第30回 失敗から学ぶこと
2024年7月22日
健康と美容、栄養、ウェルエイジングを専門としている内科美容皮膚科医 中島由美です。
今回は医療と離れたお話をさせていただきます。
人生の話、というと大それた感じになりますが、今までの私の経験と、日頃私が考えていることを書いてみようと思います。
今まで生きてきて、何も困ったことがなかった、悲しいことは一つもなかった、と思う方はおそらくいないでしょう。私たちはそこから何を学ぶか、という話になります。
私の浅い経験で申し訳ないのですが、私はこれまで第1志望である学校へは一度も入れませんでした。田舎の小学校から金沢(この時の私にとっては大都会)に引っ越して、周りに感化されて猛勉強が始まり中学受験しましたが、最後の抽選で不合格。中学もたくさん勉強したけど、高校第1志望不合格。高校も頑張ったけど大学第1志望不合格。ずっと第1志望合格が叶えられませんでした。たくさん努力したのに報われず、3年ごとの受験のたびに傷つき悲しくて仕方ありませんでした。でも、中学でも高校でも大学でも、素晴らしい先生や友達にめぐまれ、のびのびと学生生活を送ることができたのです。第1志望の学校に全て合格していたら、今の私とは180度違う人物になっていたかもしれません。
医学部を卒業してやっと研修医になったと思ったら、何をしても先輩先生から怒られ自尊心が傷つく毎日。看護師さんからもなぜか嫌われる。
患者さんからも信頼されない。
勤務先を変えても同じことが繰り返される。
悔しくて夜は泣いてばかりでしたが、ある日ふと思いました。
こんなに同じことを繰り返して、これって私が変わらないといけないのではないか?
うまくいかないのを全部人のせいにしてないか?
私のことを認めてくれない、私にだけつらく当たられる、私は悪くないのに…こんな思いが私を支配していたことに気がつきました。気づくまでになんと8年。(長!)
その時は自分では気がつきませんでしたが、自分の自信の無さから表面的に取り繕ったり、周りへの気遣いや配慮に欠けていたのだと思いました。
やっと自分で気がついたことで、私の態度、振る舞い、口調、笑顔、全て変わりました。いきなり自分を変えるというのも勇気がいります。簡単ではなかったですが、苦しい状況から脱したい思いで必死でした。
病院に怖い(笑)看護師長さんがいたのですが、私の態度が変わったのをみて「そう、それでいいのよ」というにっこり笑顔をもらえた時のことは今でも忘れられません。
先輩先生、看護師さん、患者さんに対する態度が変わってから、全ての関係性が明るく楽しいものになっていきました。今までクヨクヨ悩んでいたことが全くなくなったのです。これは人から指摘されるのではなく、自分で気づくために与えられた必要な過程だったのだと思っています。
人によって大なり小なり色々な出来事があり、悩んだり傷ついたりそこから動けなくなることもあります。禍中にいる間は、落ち込むし、苦しいし、この世界は真っ暗だと思うこともあります。自分がどん底だと感じた時に、ちゃんと立ち上がれるか。「この件で自分が何に気づいたか」が大事で、自分の力でしか完全復活できないのです。
そして次のステージへ。
次のステージでもまた新たな課題が来るかもしれません。
でも、一度乗り越えられた人はまた乗り越えられる。乗り越えられる壁しか与えられないのですから。
乗り越えた自分に誇りを持って、力強く前に進みましょう!
年齢を重ねていろんな経験をして、人はどんどん強くなっていきますね~!