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こころの処方箋

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色と香りが織りなすカラーボトルカウンセリング「和み彩香」 思わず出てくる本音にそっと寄り添います
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#こころの処方箋

忘れるという才能

忘れるという才能

最近、年追うごとに身近な人とのお別れに遭遇することが多くなりました
私自身平均余命が短くなっているのですからそれは当たり前のことかもしれません

母はすっかり「お別れ慣れしたわ」と
言葉数少なにつぶやいています

親しかったその人とこれまでのように
顔を合わせ、話すことも出来なくなり
虚無感が一気に押し寄せてしまいます
そしてその哀しみもいつしか日々の雑事に追われ
遠い在りし日の彼方へと流れて行っ

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ベーコン

ベーコン

貧乏を絵にかいたような大学生の頃
楽しみは、料理だった
贅沢な食材を買い求めることもできないなか
いかに工夫して巷で見たフルコースのメニューを
食卓に並べられるか夢中になった

彼も料理にはまっていった
いつしかアルバイトをコジャレたビストロに変え
皿洗いからのスタートだったが
根っからの明るさでサービスに回るようになり
最後は料理の一品まで任せられるようになった

何かの記念すべき日があれば

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迷子の情熱大陸 2012

迷子の情熱大陸 2012

今日、迷子になった

気がつくと私はクリークの岸に足をつけながら、座ったまま寝落ちしたようだった。
右手にはかろうじて揃って置いてあるサンダル。
そして左手のどこかに引っかかっていたのだろう、じっとりと水につかった夏の帽子が水面に浮いていた。

一瞬ここがどこだか分からなかった。
次の瞬間 大きな歓声が地面の底から地響きのように湧き起こった。
「ああ、私 野外ライブに来てたんだ」
どうやら私はあま

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白沙村荘

白沙村荘

今、京都では祇園祭の真っ最中で、四条通り中心の界隈はどこもかしこも人の波で賑わっている。
そんな京都の夏の風物詩は数々あるけれど、私にとっての一番の思い出はその賑わいから少し離れた銀閣寺の参道沿いにある「白沙村荘」。

私はここでひと夏アルバイトをしたことがある。「白沙村荘」とは日本画家橋本関雪の邸宅で自身の日本画はもちろん、蒐集した骨董品そしてその住まいそのものが文化財として貴重な歴史に残る。

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zero-sumの行方

zero-sumの行方

光と影
光があればこそ存在する影
片方が強くなればなるほど
その相方の存在は増してくる

人の感情も同じかもしれない
良き人を演じれば演じる程
自分の中に眠る決して消えることのない
邪悪な根があることを意識させられる

喜びの陰には選民意識が
勝利の陰には征服欲が
非難の陰には嫉妬心が
慈悲の陰には優越が
憐みの陰には差別する心が

激しい感情のすぐ脇に
今にも軽く音を立てて折れそうな
臆病者の心

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人生の仕上がり

人生の仕上がり

「順風満帆な人生は仕上がりが悪い」

今朝、新聞を開いた瞬間に飛び込んできた言葉でした

これは新刊本の紹介のキャッチコピーの一説

...

アナログのメディアの面白さはここにある

自分の目的とする情報のちょっと横にある宝物を発見する楽しさ

知りたいと言ってピンポイントで言葉が出てくる電子辞書ではなく

その周辺の知識を拾いながらゆるりと理解を深める

紙の辞書のよさの違いがここにある

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幸せの順番

幸せの順番

幸せの順番
知らなければ何も気にならないのに
引いてしまえば後ろ髪を引きずるように気になってしまう

もうおみくじは引かれましたか
大吉が幸せで凶が良くないってことは
誰もが分かっていることだけど
小吉と半吉はどっちが幸せ?
半凶と末凶はどっちが不幸なの?
調べ出すと興味深い

大凶<末凶<半凶<小凶<凶<末小吉<末吉<半吉<吉<小吉<中吉<大吉 
こんな順番だなんて知っていました?

そもそも幸

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