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「起業家」 / 藤田晋

この本は、サイバーエージェント社長の藤田晋さんの、ネットバブル崩壊後の経営者の視点を綴った本。

藤田晋さんが、「21世紀を代表する会社を創る」と言う目的を達成するために、いかに社長としてのあり方や会社の軸を模索してきたか、なぜメディア事業へこだわったかがわかる。

今回は、印象に残った部分を引用として残し、その部分で感じたことを書いていく。

本の中で印象に残っていること

・「孤独・憂鬱・怒り、それを3つ足してもはるかに上回る希望」なんのためにこんなにも我慢を重ね、孤独に耐え、それでも前に進もうとしているのかわからなくなる時もある。それを遥かに上回る希望があるから。
・役員全員が諦めていても、「私だけが2年以内にアメーバを巨大メディアに必ず育てられると信じて疑ってませんでした」
「アメーバ総合プロデューサー」と言う肩書き。決算説明会の場では、不感症のようにアメーバ馬鹿になり切って、アメーバの将来性を説明し続けた。

史上最年少で会社を上場させ、今もまだ大きな会社のトップに立っている藤田晋さん。そんな人でも、常に不安や焦りが見え隠れする瞬間があることにまず意外性を感じた。かっこ「()」で書かれた焦りや怯え・迷いなどの声は、どこか自分にも当てはまる。
彼の凄さは、そんな不安や誘惑・周りの声に流されず、自分が大事だと思うことを信じて貫いてきたことだと思う。失敗を次の成功だと信じ抜く力だと思う。


・「大企業であっても、過去の常識をネット業界に持ち込んだら、逆に難しい」まっさらな気持ちで新しい世界の秩序や仕事のやり方を受け入れる姿勢がなければ活躍できない。

「素直でいること」「誠実でいること」は十分に重要性を認識していても、つい忘れてしまうので、常に振り返る。


経営者としての軸「買収に頼らず、事業は自分たちで創って伸ばす。大型買収はしない。大物人材の外部採用もしない。」
(アイデア探しは、「ジギョつく」「あした会議」)

経営者としての軸や個人としての軸は、たくさんトライアンドエラーをしてきたからこそ生まれるもの。まずは行動しないと、いくら頭の中で考えていても本質は学べない。


・人材に対する価値観は、「採用・育成・活性化」に対しては十分に投資をする。活躍した社員を派手に表彰したり、新入社員の席にバルーンをつけたり。そういった社員との向き合い方があったため、ライブドア事件のときに
「社員とのきちんとした信頼関係に心強く思った」そう。

社会の大きなことに目を向けても、家族や社員などの身近な仲間を大事にしないと、その先のクライアントや社会に良いものは届かないと思う。でもつい家族に強く当たってしまったり、感謝を疎かにしてしまったりするので、毎朝感謝を伝えたいなあ。当たり前にいてくれるわけじゃないから。


・経営者が、自身のサービスに対する違和感を覚えたら、それは介入のGOサイン。
・やらなきゃいけないとわかっていても、踏み込めなかった/遅かった。自分が変わらなければ会社も社会も変わらない・動かない。

先延ばしお化けの自分にとっては耳が痛いエピソードに感じられた。大事だと思っていても、目を背けてしまってることたくさんある気がする。どんなに想いを持っていても、行動を変えていかなければ、状況は何も変わらない。当たり前すぎることだけど、まだまだできてないこと。やりたいことがたくさんある中で、目的と優先順位を持ち続けて、行動しまくる。


・プロデューサーは自らの考えたサービスをどうすれば実現することができるのか、必死に考えれば考えるほど技術者と密にコミュニケーションをとる。技術者自身も、自分のアイデアが実現化していくルートが明確になる。そして皆が一緒のチームでやっているんだ、「アメーバーを絶対に成功させたい」という想いを強くした。

恵まれたことに、自分の周りには、ビジネスサイドとテックサイドの橋渡しをしているロールモデルになる人たちがいる。自分もそうなりたいと思いつつも、技術的なことの理解にまだまだ徹することができてなかったなと反省。技術的なことがわかると、アイデアの幅が広がるだけでなく、チームの一体感を作れるということは知らなかった。

アクションプラン

1. 本書の中で藤田さんがオススメしていた本を読んで自分のビジョンを具体化する

📕役員合宿を始めたのは、リクルート創業者の江副浩正さんの「かもめが翔んだ日」の中にある「じっくりT会議」を読んで。
📕起業する前に「ビジョナリー・カンパニー」を何度も読んでたからこそ「21世紀を代表する会社を創る」と言うビジョンを明文化し、行動規範はトイレにも貼り出す。
📕日本的経営の成功と失敗について、ソニーの盛田昭夫さんの「Made in Japan」、本田宗一郎さんの「得手に帆あげて」

2. 自分でもできそうな部分は、SQLを使ってみる。わからない部分を教えてもらいながら、エンジニアさんの言葉を理解できるようになる。

3. 挑戦する人/主体的に生きられる人を増やすために、足元にある小さなタスクと地道にじっくり向き合う。

最後に

私は、携帯を持ち始めたときから当たり前のようにアメーバブログがあったので、読む前はサイバーの凄さがあまりわからなかった。

でもほんの少し前までは、ブログやSNSすらもまともに機能していない時代があった。今の当たり前に使えているサービスは、たくさんの苦労があったからこそ成り立っていることを再認識した。

未来の当たり前を、自分たちで作っていきたい。

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