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【子育て2.0】 第1章 子どもは全部もって生まれてきている

子どもは全部もって生まれてきている

まず何よりもはじめにお伝えしたいこと。それは、
「子どもは、心が元気でキラキラした人生になるコツをもう知っていて、
そのために必要なものを、全部もって生まれてきているよ。」と言うことです。

生まれた時から、完ぺきな状態。全部もっているのです。

「赤ちゃんは何も知らないし、子どもは何もできないから、全部ちゃんと教えてあげなくちゃ。」とか、「子どものしあわせは育て方次第で決まるから、ちゃんと育てなくちゃ。」と世間では言われていますが、いえいえ、あまり気負わなくても大丈夫ですよ、ということです。

子どもは誰もが、『4つの望み』をもって生まれてきます。
それが叶えば、心が元気でキラキラ輝く人生になることを知っているので、「この4つの望みを実現させたい!」と強く望んでいます。そして、その『4つの望み』を叶えるために必要な道具も一式、全て備えて生まれてきています。だから、その道具を使って、「叶えるぞー!」と、どんどん前に進んでいくのです。
もちろん、まだ体は未発達なので、思うようには動けません。けれども、赤ちゃんや小さな子どものあの「心の元気」をみると、よくわかります。自分から見よう、聞こう、触ろう、舐めよう、歩こう、遊ぼう、かかわろう、やってみようと、キラキラした瞳で、どんどん進んでいくではありませんか。

考えてみればすごいですよね。
大人は、「しあわせってなんだろう、どうしたらもっと元気な心でいられるのだろう。」と模索しています。本を読んだり、講習を受けたり、カウンセリングを受けたりして、ドンヨリした人生をなんとかキラキラできるよう、がんばっています。
でも、そんな私たちもかつては、キラキラ輝く人生に必要なものを、全部もって生まれていただなんて!生まれてきた時すでに、人間としてしあわせになる力が、備わっていたなんて!


こんな『4つの望み』をもって生まれたよ

さて、子どもが生まれた時にもってきたという、心が元気になる『4つの望み』(*参照)とは、一体何なのでしょう。一つひとつのぞいてみることにしましょう。

全ての子どもが持って生まれてきた『4つの望み』とは
1つ目は、「人とつながって生きていきたいよ。」という望みです。
自分のことが好き、人のことも好き。自分はこのコミュニティの一員で、ありのままの自分で受け入れられていると、安心して人とかかわりたいよ、という気持ちです。

2つ目は、「何でも経験して、成長していきたいよ。」という望みです。
自分に関することは自分で決めて、自分で実行できる。自分には能力があって、やればできることがたくさんあると自信を持ちたいよ、という気持ちです。

3つ目は、「誰かの役に立ちたいよ。」という望みです。
自分は価値のある存在で、自分にしかできないことがある。自分が何かをすることで、周りの役に立つことができると信じたいよ、という気持ちです。

4つ目は、「困難を自分の力で乗り越えたいよ。」という望みです。
がんばれない日があってもいい。失敗しても学べばいい。凹むこともあるけれど、どんな困難があっても自分の力で乗り越えて、また元気になりたいよ、という気持ちです。

この4つの望みはどれも同じくらい大切で、どの子どもも「何としてでも叶えたい!」と、心の底から願っています。

では、これらの 『4つの望み』が叶う人生とは、一体どんな感じなのでしょう。
「望みを叶えるだけでは、ちゃんとした人生を送れないのではないの?」
「イヤなことをガマンしてこそ、まともな人生を送れるのではないの?」と心配しなくても良いのでしょうか?
子どもが叶えたくてたまらないという、この『4つの望み』が叶ったと仮定して、一体どんな人生になるのかを少し想像してみましょう。

『4つの望み』が叶う人生とは

その子はいつも、「人とつながって生きていきたいよ。」と願っています。きっと、大好きな友人がいて、人と協力することができているでしょう。自分が「そのままの自分」で安心していられるコミュニティを見つけ、その中でいろいろなことに挑戦しているでしょう。失敗を恐れずにいろいろなことに挑戦できるのは、「失敗する自分でもちゃんとつながることができるんだ」と思えるからです。
また、「何でも経験して、成長していきたいよ。」と望んでいます。だから、進んで能力を伸ばし、自立し、自信をもって過ごしているでしょう。
自分の力を、仲間やコミュニティの役に立つことに使い、自分はかけがえのない存在だと感じ、自分のことも周りのことも大切にし、たとえ、辛いことがあっても自分の力で乗り越えて、自分の人生を自分で楽しくすることができているでしょう。


想像するだけでも、その子が笑顔でキラキラ輝き、しあわせを感じている様子が目に浮かびますね。まさに、「心が元気」な状態です!

だから、安心しても大丈夫です。
子どもが叶えたくて仕方がないその『4つの望み』が叶った先には、こんなにしあわせそうな人生が待っているのです。「好き勝手に、わがままに、欲望のままにダラダラと暮らしている」なんてわけではなく、ちゃんと人と協力し、自ら成長し、ちゃんと人の役に立つことをして、元気を保っているのですもの。人間関係も良さそう。仕事のやりがいもありそう。自分らしく生きていそう!
人生を謳歌しているようで、ホッとしました、本当によかったです。

でも…、

その『4つの望み』をもってそのまま進んでいけば、もうすでにみんなが「心が元気なキラキラした人」になっているはずなのに…、
なぜ、心に元気がない人がいるのでしょう。
なぜ、何かあるとすぐに「ポキンと心が折れてしまう人」がいるのでしょう。
また、大人になった私たちは、なぜ『4つの望み』を覚えていないのでしょうか。
そのままキラキラして進むはずの道に、何か邪魔するものがあったのでしょうか。
私たちが育つ道のりに、何か問題になるものがあるのでしょうか?

