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日記:3月31日 若者がコロナにかからないという考えは捨ててください

ニュージャージー州のコロナ感染患者1号は、若者だった。32歳の医療関係者で、中国系だけれど、中国に渡航歴はなく、タイムス・スクエアのカンファレンスで感染したのだろうということになっている。

このポッドキャストで、回復中のカイさんのインタビューが紹介されていた。


みなさん覚えていると思うけれど、最初の頃、武漢やアジアまわりの感染者の数が老人に偏っていたことで、「コロナは老人のもの」という認識ができてしまった。

ニュージャージー州患者1号になったジェームス・カイさんが3月上旬に病院で隔離されたときには、まだ「若者は大丈夫」という認識があった。彼は、医療従事者で、情報を理解する力があったから、自分で調べたり、医療関係者と連絡を取ったりし、メディアに訴えながら、「大丈夫、あなたは若いから」とのんきに構えていた地元の病院の医者やスタッフを説得して、自分の治療を確保した、というストーリーである。いっときは、危険な状態にまで陥ったが、彼の情報を理解する力と、生きたいという意思が、状況を変えたわけである。

武漢で、老人男性の割合が高かったのは、おそらく、喫煙者率が高かったからだろうけれど、それが「老人がかかる」という認識を作り出してしまった。そのあと登場した説明は、「既往症があれば、若者でもなる」だった。ところが、今は、健康な若者でも感染するし、ときとして死に至ることもある、ということがわかっている。情報というものの心もとなさを証明する事例だけれど、それでも、浸透してしまうと、そこをひっくり返すのはかなり難しいようで、いまだに「若者は大丈夫」と思っている人がいることに、日々驚いている。

自分も若い頃は、相当アホだったので、今、若者だったらと想像すると末恐ろしく、「いまどきのわかいもんは」的な態度を取れる立場にはないが、とりあえず「若者はリスクが低い」は間違いだと証明された情報であること、若者自身がコロナに感染するリスクはもちろんあるだけでなく、キャリアとしてウィルスを運んでしまう可能性もあることを、しつこく言っておきたい。


そして、今も、「私は大丈夫」と思ってしまう若者たちがなかなか減らない。日本は、特に、危機感が薄い感はあるが、やっぱりニューヨークにも、いまだにわかっていない若者はいるようで、昨日、ブルックリンに残っている女ともだちと電話をしていたら「アンダーグラウンド・パーティやろうとしてる人たちがいる」とため息をついていた。

ところで、1週間ほど前に、Urban Dictionaryに登場した新語がある。

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