改正や人材獲得競争などの外部環境との兼ね合いを踏まえて改定していくのが良いと考えます。

1)社員の評価が難しい
2)どういう評価基準にすれば良いかが難しい
3)漠然と課題感を持っている

といった課題をお持ちの経営者の方は多いと思いますが、まずは、評価制度の評価項目や評価基準といった個別具体よりも、「会社のありたい姿」の定義設定やそこから逆算した人事制度はどいうものがよさそうか?という視点から考えてみるのはいかがでしょうか?

会社のありたい姿から逆算することにより、自社が大切にすべき価値観や行動が明確になり、それら価値観や行動を踏まえて業務に取り組む、、、というイメージが掴みやすくなります。

このイメージが掴めると、何をどういう基準でどう評価するのかという評価項目・評価基準・定性/定量の設定で迷いが少なくなるのではないかと思います。

それでは、今回はこのあたりで。


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