もし、「子どもの行く手をはばむもの」があるのならば、まずはそれを取り除くことから始めてみることにしましょう。


子どもの行く手をはばむもの

私たちはこれまで、「こんな子育てをしてあげたい」「これを与えてあげたい」「あれを経験させてあげたい」「この教育がいい」「あのメソッドがいい」「こうすべきだ」「ああすべきだ」と、実にたくさんの工夫を凝らし、いろいろな願いを込め、子どもの人生にいろいろと手を加えて来ました。
もちろん、良かれと思ってしてきたことばかりです。
あのおもちゃも、あの習い事も、この教材も、あの番組も、この教室も、あの塾も、このメソッドも、あの教育法も、あの言葉がけも、あのかかわりも…。
全部、この子のしあわせを願うがゆえに、どんどん加えてきました。

でも、それらは、子どもが本当に欲しかったものだったのでしょうか?
子どもが『4つの望み』を叶えるために、本当に助けになるものだったのでしょうか?
また、量的にはどうだったでしょう?あれもこれもと、加え過ぎたでしょうか?
『4つの望み』を叶えるために、子ども自身があれこれと試してみる時間は、あったでしょうか?

新しい時代を迎える前に、手放すべきことは何なのか

【子育て2.0】でまず注目したいのは、「新しい時代を迎える前に、手放すべきことは何なのか?」ということです。
人間の子どもとして完璧な状態で生まれ、そのまま進めば「元気な心」で生きていけるはずなのに、「何かが邪魔をしているのではないか」と、気付きたいのです。子どもが本来行くべき道を「何かがはばんでいるのではないか」と、見直したいのです。また、これまでは良かれと思ってしてきたことの中に、「新しい時代の生き方には、合わないこともあるのではないか」と、学びたいのです。

もうすぐ「新しい時代」の「新しい価値観」が入ってきます。 新しいものを入れるには、古いものを手放して、そのスペースをつくることが必要です。今こそ、「子どもにとって、本当にいいことだけ」を選択する絶好のチャンスです。今の子育てや教育で「手放すべきこと」があれば、どんどん手放していくことにしましょう。

第2章では、「新しい時代」がどんな価値観の時代になるのかを詳しく知ることで、かなりたくさんのことをポイッ、ポイッと手放すことができそうです!楽しみにしていて下さいね。

どの子も『4つの望み』を叶えるために実験中

ではここで手始めに、「子どもは何も知らないし、何もできない。」という考えを、手放してみることにしましょう。だって、子どもは「元気な心」で生きるコツを知っていて、それに必要なものは全部持って生まれてきているのですから。
では、「赤ちゃんは何も知らないし、子どもは何もできないから、全部ちゃんと教えてあげなくちゃ。」という考えは、
ポイッ!

そして、代わりにこう信じます。
「子どもは、心が元気でキラキラした人生になるコツをもう知っていて、そのために必要なものを、全部もって生まれてきているんだ。」
「どの子も『4つの望み』を叶えるために、実験中なんだ。」
「どの子も、人とつながりたいんだ。成長したいんだ。誰かの役に立ちたいんだ。困難を自分の力で乗り越えたいんだ。」

すると、 私たちが子どもを見る目が、少し変わるかもしれません。
ギャン泣きする幼い子を見て、「『4つの望み』を叶えたいんだよね!まだ体が自由に動かなくて、ストレスを感じるよね。どうやったらお手伝いできるかな?」と、思えるかもしれません。
バリバリの反抗期真っ只中の中学生を見て、「 自分なりに『4つの望み』を叶えられているかな?なかなか苦悩しているね。簡単じゃないよね!でも、あなたの人生はあなたがつくるものだから。がんばって!」と、応援する気持ちが増すかもしれません。

子どもが表面的な態度がどうであれ、『4つの望み』を一生懸命に叶えるために実験中なのだと思うと、なんだか子どものことが愛しくなります。これまでだったら苦労していたような場面も、少し違った目で見ることができるようになるでしょう。子どもを泣き止ませることに疲れ果てたり、「自分の育て方が悪いからこんな風になっちゃうのかな。」と悩んだり、反抗期の子どもと戦って消耗したりする辛い場面でこそ、「どの子も『4つの望み』を叶えるために実験中なんだ!」と、思い出して下さい。
子どもが『4つの望み』を自分で叶えていくことこそが、その子の人生の物語です。そして、子育てとは、「そのお手伝いをすることなんだ。」と考えていきましょう。


ここまで読んで下さり、本当にありがとうございました。
ではまた、第2章でお会いしましょう!

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*参照
【子育て2.0】は、アルフレッド アドラー (Alfred Adler) による心理学、アドラー心理学(Adrerian Psychology)を参考にしている部分がたくさんあります。私はアドラー心理学を2003年より主に ICASSI (The International Committee of Adlerian Summer Schools and Institute) にて、学んでいます。『4つの望み』の原型は、アドラーによる「心理学的に必要な要素の概要」と、Betty Lou Bettner Ph.D とAmy Lew による『Crucial C's©︎』です。私の講座内では『心に効く4つの栄養素』と称して、4色のコップを使って説明しています。15年に渡る子育て教育現場での実践により、原本である『Crucial C's©︎』とは少しニュアンスや解釈を変えて使っている部分もありますのでご了承ください。
Betty Lou先生に特別な感謝の気持ちを込めて♡
Betty Lou Bettner Ph.D http://www.bettyloubettner.com/index.html
ICASSI (The International Committee of Adlerian Summer Schools and Institute)    https://www.icassi.net

©︎2020 Yumi Sano Nakayoshi Project 



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